あなたはどちらのタイプ?「できるビジネスマン」について考えてみよう!
皆さん、こんにちは。神村です。
今回はきっと皆さんも一度は考えたことがある「ゼロからイチを作るタイプ」と「イチを拡大・成長させるタイプ」をテーマに話していきます。ぜひ、皆さん自身がどちらのタイプに当てはまるかを考えながら読み進めて欲しいです。
※前回までと打って変わって、小出さんと私の対談形式でまとめてみました。ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
(本稿は「Off the pitch talk 」第65~67回の放送内容のまとめです。今回はインタビュー小出さん、文責:神田さんでお届けします)
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#65 : https://stand.fm/episodes/604f32051f2dc008aec8d4a7
#66 : https://stand.fm/episodes/6051bfd493579ae451669cb5
#67 : https://stand.fm/episodes/605488ab8db96325661b8253
できるビジネスマンとは?
(小出):では早速、今回の本題の方に入っていきたいと思います。神村さん、よろしくお願いします!
(神村):よろしくお願いします。まずは、「できるビジネスマン」の定義について考えていきたいと思います。一般的に、世の中で”優秀”、あるいは”成功している”と言われるビジネスマンは「ゼロからイチを作るのが得意な人」と「イチを成長・拡大させるのが得意な人」の2種類に大別されます。この分類は非常にシンプルで分かりやすいと思うのですが、小出君はどちらのタイプだと思いますか?
(小出):僕は後者の方が好きで得意だと思います。
(神村):へぇー、そうなんだ!そのように思うきっかけやエピソードは何かありますか?
(小出):トレーナーの仕事が後者に近いと思います。というのも、選手の近くで直接サポートする際は、選手自身の目標や実現したいことが前提にあります。僕はそれを達成するためのプラン・メニューを組むので、僕の意思で何かゼロから始める機会が少ないと言えます。また、学生時代はクラブ等において主務や副キャプテンを務めることが多かったので、サポート側として組織をマネジメントする役割が自分に向いていると感じます。
(神村):なるほど、それは正直意外でした。小出君の場合は、フリーランスとしてトレーナーの仕事をやっていくぞ!と自分の意思で決めたんだし、選手との契約もゼロから始めたという点では、「ゼロ⇒イチ」タイプなのかなぁと思っていました。
(小出):確かに「ゼロ⇒イチ」の側面もあります。ただ、自分が「ゼロ⇒イチ」タイプじゃないことを自覚した上で、今あえて苦手なことに取り組んでいる時期だと捉えてます。実際、就職活動も経験しましたし、他の人と同じようにサラリーマンの人生を歩む道もありました。でも、もし企業に就職したら、自分の苦手なゼロ⇒イチの能力を付ける機会が一生来ないんじゃないかって。なので、フリーでトレーナーをやりたかったというよりは、自分の苦手を克服したいからというのが正直な想いです。
(神村):つまり、あえて茨の道を進む選択をしたんだね?
(小出):はい。今でも学生時代の友人からは「小出は絶対にフリーじゃなくて、組織に属してサポートして行く側のタイプじゃん」と言われます (笑)
(神村):実際にやってみてどう?もう社会人になって1年ぐらい経つと思うけど、仕事での成長や自信などは感じ始めているかな?
(小出):去年仕事で熊本に滞在してた時が一番成長を実感しました。現地に知り合いが一人しかいなくて、東京で今までお世話行ってきた方々と距離的にも離れてしまい、なかなか繋がれない環境でした。見知らぬ熊本という土地で、それこそゼロから一緒に仕事する仲間や知り合い探していく過程はとても勉強になりました。
(神村):まさにこのテーマを取り上げた背景の核心に触れてくれましたね。人は誰しも、「他人が思う自分」と「自分が思う自分」の間に多少なりともギャップがあると思います。僕自身がどう思ってきたのか、小出くんがどう思っているのか、そして読者の皆さんがどう思うのかが興味深くて取り上げたのですが、いきなり小出君が核心を突く意見を述べてくれたので、このテーマにした甲斐がありました。
そもそも、タイプ分けは重要なのか?
