詩|若松英輔
天耳(てんに)
啼(な)く鳥の 声に慣れた
わたしの耳は
音も立てずに 哭(な)く人たちの
声にならない声を
聞きとれて いるだろうか
波の動きで 海を確かめる
わたしの目は
誰もいない場所で ひとり
ひざをかかえ 呻(うめ)く者たちの姿を
見過ごさずに いるのだろうか
▼月額900円で『文藝春秋』最新号のコンテンツや過去記事アーカイブ、オリジナル記事が読み放題!『文藝春秋digital』の購読はこちらから!
啼(な)く鳥の 声に慣れた
わたしの耳は
音も立てずに 哭(な)く人たちの
声にならない声を
聞きとれて いるだろうか
波の動きで 海を確かめる
わたしの目は
誰もいない場所で ひとり
ひざをかかえ 呻(うめ)く者たちの姿を
見過ごさずに いるのだろうか
▼月額900円で『文藝春秋』最新号のコンテンツや過去記事アーカイブ、オリジナル記事が読み放題!『文藝春秋digital』の購読はこちらから!