【まったり経営学14】『世界標準の経営理論』13〜知の探索・知の深化②〜知の探索における、うさぎと亀
毎度の2年前の感想
見出しとしては、
両利きの経営を進めるには
日本の企業は、「知の深化」に偏りがち=コンピテンシー・トラップ
オープン・イノベーション戦略とCVC投資:戦略レベル
CVC投資とは
「日本の大企業型」知の探索とは:WiL(伊佐山元氏創業の国内最大級のベンチ ャー)
伊佐山氏とWiLの仮説
他にも
出島組織には、異なるルールを:組織レベル(例:USA Today,SAPなど)
ダイバーシティは、一人でもできる:組織レベル、個人レベル
知の探索に「適切な幅」はあるか
経営者の知の探索は広く、広く:経営者レベル
経営者の知の探索は広く、広くのイメージ図
世の中に革新的な価値をもたらしている経営者
その他の「両利き」の研究
関連リンク
今回の感想
CVCは効率とか生産性重視な日本企業の経営者がよく取りがちな手法なんだけど、やらない方がいい。
イントラパーソナル・ダイバーシティでやった方がいい。
なぜか?
⒈CVCって結構、実は日本の大手企業って昔からやってきてるんだよね。
日本の場合、CVCが、この章で言うところ上手い循環で回ればいいけど、殆どがスタートアップ企業の技術買収で終わってしまっている
例えば、混迷を極めて、もうすぐ上場廃止をしようとしてる東芝。
資本力のある大手企業側のメンツがあるからか、その新しい技術を企業ごと買収に動いて、死蔵で終わってしまう
↓
結果、本当は世界に先駆けて発信出来てた、世界的に覇権を握れていたような技術が、企業側のメンツのせいで、何年間も企業の中で使われもせずに眠っていたってことになりがち。
⒉CVCだと、いくらアライアンスベンダー(開発連携)だと大枠では見ても、外部に発注してるのと変わらない技術開発などの未開拓な分野のノウハウは、全てスタートアップ側が主導権を握りがちで、投資してる側が一番欲しい開発ノウハウが手に入らない。
スタートアップ側としては、そこまで渡すと次回から仕事が切れるから、情報資産として残しておきたい=情報の非対称性もあるし。
結果、自社内でひらめくような開発過程の副産物(人材育成の一環で経験を積ませるとか、開発工程の詳細を知ることができない)
👉資源依存論や取引費用理論で紹介した解決策
自社内で内製化
することができないし、取引コスト面から内製化を目指す結果、1、で開発スタートアップ自体を買収してしまおうと動いてしまうが、メンツがある割に、経営層にノウハウがないから、
革新技術を死蔵する
の繰り返し。死蔵を日本の大手企業が繰り返すと、市場で革新を起こせる技術がいつまでも企業の中で眠ったままになる。
イノベーションが起こりにくい行動を、イノベーションを起こそうとCVCを採用した大企業ほど起こしてしまう。
という行動心理学でよくある人間の矛盾した結果をここでも引き起こす。
イントラパーソナル・ダイバシティだと、
一見効率は悪そうだけど、最初から内部だけで動くので、
「一人の人間が、多様な、幅広い知見や経験を持っている」
⬇
「その人の中で、離れた知と知の組み合わせが進む」
⬇
「新しい知が創造される」=イントラパーソナル・ダイバーシティ
⬇
(ここから下は個人的に継ぎ足し)
イントラパーソナル・ダイバーシティを行える個人が組織に集まって、組織知にする
⬇
組織全体でイントラパーソナル・ダイバシティを常に行える風土にする
👉そのために必要なのが、リアル・オプション=予算の1割を知の探索に使えるように用意しとく。
+
内製化も進みやすい(取引費用とか資源依存関係を排除できる)
+
メンツなんかも関係ないので、死蔵も起こりにくい
+
目の届く範囲で、管理もしやすい
👉the fourで書いてるところの、T-algorithmのひとつ、
Vertical Integration(垂直的統合)
が起こりやすい。
と、他の理論と組み合わせても、メリットが大きい。
知の探索を
CVCで時間をかけずにやるか