(小出):ちなみに、神村さんはどちらのタイプなんでしょうか? 個人的にすごく気になります(笑)
(神村):自分はずっと「イチを成長・拡大させる」タイプだと思っていました。 僕のキャリアは基本的に”会社員”でしたし、自ら会社を興した”起業家”ではないので、少なくとも「ゼロ⇒イチ」ではないと思っていました。
(小出):僕は神村さんと半年近く関わらせていただく中で、 結構似てる部分があると感じています。 ただ、どうしても”社長”の肩書きが付くだけで「ゼロ⇒イチ」のイメージが強くなるのだと思います。
(神村):実際の仕事で言えば、何か会社や事業を成長させるには必然的に新しいことを始めないといけないですよね。そう捉えると、ふと自分が一体どちらのタイプなのか分からなくなってくるんですよね。
(小出):アイディアとしてのゼロなのか、やり方としてのゼロなのか、いずれにせよ「ゼロ⇒イチ」の部分はありますよね。
(神村):まさしく。よく世間的に「あなたはどっちのタイプですか?」という議論そのものが、あまり意味をなさないとすら思えるのです。「自分はこういうタイプ」ということを認識すること自体は大切ですけど、あまりに執着しすぎると、かえって自分の可能性を狭めてしまう気がします。また、就活生でも自己分析を通してタイプを分析しようと言われますが、もしかしたら、自己分析による弊害もあるんじゃないかと。
(小出):たしかに、”ゼロ”と言っても厳密には完全な”ゼロ”ではないというのが持論です。皆だれしも、過去の経験やインプットされた情報をもとに何かアイデアを出したりするので。
(神村): 私が新入社員の営業時代、新規顧客開拓の営業やっていました。会社への飛び込みやテレアポをする際は、ある程度決まりきった”型”があるのですが、自分なりに一生懸命やってたつもりでも、最初は全く結果に結びつきませんでした。最初の数ヶ月、言われた通りに続けても全然結果が出なかったから、「これからは自分なりのやり方に変えてみよう」とマインドを変えてみたんですね。あえて周りの社員がやらないようなことをやる大切さに気付いた瞬間でした。例えば、飛び込み営業の時に、事前資料を用意する際は、会社で与えられた資料ではなくて自分でオリジナリティの資料を作ってみるとかね。他にも、自分の担当エリアごとに会社の業種・業態に即した資料を準備するとか、色々と工夫しましたよ。
(小出):なるほど、それで結果は出たんですか?
(神村):ところが、最初は結果が中々ついてこなかったんです。自分で資料を作るのには時間がかかるし、ある種の我流になってしまうので、仕事の満足度は高かったんだけど結果が出ない日々が続きました。
(小出):その中で、具体的にどのように結果を出せたんですか?
(神村):我流だとは思いつつも他に良い方法が思いつかず、段々と仕事がつまらなくなって、自己嫌悪に近い気分と格闘しているような状態でした。でも、大してやり方を変えた訳じゃないのに、継続していったら少しずつ結果が出るようになったんですね。最終的に、四半期の新規開拓営業で支社トップの成績になれたんです。それ以来、「新規営業と言えば神村だ」という印象が根付くのを実感しました。
(小出):そのような実績もつくと、余計に「ゼロ⇒イチ」の方が得意だと思いますよね。
(神村):当たり前かもしれませんが、新規開拓ばかり担当していると平均受注単価が低いので、取引社数(件数)は増えても営業の根幹目標である受注金額は大きくなりません。だから、どれだけ新規を開拓しても、営業で掲げる売上金額目標は達成できないんですよね。元々、「イチから成長・拡大」する方が得意だと思っていましたが、ある時から部分的には「ゼロ⇒イチ」も得意なんじゃないかと思い始めて、当初思っている自分像とは全く異なることに気付きました。現実を突きつけられた感じに近いです。
(小出):自分自身で描く自分像と、現実の自分とのギャップには驚くし、そのギャップを埋めようと躍起になることも珍しくありません。
(神村):まさにそうなんだよね。そんなこんなで、入社2年目の時にリクルートがアメリカに進出するタイミングと重なって海外駐在を経験させてもらいました。当時のリクルートは、新規市場の開拓フェーズの最中でした。また、海外赴任を経て日本に帰国してからは、海外の国際人の採用事業の立ち上げなどを経験してきました。これらの事業を進める過程において、いくつもの壁・困難にぶつかってきました。事業自体を成長させることはできましたが、それでも会社が目指す加速度的な成長や事業拡大の目標には届かなくて…そうなると、結局自分は一体何が得意で何が苦手なのか、分からなくなるんですよね。
(小出):結局どちらかができるようになっても、また次のステップで新たな壁にぶつかりますよね。
(神村):そうなんです。今まさに小出くんは、あえて得意じゃないことにあえて挑戦していると聞いて、当時の自分と重なる部分があるなと思いました。
過去と現在での仕事観の変化
(小出):神村さんが、過去の経験を経て今の仕事にどのように繋げているのかという部分が気になりました。その点についてはいかがですか。
(神村): 今は立場もだいぶ変わってきましたが、そうは言っても何か新しいことに挑戦し続けたいという気持ちは持っています。他の誰かがやってないことや、組織で今まで実現できてないことへの挑戦をテーマにしながら働いています。
(小出):先ほどの話だと、「ゼロ⇒イチ」タイプの傾向によってきていると?
