【小説】ながれ星の母港
町外れの小高い丘の上に、一軒の屋敷がある。
ミーティアポート・ハウスという名を持つその屋敷は、町の人からはこっそり「骨董屋敷」と呼ばれていた。町に建ち並ぶ、量産された直線的なシルエットの家々とは全く異質な、歴史の教科書に載っていそうな風格。しかも、そんな古風な屋敷に相応しく「ハウスメイド」まで雇っているという。このような屋敷が現役だった十九世紀ならともかく、ありとあらゆる仕事が機械化され、掃除も洗濯も人間がする仕事ではなくなった今、メイドなどまず他では見かけない。骨董屋敷