イントラパーソナル・ダイバーシティで時間をかけてでも自社内でゆっくりやるか
って話。まさに、知の探索やイノベーションにおける
うさぎと亀
だね💦🤔
とまあ、こういう書き方をすると、せっかちな人とか正解を暗記しようとする人ほど、
「じゃあ、イントラパーソナル・ダイバシティでいいんだ!」
とトレード・オフで考えて、CVCを切り捨てようとしそうなんだけど、
どちらが向いてるかなんて、
業種とか経営状況や組織の風土による
としか言いようがない。
CVCが向いている企業は、CVCで最初はやっておいて、TCEや資源依存を解消するように持っていけばいいし、内製化した後に死蔵しないようにすればいいだけだし、
イントラパーソナル・ダイバシティも、正社員で就職すれば安泰って行動しないような社員ばかりが集まってる=就職をゴールって考えてる社員ばかりで、自分の中の多様性を増やそうとしない、生活に変化を望まない人ばかりが集まった組織だと、そもそも採用しても向かないと思うしね。
こう書くとさらに、
マクロ統計学的な表現に陥りがちな、日本の学者やマスコミ報道の表現が刷り込まれてる人ほど、
「だから、ベンチャー企業がいいんだ」
「老舗や大手企業はダメだ」
「民間企業じゃないとイノベーションは起こせない」
みたいに短絡的に即断即決で思いがちな人も出てきそうだけど、
過去に12社くらい色んな開発現場で仕事していて思うのは、大手企業だから、ホワイト企業だから革新的なことや多様性が生まれないわけでも、ブラックだからベンチャーだから革新的なことや多様性が生まれるわけでもない。
大手には大手なりの理由があって、きちんと育成計画を練りながら、資格を取らせて、イントラパーソナル・ダイバシティをキャリアプランとして数十年かけてやってる企業も多いしけど、その研修育成制度がすでに時代に合わなくなってるのに、社内制度が合理化されすぎていて、時代に合ったものになかなか変えられなくなってる会社も多い。
他にも地場の老舗で最大手の不動産企業なんかで、DX推進を進める過程で、今からきちんと予算をかけて、企業全体でイントラパーソナル・ダイバーシティに取り組もうとしてる企業もあるし。
明石市なんて、市長の旗振りの元、自治体なのに、子育てに本気で取り組んで、今や子育てモデル都市になってるし、
アイツらが流行った時には、確か福井県だったかモデルケースになるくらいな取り組みをやってたしね。
短絡的にそーゆー即断即決で考える思考自体がすでに、
ステレオタイプでイノベーションに向かない人
👉イノベーションを起こしたり、自分の人生とか周囲に変革をもたらしたいなら、まずは、その思考や意識を変えた方がいい。
結局、CVCやイントラパーソナル・ダイバシティって、
イノベーションが叫ばれる時代に必要な、
知の探索方法を組織や個人としてどうするか
って話。国や行政、マスコミも含めた全ての人の集団に当てはまるから、企業ではなく、組織と表現。
個人でできるイントラパーソナル・ダイバシティの方法
これだけインターネット上で無料で個人で発信したり、公開できる時代になってるから、
最初から、カタチ(=目に見える結果)を求めずに
何か趣味があるのであれば、noteで自分の趣味の記事を上げてみる
スマホアプリを作って、公開してみる
Googleサイトで自分なりのHPを作って公開してみる
などなど。こういうことを書くと、努力教信者な行動しない人ほど、
「いつまでやり続ければいいんですか?」
みたいに聞く人も多いんだけど、
(自分なりにではなく、はたから見て)
カタチになるまでやり続けることが大事
実際にやった結果の例(自慢話ではなく事実として)
例えば、ちょうど2年前noteをやり始めた時
日々の生活や技術系のブログや開発哲学、洋書、古典、経営学など、自分の好きなことを気ままに記事にして発信してるだけだし、ライフワークで自分の知識を発信したいって思って書き続けてるだけだけどね💦
こんなにフォロワーさんが見てくれるようにもなるなんて思ってもなかったし、何より、
世の中の人も古典にこんなに関心があるんだ!
