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断食道場~第2章~「ちょうどいい加減を求めて」6日目 【ビジネスの話をしよう】

英国のエリザベス女王がお亡くなりになられました。
以前毎年6月にロンドンに出張する機会があり、何度かエリザベス女王の誕生日パレードをバッキンガム宮殿周辺で見学したことがあります。
英国の王室は、厳かでありながら同時に華やかさも備えていてとても印象的でした。
またニュースでご存知かと思いますが、女王の訃報とともにバッキンガム宮殿に虹がかかったとのことです。 物語のようなことが本当に怒るのですね。
そして実は、私が今いる浜松でも今朝虹がかかったのです。
何か人知を超えた偉大な力があるのだなと感じました。
合掌

9月9日朝5時43分に、禅堂屋上から撮った写真です

やっぱりビジネスについて語らないと片手落ち

2回目の断食道場も明朝の「読経・坐禅・法話」を残すのみとなりました。
どれだけ「ちょうどいい加減」を見つけられたかについては、東京に戻ってから書くとして、やはり1回目の最初から感じていた「これってすごいビジネスじゃない!!??」という感覚について触れておかないと、なんか片手落ちのような気がしますので、今日はそれについて記します。

ざっくり計算できちゃうぞ!!

俗世間と距離を置いて、余計な煩悩を取り払うことを目的としていながらも、やはり考えてしまいます。
「これ、めっちゃ儲かるんちゃう?!」
前回参加時から今日まで私は計12泊しています。(6泊7日×2回)
その間、参加者は平均15人くらいでした。
施設の部屋数は14ですから、100%の埋まり具合です。
(1部屋複数人利用の方がいらっしゃる。すごいです!!)
参加費は1泊¥14,000/人です。
これだけわかれば、月収入がどれくらいかは凡その見当がつきます。

支出面についても、すごくわかりやすい仕組みです。
①そもそも断食道場ですから、食事は1食。かつ地元野菜の精進料理(原価は想像がつきます)
②普通のホテルと違って、部屋掃除やシーツ交換などはすべて参加者が、修行の一環として行いますから、数多くの清掃スタッフは必要ありません。(もちろん、利用者が入れ替わる際にはスタッフさんが掃除されます)
③読経・坐禅・法話などは住職+修行中のお坊さんが担当(いわゆる人件費)
④ストレッチなどの「身体を調える」パートは、専門のスポーツトレーナーと提携(外注費)
⑤光熱費・シーツ・作務衣などのクリーニング費 などの雑費
大きなものと言えばこれくらいでしょうか。

加えて、詳しい知識はありませんが税金面の優遇もあるはずです。
どれくらい儲かりそうかということについては、皆さんも凡その見当つきますよね。(考えてみるだけでも楽しい)

なぜこれをやり始めたのか?

私は、実際いくら儲かっているかなんてことを知りたいわけじゃないのです。
それよりも、どうしてこういったことをやっているのか、やっぱり気になります。それで、住職に直接聞いてしまいました。
短い時間でしたが、率直にお話しいただけてとても勉強になりました。

さすがに詳細全部ここには書けないので、大事なポイントだけ記します。
【そもそも論①・・・経済的側面】
・お寺の最大の収入源はお葬式・法事などによるもの
・しかし、これはどんどん減っていく
・田舎のお寺はどんどんつぶれ始めている
【そもそも論②・・・本来の使命】
・宗教に携わる者の本来の使命は、一般の人たちに「仏の教え」にふれる機会を増やしたり、解説・布教・普及させていくことのはず
・ところが、「葬式・法事」で収入があるから、わざわざ面倒な普及活動はやりたがらない
・宗教心の薄い日本において、このままでは誰も関心を持たなくなるのではないか
・昔の人たちが築いてきたものの上に乗っかっているだけではいけない

お話を聞けば聞くほど、「あっ、これはビジネスと同じだ」と感じました。
市場が変化している、そしてそれに向き合うにあたり「企業(この場合はお寺)」の存在意味(最近の流行でいえばパーパス)を再度考え直さなければいけないのではないかということを住職は仰られたのだと理解しました。

住職のお話しの中には、人口のみならず「地域社会・家族・生活様式・考え方」などがものすごい勢いで変化してきている実例がたくさんありました。日本の社会課題を、私たちビジネスマンとは違う角度から的確に捉えていることがよくわかりました。

儲かるかどうかはともかくとして、「儲けるために」やっているのではない

これはまさに一般企業と同じです。「儲けるためにやっている」と胸を張って言う経営者はいません。もしいるとすれば、それは品のない経営者だと断言できます。儲けることは悪いことではありません。だからこそ、何のために儲けるか、儲けた金をどう使っていくのか、自社が儲かることで社会はどのように良くなるのか、といった哲学的信念・理念のようなものが最も重要であるということなのです。

住職は、「こういう活動をすると、いろいろ言ってくる人がいる。それでも誰かが新しいことに取り組んでいかないといけないと思うのです。今ここでやり始めたことが成功したら、それをいろんな地方でどんどん真似していって貰いたい。それによって未来につなげていかなければならない。色々大変なことはあるけれど、そういうことに挑戦していくこともまた修行のうちだと思っています。」と仰っていました。

3回目はいつにしようかな?

そんなこんなで「お寺が運営する断食道場」に新たな興味がわいてきました。
今度来る時までにもう少し「お寺ビジネス」を勉強しておこうと思います。
そしてもう一つ、最近何かと話題の「宗教と政治」についても住職と会話してみたいなと思うようになっています。

さて次回は、11月はじめくらいかな・・・・・予約取れるかな?(笑)
(けっこう埋まっている!!)

今日の筑前煮は量がかなり多かった・・・・



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