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スキップしながら、人生を駆け抜けよう

他人から見れば困難に見えることであっても、それが自分にとって楽しそうなことであるなら、スキップしながらやり通し、駆け抜けてしまう。それが大塚あみ氏である。

大塚あみ氏のこの本について、もうちょっと書いておきたい。

本の内容は副題の通り。いまのところ高評価レビューが上がっているが、プログラミングやCharGPTに興味のない人にとっては、何のことやらわからない話が多いかもしれない。
が。
やはり大塚氏の次の言葉が刺さる人は多いのではないだろうか。

嫌なことはしない、興味を持ったことには没頭する、新しいことにためらわず飛び込む──それはただの怠け癖や自己満足ではなく、価値ある私の才能そして特徴なのかもしれない。

(前掲書。Kindle位置 1757)

本の最初の方で、大塚氏はご自身の性格を語っているが、その内容はほとんどこの引用箇所と同じである。最小限の努力で単位をとって大学を卒業するのが目標、という姿勢を隠さない。古典的な「まじめな学生」とは対極のイメージである。

最初、彼女のプログラミングは、ChatGPTに言われるままだった。AIが吐き出すコードをそのままエディタに貼り付けて動かす。エラーが出たら、エラーをAIに解決させる。そして、なんとなく面白そうだし、みたいな理由で「100日間連続でアプリを作って投稿する」というチャレンジをはじめてしまう。

え。大丈夫? とわたしなら思う。きっと三日くらいでやめていると思う。もういいや、たいして誰も見てないし、とか思ってると思う。

でも、彼女はここが違った。1日10時間以上もプログラミングをしていて、それを「努力している」とも思っていないし、やめようとしない。オンラインゲームもやめない。他の授業はChatGPTの助けを借りて最小限の努力でレポートを出しているくせに、100日間チャレンジは手を抜かない。

何それ。意味わからない。

で、冒頭に引用した部分に戻る。

嫌なことはしない、興味を持ったことには没頭する、新しいことにためらわず飛び込む

これか。これだ。新しいキャリア論。

ずっと昔の話になるが、あるビジネス成功者の話を聞いたことがある。多くの人は(もちろん私も)自分の居場所、いわゆるコンフォートゾーンから出ようとしない。そこを飛び出すときにも、目の前にあるハードルを、えい、と飛び越えていく。私はそんな瞬間があったかなあと自問する。
でも、その成功者の人は違うのだそうだ。
「楽しそうに、スキップしながら、ハードルを飛び越えていくんだよ」
ということらしい。そうやって、どんどん自分のビジネスを広げて、大成功したという。
あかん。真似できん。

大塚あみ氏の著書を読んで、思い出したのは上の逸話である。ああ、大塚氏もきっと同じような気持ちで100日間のチャレンジを続けられたのだろう。

プログラミングで新たな課題が見つかるたびに。教授から「論文書いて」「学会発表して」と言われるたびに。編集者から「本書いて」と言われるたびに(まだ1冊しか見てないけど)
はーい。といって、スキップしていく。期待値をはるかに超えて、飛び越えていく。笑顔で。

そんな人生を送りたいなあ。もう半分以上生きてしまったと思うけど。ね。


Cover photo : UnsplashRobert Collinsが撮影した写真