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blog で進路指導-2

youは何しに大学(高校・中学・就活)へ

これは進路探究ワークショップで問う最初の質問です。

その意図は、日本では進学はほぼ当たり前になっていて、多くの生徒が何も考えずに受験をするからです。進学はして当たり前。どうして進学するの?と聞くと、逆にどう言う意味ですか?と言う表情で返される。だって目的があるから進学するんでしょ?と言われて初めて答えを探す生徒。〜がしたいから!と即答できる生徒は決して多くありません。この傾向は成績の優秀如何を問わず見られる傾向です。

だって大学行かないと良い会社に就職できないから、、、、だって親が大学くらい出ておいて欲しいって言うから、、、、だって友達も行くから、、、、だって他にやりたい事ないし、、、、消極的な意見ばかりが並びます。そこでファシリテーターが問いを返します。「大学に行かないと本当に良い会社に就職できないの?逆に大学に行くと良い会社に就職できるの?

こうやって思考を深め、社会と未来の現実、進学の目的をしっかり考えて行きます。この問いに先に答えを言ってしまえば、残念ながら、大学くらい出ても今や良い就職にはあり付けません。万万が一ありつけたとしても、今後一生その職にしがみついていられる保証はどこにもありません。大学くらいの”くらい”には他になんの取り柄がなかったとしても大学くらいは・・・と言う意味がふくまれているでしょう。今や大学くらいはと言う程度の学歴よりも、他に何か取り柄があった方が余程就職出来る時代であると言う事を知りません。この程度の知見で高校を卒業してしまう日本の子供達は、本当に危険だと思います。保護者もそろそろ大学くらいではどうにもならない事を理解して教育に当たる時に来ているのですが・・・・・。

社会が変わった!とは実際に何が変わったのか

大学くらいを出ていればよかった時代の事は前回説明しました。すごくシンプルな時代で、そのシンプルさは、終身雇用と年功序列に支えられていました。この水戸黄門の印籠と金さんの桜吹雪を同時に手に入れることが出来た時代の働き方や生き方と現代そして今後のそれらとは全く異なっている事を理解しなければなりません。

組織の歯車でよかった時代

Japan as No1までの時代。つまり良い製品を安く大量に作れば良かった時代。日本自体がブランドだった時代。多くの規制で日本が守られていた時代。人に求められる役割は歯車としてのそれであり、真面目で忠実で与えられたポジションの役割をこなす事が求められた時代です。その世界では組織に提供した労力=給与でした。社畜という言葉が生まれ、24時間戦えますかというcmが流行り、就活時の面接では、誰もがサークルの部長やアルバイト先のリーダーを経験したエピソードを話すと言う珍現象が起こりました。何故ならそれ以外の経験はそうそうしてないかったし、それで通用した時代です。どの大学であるか、以外の要素は余程特別な能力を必要とする企業以外は不要と言わんばかりの時代だったのです。

現代の仕事はプロ野球選手の様に!

しかし今後はそうはいかない事も前回ご説明致しました。組織は昔と同様チームで仕事をしていますが、一人ひとりの能力がより問われる時代です。役割分担の中で与えられた役割を自分の創意工夫を以って最大限の成果を出さなければなりません。言うなればプロ野球選手の1番バッターから9番バッターまで役割がある様に、それぞれ役割は違いますが、それぞれの打順で求められる役割、それぞれのポジションで求められる役割の中で其れ相応の結果を出さなければメンバーに入れない時代なのです。足が速くて出塁率が高い1番バッター、確実にランナーを返す4番バッター、守備が上手なショートストップ、肩が強くてクレバーなキャッチャーなど、それぞれの特徴が最大限に求められ、その中で出した価値に応じて報酬も働くポジションも決まるのがこれからの働き方です。よって提供した労力=報酬ではなく、生み出した価値=報酬の時代である事を肝に命じたい所です。

