お笑い芸人のコンビ名の分類 2022
お笑い芸人のコンビ名の傾向を調べてみました。
※無断転載、引用は禁止です。
サンプル
M1グランプリ2022 2回戦進出したコンビ 1322組
理由としては、2022年10月時点で、コンビ結成が0~15年目と最も新しいこと、プロとアマがいること、M1のデータベースがしっかりしていることから決めました。
分類方法
コンビ名をどうやって決めたのか、本来の意味は何なのかなどは無視して、そのコンビ名に意味があるのかないのかを検討しています。
調査方法は、主観の検索ですので違いはあると思いますが、全体の傾向が分かればと思っています。
①実際にある言葉 567組/1322組 43%
普通名詞、固有名詞、数詞など。人名、キャラクタや映画の題名、曲名など、その単語だけで意味が通じるもの。
元の言葉を他の表記に置き換えたコンビ77組も含めました。
②意味のある単語の組み合わせ 116組/1322組 9%
2単語以上で意味のある言葉のコンビ名。今回特に増えたので、①と区分しました。
③意味の通じない単語の組み合わせ 458組/1322組 35%
・意味のある言葉を2単語以上を繋げて本来にはない言葉にしたコンビ名。 ※~ズもここに含めました。
④コンビの名前や特徴 110組/1322組 8%
お互いの本名をとったり、見た目や職業の特徴を加味したもの、ユニットコンビがお互いの芸名をとったものも含めました。
⑤造語 65組/1322組 4%
上に当てはまらない言葉、言葉の響きや雰囲気だけで決められたものなど。ダジャレ的な名前もここに含めました。
⑥そのほか 5組/1322組 0.3%
伝統的な漫才師の名前から。
考察
・意味のある言葉の多さ
実在する言葉と意味のある単語の組み合わせが合わせて53%と半分を超えました。SNS、ネット全盛なので、検索がしやすい「単語の組み合わせ名」が増えると予想をしていたのですが、10%近い差がありました。
理由として、コンビ名は覚えやすいことが良い、新しく言葉を考えることが難しい、#(ハッシュタグ)や(コンビ名+名前)で区別できることが考えられます。
意味のある単語の組み合わせが増えたのは、ラノベやアーティストの傾向からも自然な流れだと思います。他と差をつけやすいですし、印象にも残ります。
・単語の組み合わせ
過去の傾向と比べて横ばいでした。
覚えやすさ、検索しやすさ、作りやすさを考えれば、この傾向は続くと思います。組み合わせとして「漢字+カタカナ」が最も多く、次いで「カタカナ+カタカナ」です。「漢字+ひらがな」が少ないのはなんでだろう。
・コンビの特徴
おいでやすこが効果の2021年以降のユニットコンビの増加、「市長と市民」など肩書を伝える意味で、現在の形式で続く限り、M1の予選では増える予想します。
・造語
ダジャレを省いた造語はとても少なく、それが良いフックになる場合も少ないです。ですが、芸人である以上、一定数いるでしょう。
・そのほか
この付け方もなくなることはないと考えます。
・アマチュア
M1予選の特徴の1つはアマチュアの参加で、2回戦進出コンビの22%(294組)にあたります。
主にスクール生や大学サークルと考えると、造語の多さは今後芸人としてその名前で続けるかどうか、意味のある言葉の増加は、若い人たちには当たり前の名前なのだと考えられます。(文章的なコンビ名の54%がアマチュア)
終わりに
最後に、コンビ名を調べていると様々な人が参加していることが分かります。芸人もスクール生から芸歴20年以上、こどもからお年寄り、医者弁護士教師政治家、ウクライナの難民もいました。ナイスアマチュア賞だけでもバラエティが豊かですし、賞自体がM1の間口の広さがうかがえます。エントリー数も過去最高の7261組だそうです。
M1はお笑い賞レースですが、そういう枠組みだけでは語れない国民的行事の一つのようになってきました。アマチュアの参加が続く限り、参加者は増え続ける(小学校1クラスのコンビとか出そう)でしょうし、比例して影響力も増大になると思います。自分が一回戦で負けた大会の優勝者へのリスペクトは計り知れないでしょう。
もっと影響力が増えれば、優勝、決勝進出者だけでなく、準決勝準々のコンビへの憧れも強くなります。アマチュアの参加は芸人にとっても良い影響が大きいと思います。
今年のM1も楽しみです。
追伸 3回戦のチケット外れました。