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僕らの本棚(3)~2024年ベスト:ビジネス編~(お薦めの5冊)

⓪ビジネス書は乱読して初めて目利きができるようになる

毎年数多くのビジネス書が出版されますが、その大半は「・・・」という内容でがっかりすることも多いのではないでしょうか。特にノウハウ伝授系の「○○分でわかる」とか「これだけやれば・・・」のようなタイトルの本を買ってみたものの、大したことが書かれてないことにがっかりすることはよくある話です。

よく若い人から「お薦めの・よい本教えてください」と聞かれることがあります。
僕はその時には「とりあえず気になる本を全部買ってみて、パラパラ読んでみな」と答えるようにしています。
読書慣れしていない人ほど「好い一冊」に巡り合えばしっかり読めると思っているケースが多々あります。

僕は「好い一冊との出会いは乱読から始まる」と思っています。
沢山の人と知り合って、その過程で親友ができる。
そんな感覚に似ていると思います。

①読みごたえがあり、骨肉になっていくビジネス書3冊

ビジネス書の大半はよく似た内容です。だからとにかくたくさん読んで、「ああ、要するに大事なことはこういうことなんだな」と自分なりに腹落ちしていくようにすればよいと思います。
しかしながら同時に「とても大事な事の本質・普遍の真理」的なことをしっかり学ぶためのビジネス書も存在します。
今年出会った素晴らしい3冊をご紹介します。(書棚に置く価値のあるビジネス書です)

『「超」入門 失敗の本質』

『失敗の本質』は1990年代に出版され、当時先輩から薦められて買ってみたものの全く理解できず、その後何度かトライましたが毎回50ページもいかずに挫折して、ほこりを被っていた本です。(いまだに読了できていません)
こういう難解本に対して解説的な本が出ると本当に助かります。
『失敗の本質』が本棚で眠っている方も多いと思いますので、先ずはこちらを手に取ってみるのはいかがでしょうか。

理解できない理由は、周辺知識が足らないことが多いから。
組織論でありながら、歴史的事実、特に太平洋戦争に関する
日本軍についての知識がなく全く理解できなかった。
本書を手にすることで、歴史上の事実をビジネスに展開しながら読むことができ
非常に役立つ「サポート書籍」であると思う

『コンテクスト・マネジメント』

著者自らが帯に記しているように、「良い」経営を目指す全てのリーダーが繰り返し繰り返し読むべき本の一冊だと思います。
それなりに経験を積んでいる30~40代リーダーならすらすらと読める本でしょう。それでもこの本は、1度読むより2度、3度とページを繰ってみることに価値のある本です。通しで何度も読まなくても、思いついた時に手に取ってページを開いてみる、付箋を貼る、線を引くを繰り返しているうちに、気づいたら付箋だらけ、マーカーだらけになっているような本です。
大学院の講義で使用されるテキストなので、著者と対話・ディスカッションするような気分で読み進めると非常に面白い一冊です。

「良い経営」と「そこそこの経営」を分けるものは何なのか?
組織は合理的かつ倫理的に意思決定をしていくはずなのに、なぜ大企業の不祥事が絶えないのか?
ミレニアル世代・Z世代が企業経営の中心世代になる頃、どのような社会になっているだろうか?

『だから僕たちは、組織を変えていける』

おそらく今年に限らず、ここ数年で読んだ「組織活性系」の本の中では群を抜いた秀逸な1冊と言っていいでしょう。
圧倒的なち密さ、優しさ、細やかさ、そしてリアリティがあり、何より組織とそれを構成する人に対する愛情に満ちあふれた組織マネジメント論です。
この本は一人で読まずに、社内であらゆる階層を超えて一緒に読んでディスカッションすることで、より一層その価値が引き立つと思います。

管理から自走へ、議論から対話へなどいわゆる今風な定義で書かれていますが、
決して現状追随だけの甘っちょろい内容ではありません。
たとえば、
「話し合えば分かり合えるは誤解である」とか、
「褒めるのが大切というのは誤解」など
ドキッとするようなポイントも鋭く指摘している。
人に優しい、厳しい組織つくりを目指したい方にはピッタリだと思います。

②言葉上手になりたい、表現力を磨きたい人におすすめの2冊

ビジネス・スキルにはさまざまな要素がありますが、すべての基になるのが「言語力」だと思います。
この「言語力」をもう少し分解してみると、こんなポイントがあげられるのではないでしょうか。
・身につけ方の方法論が明確じゃない
・身につけるのに時間がかかる
・身についたのかどうかの判断基準がよくわからない

「○○上達法」的な本が溢れる中で、この2冊は非常に明快で実用的です。
少し時間がかかるかもしれませんが、ここに書かれている内容を身につけていくと、自分が表現できる世界・感覚が変わってくるのではないでしょうか。

『言葉にできるは武器になる。』

「何を話すかよりも、誰が話すかの方が大事」とよく言われます。
でお、そこに全てを帰結してしまえば「自分の言葉」を磨くことはできません。
言葉を磨くは自分磨きでもあります。

『「好き」を言語化する技術』

どんな風に好き?と聞かれてどう答えられるか?
めっちゃ好き!
やばい!!大好き!!
それ以外の表現が思いつかない人いませんか?
「好き」以外にも、
「悲しい」「嬉しい」「悔しい」など様々な感情表現を
奥深く・味わい深く表現できたらいいと思いませんか。

ビジネス関連本は乱読・多読と精読を組み合わせながら、毎日のルーティーンにしていくといいですね。
たった30分、されど30分。
その30分が何に使われているか・・・・

わかっちゃいるけどなかなか変えられないのも日常習慣。
何かのきっかけになれば、この項の価値があるのかもしれません。

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