👉WEBマーケティング
として活用できてる(=個人的な副産物)
なので、自分の本業のアプリ製作にも役に立ってるし、製作の幅が広がったんだよね〜〜〜〜
しっかし、先週の香取くんの個展の記事は衝撃だったなあ👀
記事数としては、
他にもスマホアプリの例として、6年前に完全に個人で独学で始めて、仕事関係で他の言語の現場ばかりやってるけど、
カタチになるまでやり続ければ、光るものにもなるだろうけど、
イントラパーソナル・ダイバシティすら起こせない人って、
やり始める勇気とやり続ける根気がないだけ
ま、そーゆー人ほど、企業や国の上には居座って、
イノベーションを叫びつつ、
小さなイノベーションの萌芽を全て摘み取り、
イノベーションを起こせる技術を自分の会社や国のやり方を守るために死蔵しちゃうんだけどね👀
だって、彼らの至上命題は、
現状維持で、自分の懐に入るお金と安泰な老後の生活さえ出来ればいい
だからね。それで社会が衰退しようと、まずは
自分達の利益とメンツが優先だから
ま、実際にそう思ってるかは知らないが、
そういう行動にしかなってないやな
社会が衰退すれば、自分たちの安泰な老後のお金も減るだけなのに。
昨日追記しようかなと思ったんだけど、
この話が出てからの方がいいやと思ったので、
知の探索はカタチになるまでやり続けることが大事
やり始めた目的よりも、やる過程で出てくる副産物に目を向けて楽しみながら。
👉今日やって明日にはすぐに成果が欲しいみたいなせっかちな人には向かない。個人でやってもカタチになり始めるのに2年はかかるからね。
トヨタカンバン方式を生み出した大野耐一さんの本にもたしか書いてたけど、
トヨタカンバン方式をトヨタが導入した翌年に、トヨタカンバン方式の資料を入手して、組織として導入しようとした会社があったらしいんだけど、その会社、
合う合わないの取捨選別が早すぎて、3〜5年で社内制度をコロコロ、コロコロ変え続けていまだにうだつが上がらない。
今頃カンバン方式をやっていたら、トヨタを凌ぐ企業になっていたかもしれないのに。
って書いてたな。
まとめ
イノベーションの萌芽は、
イントラパーソナル・ダイバーシティ
前回の記事
でもAmazonなんかの例を書いたけど、結局、イノベーションを起こせる企業や個人って、
自分の目先にある課題を放置せずに、すぐに解決しようと真剣に、真摯に、直向きに行動を何年もかけて、取り組んできた結果でイノベーションを起こしてるだけ。
最初から「イノベーションを起こす人材を!」みたいなお題目を掲げてイノベーションを起こした企業なんてないし、そもそも
計画通りに起こすイノベーションをイノベーション=変革とは言わない。
それは変革とか社会的革新ではなく、ただの
予定調和
この国の記憶力ゲームで計画大好きな生真面目、社会人は、
イノベーションや閃きすら、計画=予定でやっちゃおうとするからね〜〜〜
限定された合理性が分かってんのかな?と思ってしまう🤔
繰り返すけど、
目先の見返りを求めず、小さな失敗を恐れずに、目先の改善に真剣に取り組み続けた人や企業がイノベーションを起こしてきただけ。
歴史で見ても、クリエイティビティってそんなもん。
モーツァルト然り、ベートベン然り、村上春樹然り、
彼らは、やりたいことを自分のペースでカタチになるまでやり続けただけ
こういうこと書くと生真面目な人ほど、
一念発起とかで、十何時間もしないといけないとか思い込んで、
三日坊主になる
んだけど、ここはリアル・オプションの考え方で、
手取り10万円としたら年に1万円(月じゃなくて年でOK)
1日に起きてる時間が16時間あるとして、1.6時間
って考えたら結構、できなくないでしょ👀
1万円あれば、市販の本なら3000円の分厚い本でも3冊、ビジネス本なら5〜7冊は買えるし。他の記事でも以前、書いてるけど、
本の冊数なんかよりも、その本で書いてることを知ったら知った瞬間から実践して、自分に定着するまでやり続けるって考えたら、年間でそんなに本なんて読めるわけないし、書いてることを実践しないなら、読んでないのと変わらないでしょ?
適切な考え方を知って、それに見合う行動をゆっくり時間を掛けて
行動し続けてれば、イノベーションなんて結構、簡単に起こせる
個人の生活なら特に。
みんなそれを頭で理解してるつもりでも、
いつまでも行動する前に意味や見返りを求めて、正しい行動をしないから
同じ明日が待ってるだけ。
組織なんて所詮は、人の集まりだからね。
そこに集まってる人次第で、組織なんてよく悪くもいくらでも変わるんだから。
どっかの店舗前の街路樹枯らした会社みたいにね。
ここまで書き出して整理してみて、
やっぱり、前回の記事の関連図書でも触れた
の
「シンギュラリティは日々の作業の中に」
って言葉が大好きだなあ🕺
まさに、イノベーションを起こすってどういうことかを立った一言で表してる。
さてと、次回は、
知の探索と知の深化について、じゃあ、
組織の記憶=組織知をどう増やすか
に入ってくよ〜〜〜〜キーワードは、
うろうろ管理職とブラブラおじさん笑😆
妖精おじさんではないぞ
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