トライアスロンバイクパート目標TSSとパワー(NP)の決め方
《アイアンマンのバイク(180km)はTSS 230~280 を目安に目標パワーNPを決めると良いという話。》
前回エベレスティングを例にTSSから目標パワーを設定する方法について書きました。
本当は書きたかったのはこっちの方で、Zwiftの話ばかりしていますが、私のメインはロング(スイム3.8kmバイク180km)のトライアスロンです。
トライアスロンのバイクパートと、単独のTTの違いは何か?トライアスロンの場合はその後にランがあることです。
バイク180kmを10分早く走れたとしても、体力をすべて使い切っていればその後のランで簡単に抜かれてしまいます。バイクパートはタイム以上にどれだけ疲労を抑えて終えれるかが重要な鍵となります。
特に、スイム3.8kmバイク180kmラン42kmのアイアンマンディスタンスでは、勢いでは到底乗り切れないので、ペースコントロールの重要性はさらに増します。
今回は疲労予算=TSSから目標パワー=NPを決める方法についてアイアンマンディスタンスを例に書いていきます。
バイクパート180kmのTSS
冒頭で引用した前記事と同様に、TSSを疲労予算として設定します。
TSSを疲労予算として設定するメリットとして
①バイクパート終了時点での疲労具合を予測できる。
普段からトレーニングのTSSとその後の疲労具合を意識する事で、体がどのような状態になるか、数字と疲労具合の対応取りをすることができます。
②レースのデータを積み上げる事で最適なTSS予算が分かる
初めてパワーメーターを付けてレースを行った場合はTSSをどれくらいにしたら良いのか未知の部分も多いので失敗する事があるかもしれません。
しかしながらレースを積み上げてその結果フィードバックする事でその精度を上げる事ができます。その結果ランで潰れるといった失敗を防ぎ、バイク+ランを最も早く走れるようなペース設定を見つける事ができます。
目標NPの設定方法
①バイクタイムを予想する。
過去に出た事がある大会なら、だいたいどれくらいで走れるかが分かっていると思います。
出た事がない大会なら、自分のバイクの実力が全体の何割くらいなのかは知っているはずなので、その大会の過去のリザルトを見て、その順位相当のタイムからおよその予測を立てるのが良いと思います。
今回は6時間とします。
②TSS予算を立てる
いろいろな情報を見ると、まずはTSS230~280程度を目標に設定するのが良さそうです。TSSが300を超えるような場合はオーバーペースの可能性が高いです。
TSS250
■最適TSSを出すには経験が最も大切
TSS目安に関しては個人差が非常に大きいと思います。理由として
・練習量の差
・FTP計測誤差
・脚質の差
実際にレースでデータを取り、結果をフィードバックして最適TSSに近づけるのが良いでしょう。
実際のバイクパートのTSSが250だった場合
ランでペースダウン⇨バイクでオーバペースだった⇨TSSを下げる
ランで余裕があった⇨バイクでもっと走れた⇨TSSを上げる
③NPが決定。
走行時間6時間、総TSS250,、FTP240Wの場合のNPは以下の式で求まります。
1時間当たりのTSS1=250÷6=41.7
IF=ルート(41.7/100)=0.646
NP=0.646×240=155(W)
とやるのですが、実際には下の表を見ながらIFを決めてNPを出す方が簡単で良いと思います。
■バイク180kmの時間-IFとTSSの対応表
例えばFTP240WでレースペースをNP154Wでいけば、だいたい予想タイム6時間とします。
IF=154W/240W=0.64なので、表からIF=0.64 と 6時間の交わる値を読み取ってTSS=256となるわけです。ここからもう少しTSSを下げたい・上げたい場合には、IFを変えて再検討していくと良いと思います。
上記例でNP154Wと決めた場合、基本は平坦も登りも下りも、なるべく154W一定ペースを刻むのが基本となります。
同じNP154Wでもさらに早く効率的に走るには、ペース配分をどうしていくのが良いか考えましたので、次回以降に書いていこうと思います。
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