(神村):間違いないと思います。
(小出): そうですよね。 キャリアや経験を重ねれば、自分の成長に応じて得意分野も少なからず変化します。今の就職活動している学生や社会人1~2年目の若手社員に伝えたいことや、ご経験を踏まえたアドバイスはありますか?
(神村):大前提として、自己分析は大切なのは間違いないですが、そればかりに縛られる必要は全くないということです。そもそも何のために自己分析をするのかを考えた時に、今の自分に何ができて何ができないかをきちんと把握する、あるいは弱点に真正面から向き合う事が大切だと思うので、あまりシビアに考えすぎないほうがいいです。むしろ、弱点をどのように克服するかの方が大事だと思うので、 自分自身や周囲の意見を謙虚に受け入れていく姿勢を保つことが大切でしょうね。
(小出):会社に入ってる人は尚更だと思いますが、そもそも自分の強みだけを活かせる仕事の方が珍しいですし、自分の苦手なことも含めて仕事で結果が求められる場面はありますよね。
(神村):その通りだね。弱点をうまく克服していくと、結果的に強みの部分が更に際立って秀でたものになることだってあります。よく「強みを伸ばすこと」と「弱点を克服すること」を二律背反で捉える人も多いと思いますが、 僕はそれは表裏一体なので、その議論自体が本質でない気がします。
(小出):結局は、目の前にある仕事に全力でコミットして、結果を出すことが重要なのかなと思いました。神村さんの現在の取り組みで何か気づきはありましたか?
(神村):ちょうど今年、 SDGs や障害者スポーツなどの新たな取り組みについて、過去の放送でも話してきました。また、組織の制度改革や教育体制の確立などに着手し始めていますが、特に最近は若い頃のやり方と凄く変わっていると実感するんです。
(小出):とても興味深いので、もっと詳しく教えてください。具体的には、どこが一番変わりましたか?
(神村):一番変わったのは、なるべく若手で成長意欲のあるメンバーに実行・具体化する機会を提供する点です。昔だったら、自分が「このやり方でやれ」と若手社員に指示することが多かったのですが、最近ではアイディア・テーマを出す程度に留めています。きっと、「俺のやり方じゃなくていいから、俺がやりたい事を皆で一緒に実現・達成していきたい」という気持ちが強いからだと思います。自分一人でできないことを組織の力を達成することに軸が移りましたし、結果が出るまでに時間のかかることに対しての寛容性が出てきました。
(小出):なるほど。どちらかと言えば、僕ら世代の人は何かアイディアをもらう立場だと思いつつ、実際にアイディアをもらったり何か新しいことを任されると、つい失敗したくないという思いが先行してしまいます。
(神村さん):たしかに、若い人ほど失敗したくないし、できれば成功法(=答え)も教えて欲しいという気持ちがあるのはよく分かります。
まとめ:若い社員こそ、どんどんチャレンジしよう!
(小出):では最後に、「新しいことを任された若い人」に対して伝えたいことは何ですか?
(神村):言われたことをそのまま言われた通りにやるのはNGですし、「自分は苦手な仕事だな、無理そうだな、、」と決めつけて自己成長の機会を自分で奪うのは、とても勿体ないです。頼む側にしても、あなた自身にやって欲しくて依頼しているので、初めから断っていたら信頼を損ないます。ですから、自分の可能性を信じながら、常に自分なりのプラスα(=付加価値)を考える習慣をつけて欲しいですね。
(小出):そこが一番僕ら若手社員にとっては怖くて、かつ面白い部分でもありますね(笑)
(神村):仮に自分なりのやり方で失敗したとしても、自責の念があれば自分自身の糧や学びになるし、絶対に無駄になることはありません。次の成功に近づくためのプロセスなんだと捉えて、どんどんチャレンジしていって欲しいと思います。
(小出):何事も恐れず果敢にチャレンジするのも、若いうちだからこそ出来ると思うので、僕自身も積極的に挑戦していこうと改めて決意できました。ぜひ読者の皆さんも、今回のテーマが自分自身を見つめ直す機会になればよいと思います。
(神村):今回はとりとめもなく自分の経験も話してきましたが、今でも自分は「どっちのタイプ」かはっきりしていません(笑) でも、それでいいと思います。どちらのタイプであったとしても、絶対的に重要なポイントが実はもう一つあるので、それについては次回以降に機会があれば話したいと思います。
(小出):絶対的に重要なことですか!?もっと深くお話を聴かせていただきたいのですが、時間も迫っているので次回以降の楽しみにしておきます!神村さん、今週も貴重なお話ありがとうございました。
(文責:神田)