倉本聰が見たコロナ禍 「北の国から」感じる日本崩壊の危機
news zeroメインキャスターの有働さんが“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは脚本家の倉本聰さんです。
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▶︎SNSを見ていると、日本人は一体どうしてここまで品格のない民族になってしまったんだろうと思わずにはいられなかった
▶︎今年1月から医療従事者を支援するためのクラウドファンディング「結」を始めた
▶︎今のテレビマンにはオリジナリティを持てと言いたい。海抜ゼロから企画を考えて欲しい
倉本さん(左)と有働キャスター(右)
原点に返り、今こそ医療従事者のドラマを作りたい
有働 本当は北海道にお伺いしたかったのですが、このご時世なのでオンラインで残念です。きょうは富良野のご自宅からですか?
倉本 家にWi─Fiがないので、自宅近くの事務所です。
有働 煙草、おいしそうですね。
倉本 ごめんなさい。煙が行かないから良いでしょう?(笑)
有働 もちろんです。オンラインのメリットなのかしら? いまはどんな生活をされているんですか?
倉本 毎朝5時半ぐらいに目が覚めるんですけれども、朝飯を食べる頃から眠くなってきて、昼まで居眠りしています。年中ウトウト、コアラのような生活を(笑)。窓の外は、ひたすら雪景色です。毎日のように絵を描いていますね。
有働 昨年、銀座で点描画の個展を開かれていましたよね。最近は何を描いていらっしゃるんですか。
倉本 札幌にある円山公園に、大きな桂の木がありましてね。大きな洞(うろ)があって、その穴に10年間もホームレスが住んでいたんです。彼は一体どんな気持ちだったんだろうと思いながらその木を描いています。
有働 その木とは、どうやって出会ったんですか。
倉本 写真を見ていたら、偶然そういう木を見つけまして。以前は富良野にもホームレスがいたんですよ。マイナス20℃の冬場でも、昼は図書館で本を読み、夜は駅近くの暖房のあるトイレで眠る。浮浪者の姿をした哲学者のような人でした。
有働 一般にホームレスというと、人生の負け組みたいなイメージを持たれますが、なんだか豊かです。
倉本 本当に。あれは人生の勝ち組です。仙人とか、修験者とか、そういうレベルに達しているんじゃないかという気がします。ああいう人を見ると、人間の格が違うなという感じがしますね。
有働 格が違う?
倉本 僕には真似できないことですよ。経済的な豊かさとは別のところにその人の格があるんだろうと思うんです。
趣味の点描画(「輪廻」 2017©倉本財団)
劣化する日本人の品格
有働 倉本さんは、2度目の緊急事態宣言が出ている東京を、富良野からどんな風に見ていらっしゃいますか。
倉本 さかんに医療崩壊と言われていますけれども、僕は日本崩壊に近づいている気がしますね。
有働 日本崩壊?
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