貧困妄想の話
やる気の減退、希死念慮、不眠など、うつに陥ると複数の症状が出ます。
今書いた3つは特に有名かと思いますが、他にも時と場合と個人個人によってあらゆる症状があります。
私は調子が悪くなると、「貧困妄想」と呼ばれるものが結構強く出ます。
自分を実際よりも貧しいと思い込み、必要以上に経済的な不安を持ってしまうというものです。
貧困妄想という言葉自体を知ったのは大人になってからですが、思い返せば高校時代にはもう、この症状は出ていたなと思います。
私の場合、高価なものや贅沢は元々好きではなく、身の回りのものにお金をかけるほうではありません。
なのにそこから更に出費を抑えようとして、特に顕著におかしくなるのが、衛生用品の使い方です。
トイレットペーパーを正方形までしか引き出さず、折りたたんで使う。
鼻をかむときは、ティッシュを6分割ぐらいに破ってひとつずつ使う。
食べこぼしなどを同じくティッシュで拾うときは、手指の爪ぐらいのサイズにちぎって使う。
汚い話で恐縮ですが、生理用ナプキンを替える回数を1日1回までにする。
などなど。
あとは、トイレを流すのは数回に1回とか。
昼間は絶対に部屋の電気をつけない、夜も豆電球(と言うのか、照明が薄くオレンジに光るやつ)で過ごすとか。
お金を遣うのがものすごく怖くなるので、できるだけ生活の中で節約するために、このような行動に出ます。
思考がそれなりにまともな時期には、上記の行為はさすがにやりすぎだし、不潔だし、強迫的なものだと認識できます。
しかし調子が悪いと、「そんなことよりお金を遣うのが怖い」がどうしても先に立ってしまいます。
現在は生活保護を受けている身ですから、ある程度の節約はもちろんするべきです。
でも、治療に専念するためでもある生活保護のせいで、節約節約と考えすぎて気持ちが苦しくなると、それは本末転倒というものです。
無駄遣いを削る「良い節約」と、必要以上に自分を追い詰める「やりすぎ」の境界が、自分の中で定まればいいなあと思います。