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シャニマスの話。(4周年に寄せて)

気づけば4周年ですって。ソシャゲっていっぱいあって、大概のゲームは3か月すると辞める癖がついているのですが、それ以上続くと大体長くやるという性質なんですが、最近は同じような芸風のゲームばっかりで流石に食傷気味というか、自分が年を取ったせいなのかソシャゲを全くやらなくなった中で、多分シャニマスはまだしっかり続けているゲームの1つです。

・アイドルマスターシリーズは通しでやっているけれど。

ナムコゲー自体がエースコンバットが好きな関係でよくやっていたのですが、アケマスから始まり、Xbox版をエスコン6のために買った縁もあり、それ以降の付き合いとなります。大学に入った頃にデレマス(モバイルの)が始まって、卒業するころにはデレステやミリマスが出ていたので色々手を出していたのですが、実はどれをとってもリリース日からプレイしたアイマスシリーズってそれまでなかったんですよね。唯一デレステがアニメに並行してたのでそれくらい?だと思います。本筋のシリーズではリリース当初でやったアイマスシリーズは無かったと思います。そんな後悔もあって、シャニマスの告知が出たときは『次のシリーズはリリースと同時にやろう』と決めていました。声優さんはこの時近藤玲奈さん以外誰も知らない状態でした。
まあデレマスが出たときもニュージェネの3人の声優さんはよく分かってなかったというか、アイマスシリーズ自体が割と声優さんと一緒にコンテンツが成長する側面があるので、そういうものなのかなとも思います。

・色々新しくやってみた。

やってみると初期マスに近いゲームだなあという感触で、最初の頃は鳴り物入りの割にはWINGも明確な攻略法が今ほどなく、音ゲー側のデレマスやミリシタが評価されていた中で、ここでHTML5対応とはいえブラウザゲーとして出てくるのはやや時代錯誤感があり、WING自体トレンドに寄る部分があり運ゲーとも呼ばれるほどで、色々手探りの中で、enzaエンジンもそれほど評価されなかったため、今ほどの人気になるか怪しかった部分がありました。で、私自身は信号機というか、例によって大体初期のセンターユニットって3色3属性に分かれるのですが、ずっとクール系のPをやり続けたので今回は思い切って所謂パッション系のめぐるからスタートしました。のちに語られるスチルの良さとかも当時はまだ今ほどは凝ってなかったし、ストーリーもまだ薄いイメージだったと思います。なので当初はWINGを攻略するために反復する試行錯誤ゲーとだけ思いながら『大丈夫か?』と思ってもいました。

・『攻めた』作風になってくる。

マーケティングの結果なのか、はたまた制作陣が若いらしいということもあるのか、続々と追加されるシナリオでどんどんその攻め気が出てきてこの辺りから一気に面白くなり始めます。特に衝撃的だったのがストレイライトが登場したことでしょうか。それまでって、イルミネ・アンティーカ・アルストロメリア・放クラの4ユニットと16人のアイドルの子たちの事をまず知るためのイベントが多かったんですよね。いうなれば準備期間みたいなものでしょうか。それが1年経って、ストレイライトが出てくることによって構造がちょっと変わってくるというか、かなり個性の強い3人が加わることとなりました。変な言い方をすれば『アンチ・王道アイドル』的な路線というか、16人までのユニットが曲がりなりにも前を目指す中で、前を目指さない選択をするユニットのありかたが提示されたわけです。それぞれがそもそもアイドルというものに対しての憧れだとか単純な想いやプロデューサーが斡旋したからアイドルになったとかとは少し違った、それぞれの意思がアイドルとは根本的に別方向を向いている子たちなんですよね。
そしてさらに1年後発表されたユニットであるノクチルはよりそれを精微に描いていくイメージでした。ノクチルは幼馴染で構成された4人ユニットですが、それぞれが共依存的とまでいかないのですが等身大の閉鎖的な関係性で、4人の中で世界が完結しているから、外部からプロデューサーが入ること自体が最初は難しいというレベルで、のちの彼女たちにスポットライトの当たるイベントや個々のシナリオでも彼女たちの『外』と『内』の違い、それがやがて283の面々と融解していく過程が緻密に描かれています。
そして現時点で一番新しく追加されたシーズでは事務員のはづきさんの妹であるにちかと元アイドルの美琴の2人、そして先に述べたアンチアイドル的な存在を今のシャニマスで表現しきった初めてのライバルアイドル、斑鳩ルカが登場するに至ります。
特にいうとシナリオ『明るい部屋』にみられたように、バックボーンのキャラクターである天井社長に津田健次郎さんの声がついてからは特にですが、社長の過去やはづきさんなどの事がシーズ登場以降特に語られるようになり、そのストーリーにさらに重みが加わりました。またシナリオライティング的にも婉曲表現と示唆で表現する手法が増え、答えを明示しない、つまりユーザーの解釈にゆだねた文脈と答え合わせのシナリオの書き方が増えてきたと思います。空間描写も増え、特に透のシナリオではジャングルジムの夢がキーワードですが、ストーリーあいだあいだのちょっとした床や空の表現なんかも増えましたね。あとは、にちかのシナリオは詳しくはやっていただくとして、表現的に彼女を表現するときに天井だとか、床だとか、ぼけた画面を演出で彼女を表現するために効果的に使っています(にちかのプロデュースは前知識があると余計楽しめます)。そう思うとわかるのですが、なんだかんだ言って、このゲームもまた演者さんも含めて、アイドルと一緒に成長している、従来のアイマスシリーズをちゃんと踏襲しているのだな、と感じました。

・好きなキャラは?