だから面接(社会)で問われる事は・・・

どんな価値が生み出せるのか、就活の面接で問われるものはできる事と志望理由とその証明となる活動履歴です。間違ってもサークルの部長をしていたと言う事実だけではポジションは貰えません。できる事とはあなたは何が出来るのかという問いであり、志望動機とはあなたは何がしたいのかと言う問いであり、そして最も大事なのはそれらのコンピテンシーや思いをどの様にして獲得したのか?と言う能力と志望動機の獲得の証です。トヨタの社員の知り合いから聞いたこんな逸話があります。新入社員がトヨタの社長に初めて会った自己紹介の時。〜大学出身の〜です!と意気揚々と出身大学の名前を出して自己紹介をした彼に社長は、優しく「で?」と返したそうです。彼が聞きたかったのは出身大学ではなく、トヨタで何がしたいのか?何を目指しているのか?今何をしているのか?を聞きたかった事は明白です。就職しない場合でも、社会で生きて行く限り何ができるか、何がしたいか、それは何故かと言う問いに向き合わざるを得ません。

時間を何に変えますか?

そしてyouは何しに高校へ?の質問と同時にこの様な質問をします。それは、これから3年間(大学なら4年間)の時間を何に変えますか?と言う質問です。よく言われる話ですが、才能や境遇は人によって差があります。でも時間は全ての人に平等に1日24時間与えられます。高校3年間を単純計算すれば1095日。時間にすると26280時間です。1日の睡眠時間を8時間として計算すれば、22995時間が与えらます。この約23000時間と言う膨大な資産を何に投資するのか?と言う質問です。

時間を最も価値あるものに変える方法

受験勉強をして進学を叶える為に投資します。部活動をして甲子園に出場にする為に投資します。ボランティア活動をして経験に変えます。自分の好きな事を探究して将来のやりたい事に変えます。色々な意見が出て来ます。あえて私見は述べず、保護者の皆様には文脈を読んで頂きたいと思いますが、時間を何に変換する事がこれからの時代で大事なのか?よく考えて欲しいと思います。それは将来何がしたいのかによっても違うと思いますので、自分の目指す世界に向かって大切な時間の投資先考えて欲しいと思います。

目標を掲げてPDCAを回す経験

がしかし、何をするにしても投資を最大化する時間の使い方と、勿体無い使い方がある事も知っておいて欲しいと思います。意味のある変換の仕方、それは目標を持って、その実現の手段を探究し、実行し、実現できなければ修正し、必要なら学習し、成果が出るまでやり切ることです。これこそがまさに社会で必要とされる能力でありこの探究の過程こそが面接で問われる行動の履歴であり、今話題の探究力に他なりません。例えば野球で都大会でベスト8に入りたいと言う目標を決め、その達成の為に自分の意思と頭を使って探究をする事です。ベスト8のチームはどんなチームなのか?そのレベルまでに走攻守+メンタルを高めるにはどうしたら良いのか?と言うPDCAを回す事です。学歴を得る為だけの受験勉強は今後の世界で必要な能力とは言えませんが、塾に言われるままに訓練をするのではなく、自分で考えてPDCAを回したならば受験勉強も価値を最大化する時間の変換になります。逆に自分の興味を探究する学習を続けたとしても、探究学習が目的化して、真に何かを達成しようというstruggleのない探究は自分に何も残さない時間の浪費になってしまいます。

最後に

世界は人材に対して、もはや代替えの効く歯車である事を求めません(職種や組織によっては今だにあるかもしれませんが)。組織の本質的目標を共有し、その中で自分は何をすべきなのかを自分の頭で考え、チームの一員として目標を共有し、計画を立て、実行し、修正し、学び、ちょっとやそっとの困難にはビクともせず、最後までやり続けられる人材を求めています。つまり、代替えの効く歯車ではなく、言われた程度に回る歯車ではなく、その歯車がないと困る、組織にとって必要不可欠な歯車を求めているのです。これは何も全知全能な歯車という事ではなく、本当に小さな事であっても、この事は好きで好きで他の誰にも負けない程の知識とスキルと没頭力を持っていると言う様な事でも構わないのです。2番バッターや、セカンドと言うポジションは野球においてはどちらかというと華々しい役割では無いかもしれません。がしかし2番バッターはバントにおいては誰にも負けないバッターであり、セカンドは右に左に一番動き回るポジションで、いずれもチームには欠かせない存在です。今まさにその様な人材が求められているのです。その事を理解して、教育を、しいては時間の変換をして欲しいと思います。よってこの後の探究ワークショップは「幸せな自分の活かし方」と言うテーマで議論する事になります。