mean or average
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mean は要するに「平均」を意味するのですが、同時に「意味する、表す」という意味の動詞でもあります。で、いきおい、統計学で使われる平均値にも、「この値がデータ全体の何か深いことを意味するのだよ・・・」みたいな含みがあるのではないか、と想像してしまうのが人間という生き物の性でしょうが(大袈裟な)、そんな話はありません。たぶん。
ウィズダム英和辞典を引いてみると、meanは3種類の見出し語があって、人つめが動詞「意味する」、2つ目が形容詞「意地の悪い」(はい、タイトル画像の意味がわかりましたね?)、3つめが名詞「平均」となっています。このように見出し語が別々になっているということは、もともと別の語源をもっていることなのかな? と思ったりします。
で、さしあたり3つめの見出し語を見てみると、こんなふうに書いてあります。
統計学を学んでからこの説明を見ると、1行目でひざの力が抜ける感じがしますね。え~! そんなにふわっとした意味なの? って感じ。ついでに、同じ意味で使われる average も見ておくと、
ああ、そうですか。私は数学以外の場面で、もっと広い文脈で使いますからね、数学の話をしたいなら mean の方を使ってね、と言っているようです。
では、Wikipedia を見てみましょう。まずは、Simple English Wikipediaでは
後半はDeepLに訳してもらったものをそのまま突っ込んでいますが、mean も average も「平均」と訳すので(そう訳すしかないので?)トートロジーっぽい可笑しさが出ますね。原文はもうちょっとややこしい事情を書いていて、average にも、mean にもいくつかの種類があると言っています。
どういうことかといと、詳細は略しますが、「平均的な年収」といった場合はいわゆる「中央値 median」を使う方が適当な場面が多いし、「平均的な意見」といった場合は、いくつかの選択肢の中でもっとも多く支持された意見、いわゆる「最頻値 mode」を実質的には意味している、といえます。これらについて、統計学では mean を使いませんから、ざっくり言って、average の方がより広い(あるいは曖昧な)意味をもっていると言ってよいと思います。
では、数学あるいは統計学での mean について。本家 Wikipedia では。
ということで、またしてもひざの力が抜けそうな出だしですね。実際、冒頭には、リード部分が短すぎるので、重要な点がよりわかりやすくなるように書き直し欲しいという注釈がついています。
このあと、古典的なピタゴラス平均、すなわち算術平均AM、幾何平均GM、調和平均HMについて、その意味と計算方法の説明が続いています。
なんか消化不良な記事になりました。でも、ウィズダムが〔しばしば the ~〕という注釈をつけている理由がなんとなくわかりましたね。mean っていろいろあるの知っていると思うけど、いつもの平均ね、って感じなんでしょうかね。(つまり、幾何平均とか調和平均とか、そういうのじゃなくて、全部足してデータ数で割ったやつ、もう、説明させないでよ。という感じが the には込められているのでしょう。考えすぎか?)