現プロデュース可能メンバー(25名)

まあやってる人だと十人十色の答えが返ってくるのですが、私の場合は初期16人の中ではエキセントリックと素直さが入り混じる摩美々と古風な大和撫子タイプの凛世、抱擁感がありながらもどこか諦観も感じさせるお姉さん枠である千雪さんの3人が好きだったのですが、ストレイライトが出てくるとあさひのいい意味でちょっと天才ゆえの狂った感じと純粋さの紙一重が面白くて一躍好きなアイドルになるのですがそれが今度はノクチルが出てくると透の実はずっと前に出会っていたというギャルゲもびっくりの一途さに惹かれたり、円香の素直さを冷淡さで誤魔化しながらもなんだかんだ優しい一面に惹かれもし、シーズが出てくればにちかの平凡だけれど理想と自分を対比しながらその強引だけれど等身大の戦い方をする気持ちを後押ししたくもなり、リアルライブ終わりに唐突に表れた斑鳩ルカの驚異的なライバル感にも盛り上がりました。結局のところどのアイドルも見ていれば必ず魅力があって、とっかかりが何であるかっていうだけの違いで結局は登場してくる人たちのほぼ全員に一定の想いを抱くような気がします。

・スチルの進化

これについては門外漢の私があれこれ語るより、丁度4周年に合わせて、イラストレーター/Vtuberのしぐれうい先生がシャニマスの案件配信にて魅力を語ってくれていますのでそちらを参照していただけるとです。

シャニマスはシナリオとカードイラストの評価がとても高いです。特に動画でも仰られていたように、被写体の位置づけのしかたや、カード該当ヒロインの立ち位置、単純な描き込み量、光陰のつけかた、色彩のつけ方それぞれが、従来のソーシャルゲームにあるような常套手段を使わない、こちらも攻めた技術を使っています。多分ですが初期カードの時代からだいぶこちらも進化を遂げた点で、もう少し初期カードの時代はシンプルでフォーカスキャラクターがちゃんとセンターに添えられる構図だったかなというイメージです。

よく言われる透SSRのバスの停車ボタンだけが光点のイラスト。

・これからも進化し続けるモンスターコンテンツとして。

モンスターと表現したのは良い意味で、特に『成長力』『吸収力』『拡張性』の3点においてですが他のアイマスシリーズとはちょっとやっぱり異質な存在にシャニマスはあると思います。特にそのシナリオはそれぞれのディテールが深堀されればされるほど、後付けなのかもしれないですが綺麗に整合していって、そこに元からあったかのような居心地の良さと、キャラクターを人物足らしめんとする解像度の高さ故の筆致から、その物語を一つ読むごとに心に良くも悪くも『濁り』を残していきます。すごく難しいのですが、一言でその『濁り』を表現すると『繊細』が次に同義語としてルビ振りのように繋がっていって結局明確な答えとして何かを言えるわけではないのですが、シャニマスのストーリーはとにかく割れ物の如く繊細であって、一方豪胆さも持ち合わせます。なので、読み飛ばした1行がフラグメントになっていて、あとで語られるつらつらが、そのピースを完成させる答え合わせになっていたりして、本当に油断できないですね(笑)
製作段階でかなりの打ち合わせは入っていると思うのですが、特にその声優さんだとか、製作スタッフとの直接的で一方抽象的な議論というのが行われ続けていたのかなという予想があります。
私はあくまでただのその辺のPであってにちかも驚く漂白度のモブおじさんなのでその実際を細かく確認することはできませんが、シナリオを執筆することやスチルを描くこと、音楽や歌詞にその効果と意味を持たせることにおいても、リアリティとアイドルという一種の偶像・空想との白黒のモノトーンがテクニカラーに変わっていく色彩変化みたいなものが感じられます。そこに挟まるのがプロデューサー/ユーザーであります。なので、『繊細』の同義語をさらにルビを振って繋ぐとすればそれは『色』となります。ありゃ、これじゃ『カラーズ』そのままじゃないかと、タイトルを回収する今に至るわけです。

美少女ゲームしかりシナリオ重視のゲームというのが敬遠されて早回しの物語が好まれるようになった昨今で、本当に珍しく、特にソーシャルゲームという形式では格別珍しいのですが、シャニマスはどの方面でもその攻めた姿勢を崩すことなく驚く方向へいつも枝葉を伸ばしています。これがはじめは小さな芽だったのがやがて大樹にならんとするものを見ている感覚で、実際ライブと同期して声優さんとアイドルが一身として成長していく様、ゲームがそれを支えるさまは、アイドルマスターシリーズの根幹をなす構想を見事表現して見せています。4年、新コンテンツとして出てきてカッティングエッジな存在としてどんどん花開いてきたのでこれからもその尖りを忘れずにもっともっと成長していくさまを、見れることを楽しみにしています。
やったね4周年。

2022/4/12のみ公開のコミュにて。

そして、『色』のルビ振りは『暖かさ』なのかもしれません。
天井社長の始めてしまった一連の業も、プロデューサーがゲームのシナリオを通して継ぐことである意味クリアしたので、そろそろ呪縛から解かれる必要があるかもしれませんね。でも最大手人気コンテンツが天井社長ってマ?

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