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20241019-1104 心が跳ねたり沈んだりモンスターが生まれたり

自分を発信すべしという占星術の教えに従い、これまで作ってきた作品を発信すべく撮影をした。
ダンボールにたっぷりのリネンをリメイクして作られたワンピースを被せて、小道具を並べていく。
入社一年目はこんなことを試行錯誤しながら必死にやってたことを思い出して、ちょっと懐かしくなる。

撮影風景

アクリルブロックの作品が9つ。ポストカードの作品が9つ。撮影し終えたときには随分暗くなっていた。
それからレタッチをこれまた試行錯誤する。自分のカラーが定着しているカメラを楽しむ友人たちを思い出して羨ましくなった。

珈琲を染み込ませたポストカード「コーヒーブレイク」
アクリルブロックの飾る物語

まだまだ課題点はあるけど、撮り終わった写真はSNSに上げたり、立ち上げたオンラインショップの素材となっていく。
不格好だけど、一歩前進したことは変わりない。偉いよ! 小さなことでも意識的に褒めていく。


今年こそは宣伝会議賞に応募するのだと奮い立ち、頭をぐるぐると抱えている。少しは本も読んでいて、何から取り組めばいいか分からないということはないけれど、言葉を生み出すってやっぱり簡単じゃない。
夕方には糖分が足りなくなってフラフラするので、フルグラを牛乳なしでボリボリと食べる日を繰り返していた。
応募締め切りは11月5日の13時。
ギリギリまで粘って生み出せるだけの言葉を綴るつもりだ。


突然一人の夜を過ごすことになった。何も成し遂げていない日だったけど、どうしてもマックの三角チョコパイが食べたくて、夜はマックを出前館で注文した。
欲望のままにジャンキーな味を楽しんだ後は、翌日が誕生日であるパートナーのためにケーキを作るミッションを自分に用意していた。
糖質制限をしているパートナーも食べられるようにとおからを使ったグルテンフリーのチョコケーキを作ることにした。途中面倒臭くなって分量をテキトーにしたり、純ココアの代わりに調整ココアを使ったりと、お菓子作りではあるまじき再現性のなさだったけれど、うまくいって一安心。
しかし、この後、ベロベロになって酷い酔い方をしたパートナーに心無い言葉を言われてポロポロ泣くこととなり、絶対お前のために焼いたとは言わないと誓った。


飲み会に行ったパートナーから電話があったのは2時頃だった。それまでは一向に連絡がなく不安になっていた。「迎えに来てほしい」と言われて急いで着替えて、運動不足の体を叩いて坂を駆け上がった。我ながら健気な彼女である。ラーメンをご所望の彼と行きつけのラーメン屋さんでラーメンを啜って帰るまではよかった。
これまでにないくらい酷い酔い方は家に帰った途端、さらに発揮された。
意地悪な言葉、いつもより配慮のないスキンシップ。隣で急に寝始めた彼の顔面をぶん殴りたくなりながら、ポロポロ泣きながら眠りに就いた。
翌日、「お前さん、昨日は酷かった」と傷ついたことをすべて報告すると、またポロポロと涙が出てきた。何も覚えていないパートナーはかなり反省したのか、一日中私の頭を申し訳なさそうに撫で、「お酒を控えます」と宣言し、せっかくの誕生日居酒屋でもお酒をセーブしていた。
今年の誕生日プレゼントはクラフトジンを贈ったのだが、それは少しずつチビチビと飲んでいる。


一年ぶりの健康診断は、徒歩圏内の病院で受けた。153.5cmしかなかった身長がなぜか154.2cmになっていて飛び跳ねたくなるくらい嬉しかった。身長が伸びるのは幾つになっても嬉しい。
この日、パートナーは有休を使っていたので、健康診断が終わった後、家裏にあるラーメンを置いてないラーメン屋に行った。
Googleマップによると、そのお店は玉ねぎたっぷりのカレーと餃子が美味しくて、普通サイズはカレーがどんぶりで来るからミニサイズがおすすめらしい。口コミに従って、ミニサイズのカツカレーと餃子、パートナーは普通サイズのチキンカツカレーを注文した。
優しいおばあさんが運んできてくれたカレーは前情報を入れていてもびっくりするボリュームだった。まず、ミニサイズはミニじゃない。餃子も生地がしっかりしていて食べ応えがある。最高に美味しかったけれど、気持ちはフードファイターで、二人で後半は必死になって食べ、私は食べるごとにベルトを外し、帰る前にはボトムのボタンは閉まらなくなった。
洗礼を受けながらよたよたと席を立ったとき、隣席で食べていた女性二人はどんぶりカレーをペロリと食べ切っていて、走って車に戻る姿に「あのお姉さんたちは何者なんだ……」と一瞬時間が止まったかと思うくらい驚いてしまった。


