見出し画像

アンケート用紙をながめてみると

Cover Photo by Celpax on Unsplash
この記事は Notion でもお読みいただけます。(そっちのほうが見やすいかも。「みんながHADを使えますように」以下で公開中です)

前回までで,HADファイルをダウンロードし,使い始める前の2つの設定について説明したので,無事にみんなが,HADを使えるようになったと思います。
ではここから,データを入力して…という説明の仕方は,今回はしません
HADなどの統計分析ソフトに入力されるデータは,たとえばどのように収集されるのか,それをどのように入力していくのか。これについてまず説明します。いまどきアンケート用紙を紙に印刷してそれを配布して,ボールペンで書いてもらって[*],集めて,パソコンに入力して・・・などということはしません。でも,この過程を知っておくことは,入力されたデータの意味を理解するうえで,とても重要であるように,私は思います。
*「ボールペンはアンケート参加の御礼です!お持ち帰りください!」みたいなこと,よくありましたね。別にボールペン要らないよねえ,と微妙な気持ちで参加者は帰るのです…

仮想アンケート

というわけで仮想アンケートを用意しました。あ,お分かりかと思いますが,ここに書いた質問には,なあーんの意味もありません。

このふざけたアンケートに,なんと10人もの人が答えてくれました。その回答がこれです。設問は4つで,それぞれの問いの,🔴の選択肢を選んだというふうに理解してください。
アンケート用紙の右上にある数字は,用紙を出してくれた順番に1~10を書いたもので,それ以外の意味はありません。紙でアンケートをする場合,必ずこういう作業をします。アンケートが何枚あるのかすぐに分かりますし,入力したデータが正しいかどうか,この番号を使って照合できるからです。

どうでしょう。たった10枚ですが,こうした並べてみると,けっこう場所をとりますね。
この仮想アンケートは質問が少ないので,1人1枚ですみますが,質問が多いと1人分が4枚とか,それに表紙がつくので1人5枚,それを160人分とか集めた日には,5×160=800枚です。重ねると5~6センチになりましたね。私の卒業研究はそんな感じでした。

宿題です

ただのネット記事で宿題だすのかよ! と思わずに,統計分析にまだ慣れていない人にこそ,やっていただきたいことがあります。

上の10枚のアンケート結果を,Excel に入力します。どんなふうに入力しますか? できれば,実際にやってみてください。

もちろんですが,こういうふうに入力しておくと,分析しやすいだろうな,と考えてください。少なくとも,「ひたすら文字を入力していく」のは,賢いやり方ではありません。
また,なぜそのように入力すると分析しやすいと思ったのか,その理由も言語化してみてください。データが正しく入力されていても,分析しやすい入力のしかたと,そうでない入力のしかたがあります。分析しやすい入力の仕方を覚えることは,とても大事なことなのです。