メンターの意見が正反対の時に、どちらの意見を採るべき?
新規事業コーチ&起業家メンタルヘルス研究家の神永です。
今日は、メンタリングを受けている人から、たまに聞く「メンター2人にメンタリングをお願いしているのですが、お二人の意見が正反対でどちらの意見を取り入れるべきなのか迷ってしまうんです」という悩みに回答したいと思います。
ちょっと簡単な例で説明してみましょう。
【起業家】
私のビジョンを聞いてください!
「私のビジョンは、誰でもがお金の心配をすることなく、旅行に出かけられる世界をつくること」です!このビジョンに対してのメンタリングをお願いします。
【メンターA】
ちょっと、このビジョンじゃ矮小化されすぎて、わくわく感が少ないよね。もっと大きなビジョンを描いた方がいいんじゃないかなあ。
【メンターB】
ビジョンが広すぎて、特定の誰かの課題解決になっていない。だからもっとより具体的にした方がよいんじゃないかなあ。
全く正反対の意見がメンターAとメンターBから出てきてしまいました。
さて、このような状態の時に、あなたならどちらの意見を取りますか?
メンターの意見はどちらが正しい?
実は、メンターの意見はどちらも正しく、かつどちらも正しくありません。何を言っているんだ!と怒られてしまいそうですが、どちらの意見が正しいかなんて、誰にもわからないんです。
ペンシルベニア大学で、未来を予想する経済専門家や未来学者などの予想を追跡調査し、その精度が一体どうだったのか?ということを研究した結果があります。
結果は50%。いわゆる「当たるも八卦当たらぬも八卦」の状態です。ペンシルベニア大学の研究チームはこの状態をこう評しました。「未来予測の結果は、チンパンジーのダーツ投げと同じ精度」。
誰も正しいかどうかなんてわからないんです。
これって、有名な二重スリット実験と同じなんじゃないかと思います。全てはわからない。
では一体どちらのメンターの意見を採用すべきなのでしょう。
メンターの意見ではなく自分がどうか?
結局最後は、「自分がどう感じたか?」で決めるしかありません。
結局は以前お話しをし「自分軸」と「他人軸」の問題に帰結してしまうんですね。
「他人軸」の人は、いろいろな意見を言われてしまうと、その全ての意見に対して右往左往してしまい、自分のビジョンやプロダクトがブレブレになってしまいます。「え、どうすればいいの!!!」ってなっちゃうんです。
対して、「自分軸」の人は、こう捉えます。
「メンターAとメンターBは、まったく反対のことを言っている。でも、自分はなんとなくメンターBの意見の方がしっくりくるから、そっちを取り入れてみよう!」
こんな感じです。
すべては自分がどう感じるか?それが正解なんです。
ちなみに、私の知り合いの起業家は、メンターが何人もいますが、「メンターの意見が異なった時には、Kさんの意見を採用する。Kさんを絶対的に信用しているから」と言っていました。そういうのもあり!
起業家にとって本当に大事なのは、「自分軸」。もし迷っている人がいたら、まずは自身が「他人軸」で動いていないかとチェックしてみてください。
「他人軸」のままだと、すべての人に当てはまるようなプロダクトを作ることになってしまいます。そんなプロダクトは、薄すぎて結局誰にも刺さらず、スケールすることもありません。
「自分軸」を取り戻すことに、まずは集中してみてくださいね。
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神永将行(Masayuki Kaminaga)
iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授
iU Z investment パートナー
起業家メンタルヘルス研究所所長
他 複数社の役員を兼任
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