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unity1week「つたえる」参加作『伝える情報伝わる情報』のシナリオについて

■はじめに

 こんにちは。サークル「ほんわかふわふわ」花倉みだれです。
 5/11Steamリリース予定のゲーム制作に向け全力で頑張りたい!! みたいなステータスです。

 が、今はunity1週間ゲームジャム(お題・つたえる) に参加中です。
 あと一日、色々遊ばせていただきます。
 私は『伝える情報伝わる情報』というゲームで参加させていただきました。

 シナリオのチャートとその意図を前々回のnoteで、UIやモチーフについてを前回のnoteで書かせていただいています。

 今回はシナリオの構成と、それぞれのシーンでの内容について、どんな意図でそうしたかみたいなのを書いていこうかなと思います。直近2回のnoteと内容重複する部分もあるかもしれませんが、焦点が違うよ、ということで一つお願いします。

■シナリオ構成について

ざっくりしたシナリオの流れ

 このゲームは対談系テレビ番組(ごきげんよう、徹子の部屋、テレフォンショッキングなど)をモチーフとしたノベルゲームです。
 「生放送での対談番組にADとして介入する」部分が主なインゲーム部分となります。
 全体としては、プロローグ→(チュートリアル)→事前説明→番組前半→サイコロトーク→CM→番組後半→サイコロトーク→番組FB→エンディング
 といった流れになります。

 今回はシナリオありきという作り方ではなく「"伝える"という要素をフィーチャーしたゲーム」のテキスト……という発想で作っています。

●プロローグ(前半)

プロローグ部分

 シーンとしては姫花(ゲストのアイドル)とエルメス(MC)が会話するシーンです

 ここで伝えたいことは以下の情報です。
・世界観(これが対談番組であること / MCが誰であるかということ)
・「現状で上手くいっている」という状況

 この後に、この番組を主人公が仕切ることになるわけですが
 「主人公以外(=D)が仕切っていれば成功するものである」ということを描写するために置いてある部分です。
 また「ご機嫌なお部屋」というド直球にパロってる名前「ダイスを振る番組であること」などを出すことで「これはあの番組を意識したものなのだな」とローカロリーに状況を把握してもらうことが意図になります。
 

●プロローグ(後半)

 ここで示したいのは主に以下の情報です
・主人公の目的
・主人公の現在の求心力
・代打相手(D)の信頼度
・MCのキャラクター
・ゲームの導入

番組からトランジションを挟んでこの画面へ

 番組が一区切りつき、スタジオに入る部分です。
 ここでは主人公が何者で、何を目的としているかということを示すことを第一に示す必要があるシーンです。

かなりズバっと何回か書きました

 インターン生の主人公の目的は「内定を得ること」です。ハッキリとモノローグで喋らせました。もっと長く丁寧な話であれば、同僚や先輩と話すみたいな出し方をしたほうがよいかもしれませんね。

ディレクターの有能さと主人公の信頼のなさの明示

 プロローグ(前半)で上手くいったいたのは「ディレクターの指示出しのおかげである」ということを言わせます。

Dの退場に文句を言うMC

 また、MC自身の自律性はさほどないことを示す必要がありました。
 これは、この後自分が指示出しして右往左往させる必要があるからです。
 さらに、主人公の信頼度の低さ(Dと比較して)を示すことで、うまくいった時に関係性を変化させる余地を出しています。
 自分でバチッと全部やるようなMCではゲームのコンセプトが破綻してしまいますし、おそらくツッコミも入ってしまうでしょう。やや冗長な部分ではあるかもしれないのですが、最低限必要なイントロなのです。

 そこで満を持して「信頼あるDの代打として生放送の指示出しをしてくれ」という依頼を出しゲームに誘導します。

●事前説明

 ここでは「番組としての目標」を明示することが第一にあります。
 主人公の目的は「内定を得ること」ですが、番組=ゲームとしての当座の目的は「ゲストの好感度を上げること」です。
 番組に介入する選択肢そのものは、すぐに「主人公の内定」に繋がる選択肢ではないので、番組中の選択肢は何を指針とするかを明示する必要があるかな、と思いますね。 

