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満たされない遊び


うんとお腹をすかせておく以上に
ごはんを楽しむ方法を知らない。



彼は、健康的な男子であり
私は体力のある女である。

でも、それぞれのタイミングは結構噛み合わない。
それで寂しく思うことも多いが、
お互いに忙しくしているので
胸がぎゅっと締め付けられるような寂しさは
「今じゃないんだ」と悟った時や
唇を離すほんの刹那だけだ。幸いなことに。

寂しさの原因は、欲求が叶えられなかったことではなくて
彼とのスキンシップの短さに起因するものだと思う。
もっと触れていたいし、触れられてもいたいのだ。

しかし、それを伝えることはしない。
だきしめて、は毎日伝えるが
より深く触れ合うことについては
彼の気分が高まったときがお互いのために良いのだと考えているから。

「こうしておかないと面倒だしな」とか
「やれやれ」と思われながらされたとしたら、スキンシップ自体の価値が崩落してしまう。
考えすぎかもしれないが、これは経験則であるので捨ておけない。


お互いの体を労わるようにして、とるコミュニケーションの一部。
それが私の中の位置付けだ。


毎日でも出来たらいいのに。
そんな風に笑いながら伝えたときに、
彼は正直に言った。
自分は体力がないから、と。
鍛えなくちゃいけない。


私はくっついているだけでいいのだと伝えたが
彼は違う受け取り方をしたようだった。

男と女は別の星の生まれだ。
体の構造が違うし、思考回路も違うと思う。
同じ女でも分かり合える方が稀だ。
異性なのだから、考えればわかることなのに。

伝わるかなと期待してしまう自分は傲慢だ。



彼が望む愛し方を、私も出来ていないように
彼の愛情の表し方を私も素直に受け止めたい。
どんな形で、どんな温度でも。



スキンシップについては、お腹を空かせる感覚としてとらえている。
物欲しそうにせず、その時まで自分をみがくのだ。
トレーニングしたり、マッサージしたり。
心に栄養をとったりして。


すると不思議だ。
愉しみになる。

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