友達に誘われて気になっていたブックカフェに行った。広々としているけれど、壁際にはぎっしりと本が詰まっていて、娯楽小説や漫画もあれば、歴史書や暮らしのことなどジャンルは幅広く並べられていた。大好きだった本や実家にあった飛び出す絵本もあって懐かしい気持ちになりながら、かぼちゃケーキとカフェオレを楽しんだ。
時間を溶かすように話し込んで、そろそろ帰ろうかとレジに向かったとき、「そういえば、今日は作った本は持ってきてないの?」と友達が切り出した。友達に見せるために鞄に忍ばせていたのだが、雑談中は出すタイミングを逃していて、今日はベンチ―というか鞄を温めるだけだったなと思っていたところで、まさかこのタイミングでボールが投げられるとは思っていなかった。私はあたふたしながらこれまで作った―書いたというより製本するために整えたり、依頼を受けて書いたりした本たちを鞄から取り出した。
「彼女、自分でも小説を書いていて、きっとここに合うんじゃないかって」と友達が紹介してくれるも、「本を置かせてください」と営業する心持ちがなかった私は名刺を渡しながら「普段は依頼を受けて本づくりをしたりしていまして……」とごにょごにょと自己紹介するだけだった(馬鹿野郎)。
「見てみて」と言って見せるだけではどうしても落ち着かなくて、「良かったら読んでくれませんか?」と勢いで作った本を渡した。
帰ってから、「あれ、絶対迷惑だったよな……初来店で店のことを大して知りもしない客が、自己開示してくるって……」とちょっと落ち込んだ。とても素敵なお店だったからこれからも通いたいし、あわよくば店主さんとも仲良くなりたい。今度行ったときは「あのときは突然すみませんでした」と謝ろうと心に誓った。こういうとき唐突に自己PRすることになっても相手が心地よく聞ける内容を整理しときたい。


先日撮った写真を使って、BOOTHでオンラインショップを立ち上げた。ほぼ勢いで。お店の名前は「紙に月」。自分が立ち上げた編集サービスと同じに名前にした(いつか屋号もこの名前にする予定)。

オンラインショップ立ち上げにあたって、ヘッダー画像を用意しなければならなかったので急いで作った。紙に月は紙にインクを滲ませるように、自分の心の内を落としていく時間を大切にしたいことからつけた(ちなみに月は自身の人に見せない自分を表している)から、インクと夜の色をイメージしてシンプルなデザインにした。きっとコンセプトがアップデートされていくたびにこのデザインは変わっていくと思うから、記念にここに残しておく。

姉妹の3号が「不特定多数の人が見る場所に立ち上げることは凄いことだよ」と勇気と行動力を褒めてくれた。あまり深く考えずに勢いで作ってしまったけど、そうか、これも小さくも大きな一歩だよなと改めて自分を褒めてあげる。よくやった!


盛大にパートナーと喧嘩をして、8年ぶりにスーパー面倒臭い女になった。どういう女かというと「どうせ私のこと、○○(ネガティブワード)だと思ってるんでしょ」なんてことを言って家から飛び出してしまう系女である。自分でも嫌な女だと感じるけれど、このときはそんなことが分かっていながらもアクセル全開でメタモルフォーゼした。
喧嘩の発端は私のマイペースさが着火剤になっているのだけど、それに対して謝って歩み寄りを見せたときに無視されたことが、私にとっては大起爆剤となってしまった。大前提、私が悪い。私が悪いけど、無視はないでしょう!!! 許さなくていいけど、無視だけは絶対に駄目でしょう!!! 譲れない価値観がDENGER! DENGER! と警報の鳴らした。結果、私は面倒臭い女にメタモルフォーゼした。家から飛び出したものの不毛な家出は嫌だったので、少し離れた場所にあるドラッグストアに行って必要な日用品を買い、帰りはLINEで激早口論を勃発させながらも「早く帰ってこい」の言葉に頬を膨らましながらも従った。
どうせ家に帰っても私の非行をコンコンと非難されるんだと下唇を出していたけど、帰宅後は「遅い」とぴしゃりと言われただけで、喧嘩の事には何も触れられなかった。それどころか、ニトリに買い物に行くと「いつも台所の踏み台に座ってるし、マリが台所で座れる椅子を買おうよ」と思ってもみなかった提案をされた。
普通、喧嘩したばかりのパートナー気遣えなくない? なんなら机の角で小指を打ってしまえとか、トイレットペーパーの残りが1ロールもないトイレに入ってしまえとか思ってしまわないの? 自分の子どもっぽさと彼の想像していなかった大きな愛情に目頭がじわっと熱くなった。
そうだ。この人、私の親に真顔で「地球が滅亡してしまうほどの大災害がない限り、毬花さんとは別れません」って言った人だ。こんな面倒臭い女でも受け入れてくれてありがとう。きっとこれは読まれないけど、私のパートナーはいい人ですとこれを読んでくれた皆さんへ紹介させてください。

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屈橋毬花 | 【紙に月】
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 自分の記録やこんなことがあったかもしれない物語をこれからもどんどん紡いでいきます。 サポートも嬉しいですが、アナタの「スキ」が励みになります。 ……いや、サポートとってもうれしいです!!!!

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