短歌ーー東直子【全文公開】
赤い猫
車掌さん、車掌さん、と呼んでみる ガスの炎や煮えたぎる湯を
寿歌(ほぎうた)はひとりひとりの花野なり二両列車が遠くでひかる
昆布だしの泡動きつつ消えゆきぬ勝ち気な人が落ち着いている
赤い猫かわいがっていたよねとささやかれつつゆく隅田川
地下室と屋根裏部屋を感情がつなげて安らかなる階段よ
夜の街はさびしい花火 オルガンが奏でる祝意あびて戻った
歯を磨くとちゅうでひどく眠くなる少し雀を好きになりそう
【編集部よりお知らせ】
文藝春秋は、皆さんの投稿を募集しています。「#みんなの文藝春秋」で、文藝春秋に掲載された記事への感想・疑問・要望、または記事(に取り上げられたテーマ)を題材としたエッセイ、コラム、小説……などをぜひお書きください。投稿形式は「文章」であれば何でもOKです。編集部が「これは面白い!」と思った記事は、無料マガジン「#みんなの文藝春秋」に掲載させていただきます。皆さんの投稿、お待ちしています!
▼月額900円で月70本以上の『文藝春秋』最新号のコンテンツや過去記事アーカイブ、オリジナル記事が読み放題!『文藝春秋digital』の購読はこちらから!
ここから先は
0字
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju
文藝春秋digital
¥900 / 月
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…