京極夏彦　病葉草紙　第二話 気積 後編

【中編までのあらすじ】
藤介の長屋の店子、おきんが泣いて訴えた。亭主の巳之助がおかしくなった。蔵前にある加納屋の普請仕事を理由に、毎晩帰りが遅く、飯も食わない、湯屋にいかない、家に銭も入れないという。長屋の住人で本草学者の久瀬棠庵は、気積（きしゃく）という虫が涌いたからだと、おきんには言いつつ、藤介に、店子の平次を連れて来いという。

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