チュートリアルの一画面

 その他「ゲストの真実の情報を踏まえて伝える情報を選ぶ」というゲーム性のために「ゲストの情報」を得る必要があるので、それをもらうシーンが必要です。

資料をもらうシーン

 あとは、次のゲストの紹介、次のゲストもこれまでの2人と同様Dへの信頼が高く、AD(=プレイヤー)への信頼が低いことを強調してます。

若干無礼な気はしますが、わかりやすさ重視です

●番組前半

番組前半の1シーン

 ここはサイコロトークへの繋ぎですが、プロローグで示した状況に自分が関与しているのだ、ということを伝えたいところでもあるのと、ゲストの紹介を改めてということで若干丁寧にやってますね。

MCの凄さを強調

 これはプロローグでもやっている部分ですが、「MCが世間的にはそれなりの大御所である」ということを表現したい部分でもありますね。徹子さんや小堺さん的なポジション、ということを連想させたい。

●サイコロトーク①②

出目がでたところ

 サイコロトークは番組前半 / 後半で流用しているので、それ単体で成り立つようにしています(これがメチャクチャ苦戦しましたが……)。
 ゲーム的な要請としては「正直に伝えると好感度が上がる」「嘘の情報を伝えると好感度が上がる」「放置で上がる」というパターンを作る必要がありました。
 話題の選択も、この要件に合う話が思い浮かんだものから設定しています。

カンペの選択肢

 「選択に対して、リアクションがあった」というところまでを示すのが目的のセクションなので、会話そのものはそこまで長くはなってないししてない……はずです。
 知る人は知っているかもしれませんが、キャラクターはこれまでの「ほんわかふわふわ」のゲームを流用していますが、話の繋がりは一切ない(むしろ設定的には矛盾が生じているレベル)です。

 「初見の人が見てわかるような一般的な会話をしていて、それに対して介入して、そのリアクションをわかりやすく示す」ことを目指したところですね。

視聴者リアクションなども合わせて、選択の結果がわかりやすいように
ダメ押しでハッキリと(よし、うまくコミュニケーションが取れたな!! 式でモノローグさせています)

 もっとコミカルにわかりやすく落差を描くことはできたかなぁとか反省する部分もないではないですけど。

●CM

前半サイコロトークの指示出しが失敗したパターン

 ここは後半への繋ぎとして話の流れは全然変わらないのですが、地味に3分岐しています。
 中間リザルト的な感じで、前半の仕事ぶりに対してフィードバックを返すような形ですね。

●番組後半

 ここはサイコロトーク②への繋ぎ以外の何かはないので、サクサク進めています。

MCもそう言ってる

●番組FB

 この段階でゲストの好感度を見て3段階に分岐しているのですが、会話の流れや選択肢はほぼ同じです。

最後の選択肢直前の状況

・主人公が関与する番組は一度終わったこと(スタジオに戻っている)
・ディレクターと合流している
・最後の質問「番組の出来」について聞いてくる
 あたりが必要な流れでしたね。
 なのであまりくどくどやらずサクサクすすめた……はずです。
 ここで「番組の目標」であったゲスト好感度を利用し「真実の情報」として「伝える / 伝えない」を決めることになるわけですね。

●エンディング

Goodエンド

 最後なので主人公の目的「内定を得ること」に対して、答えを出しています。
 (とはいえ、場所が場所なので示唆するレベルで、結果としてはリザルトに譲っていますが)

■終わりに

 と、ざっくり(?)振り返ってみました。
 とはいえ、最初からここではこうして……これが要件で……と項目書き出してからテキスト書き出したみたいなことはなく、頭でこう考えてたからこうしたんだよなぁ、というのをやや後追い気味に書き残した部分もそれなりにあります。(最初からハッキリ書いてた部分もないではないですが)

 このまま時間経ったら自分でもあんまり説明できなくなるかもしれない気もしないでもないので、書いてみて良かったんじゃないかなぁ~と思いますね……!

 正直noteのほうが面白いわ! とかこの意図でこの書き方はないわ~! とか、やったことない方は改めて遊んで見比べてみるのも楽しいかもしれませんよ!

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花倉みだれ@ほんわかふわふわ
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