池上彰さんの「今月の必読書」…『グレタ たったひとりのストライキ』
どちらが「変」なのか?
今年9月、国連で開催された気候行動サミットで演説したスウェーデンの少女グレタ・トゥーンベリ。16歳の少女は、居並ぶ各国代表を前に「あなたたちが話しているのは、お金と経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。よくもそんなことが言えますね!」と温暖化対策を急ぐように求めました。これ以降、とりわけEU諸国は温暖化対策を真剣に考え始めました。ひとりの少女が世界を動かしたのです。
この本は、グレタの両親と妹の4人が著作者。文章の多くはグレタの母親が書いていますが、グレタ本人の文章や、彼女が各地で行った演説の文章も収録されています。彼女は15歳だった去年8月、政治家たちに地球温暖化対策に取り組むように求め、たったひとりでスウェーデンの国会議事堂の前に座り込みました。この行動が報じられると、賛同者が増え、国連気候行動サミット直前の今年9月20日には世界各地で計400万人が参加して温暖化対策を求めるデモ行進が行われました。
彼女の行動には賛否両論があります。日本では否定的な論調が多いようです。「子どもはストライキなんかしないで学校に行って勉強しろ」というわけです。
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