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柱状グラフついてのモヤモヤ。これは棒グラフなのか、ヒストグラムなのか。(あるいはそんなに問題にすることではないのか)
Cover Photo by Алекс Арцибашев on Unsplash
小学校の指導要領D領域についてはいちおう完結したのですが、ちょっとだけもやもやしていたことがあったので、調べてみました。解決したのかどうかわかりませんが、後から考え直すときの資料として残しておきます。
啓林館(算数教科書を作っている)の解説サイト
算数や数学の教科書を作っている啓林館という出版社があります。この会社が、「算数用語集」というページを公開していて、その解説がページが検索されてきました。
詳細はサイトを見ていただくとして、次の説明があります。
階級の幅を底辺とし,度数を高さとする長方形(棒)を間をあけずに並べたもので,柱状グラフまたはヒストグラムといいます。
これは,分布のようすをひと目でわかるようにしたもので,面積グラフの一種だといえますが,長方形の底辺が階級の幅を表しているところが,棒グラフと違うところです。
これによると、柱状グラフはヒストグラムと同じものです。どうして2つの呼び名があるのかはわかりませんが、同じものだと読めます。棒グラフとの違いについては、横軸が「階級」であること、つまり、量的変数を(通常は)等間隔に区切った「階級」が横軸に設定されていることだとしています。つまり、棒グラフ≠柱状グラフ=ヒストグラム、という解釈です。
日本語版Wikipedia
柱状グラフと言う見出しはなくて、検索すると「ヒストグラム」がヒットします。
最初の説明を引用すると、
ヒストグラム(英語: histogram[1])とは、縦軸に度数、横軸に階級をとった統計グラフの一種で、データの分布状況を視覚的に認識するために主に統計学や数学、画像処理等で用いられる。柱状図、柱状グラフ、度数分布図ともいう[1]。
ここも同様の説明です。柱状グラフとはヒストグラムの別名であり、さらに「柱状図」「度数分布図」という言い方もあるとしています。「柱状」という名称についてこれ以上の説明はありません。
英語版Wikipedia
日本語版ページから英語版を見ると、途中に次のような説明がありました。
Histograms are sometimes confused with bar charts. A histogram is used for continuous data, where the bins represent ranges of data, while a bar chart is a plot of categorical variables. Some authors recommend that bar charts have gaps between the rectangles to clarify the distinction.[6][7]
ヒストグラムは棒グラフと混同されることがあります。ヒストグラムは、ビンがデータの範囲を表す連続的なデータに使用され、棒グラフは、カテゴリ変数のプロットである。一部の著者は、区別を明確にするために、棒グラフは長方形の間に隙間があることを推奨しています[6][7]。(翻訳はDeepLによる)
とはいえ、さすがに「柱状グラフ」にまでは触れられていないようです(全部細かく読んではないのですが・・・)
ChatGPTに聞いてみよう!
聞いてみました。こんなお答えが返ってきました。
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これによると、柱状グラフ=棒グラフ≠ヒストグラム、という解釈です。
そのほかのサイト
「NPO法人eboard」というYouTubeチャンネルがあります。学習用の動画をたくさん出しているので、大人の皆さんは復習に使えそうです。その中に、度数分布表とヒストグラムを解説している動画があります。対象は中1ですが、ヒストグラム=柱状グラフという解釈です。ちなみにこの動画は、階級幅による分布の見え方の違いについても丁寧に紹介しています。
《「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典》というサイトが検索にヒットしました。個人で運営されているようです。ここに「柱状グラフ」という見出しのページがあって、「柱状グラフ(読:チュウジョウグラフ)とは「ヒストグラム」のこと。」という説明があります。記事の後半には、「度数分布図」ともいうと書かれています。
また、棒グラフとの違いについて、丁寧に解説があります。引用します。
棒グラフを使う目的は「棒同士の比較」です。
2つの棒を見比べて「あー、こっちの棒の方が長いなー」などと比較するときに使います。
(グラフ見本:省略=引用者)
それに対して柱状グラフでは、すべての棒が集まることで1つの意味あるデータ(度数分布)を表現します。
もちろん棒ひとつひとつにも意味はありますけどね。
すべての棒は「分布」を表現するための部品です。
強調部分が、わかりやすく違いを表現していると思います。
いっぽう、「子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版」というサイトもヒットしました。ここでは、ソフトボール投げの記録を柱状グラフにしていて、「棒グラフのように縦長の長方形で書き込ん」だグラフについて、「このようなちらばりぐあいを表すグラフを「柱状グラフ」(ちゅうじょうぐらふ)といいます」としています。(強調は元サイト)
ただし、その後に例示されている、誕生月別の人数を表したグラフが、果たして「柱状グラフ」なのかは疑問です。1月~12月は、1年間(365日?)を等間隔に区切った範囲とはいえません。また、「6年1組の誕生月」としているのにも拘わらず、グラフでは1月、2月、3月、4月、という順に並んでいます。通常、同じクラスに在籍している小学生であれば、4月から順に並べないと順序尺度になりません。
まとめ?
解決したのか、何も解決しないのか、よくわかりません。どうして「ヒストグラム」ではなくあえて「柱状グラフ」と呼ぶのかもよくわかりません。どなたか詳しい方はいらっしゃいませんか?