同級生交歓|麻布高等学校 (昭和48年卒)
人の一生を左右するのは校風か、学歴か、友人か。意外な組み合わせ、納得の顔ぶれが並ぶ“誌上同窓会”。「文藝春秋」の名物グラビア企画です。
(後列右から)
麻布学園理事長・城南信用金庫顧問 吉原毅
現代教育行政研究会代表・元文部科学事務次官 前川喜平
日東工器(株)代表取締役社長 小形明誠
(前列右から)
大森めぐみ教会牧師・東京神学大学教授 関川泰寛
学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授 中条省平
東京医科歯科大学理事 田中雄二郎
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 古川享
東京都港区 新香飯店にて(撮影・杉山秀樹)
麻布学園は、幕臣でキリスト教徒である江原素六が創立。校則も制服もなく、自主性を尊重し、人類の知的財産を学び人間的成長を目指す謎の進学校である。
友人達と自由を謳歌した6年間は食べ盛りの時期。蕎麦屋や洋食屋など近所のお店に駆け込む。その1つである那須飯店の懐かしい味を受け継ぐのがここ新香飯店だ。
ラーメン餃子を食べながらお店の人や友人と語り合った思い出の味。地域の方々に温かく見守られ麻布生は育つのだ。
我々は麻布紛争を多感な時期に経験し、様々な影響を受けて人生を歩んでいる。
あったものをなかったと言えない生真面目なラグビー部員前川喜平。頭脳明晰のお茶目な鉄道研究会部員で卒業後はパソコンショップの店員をしていた古川享。在校時から文学や映画評論など抜きんでていた天才中条省平。父(田中六助元自民党幹事長)の後を継がず医学の道に進み4月より学長に就任予定の優等生田中雄二郎。創業者の社会貢献の経営方針に共感し総合商社から機械・機器メーカーに飛び込んだ生徒会長小形明誠。慶應経済学部卒業後に突然エジンバラ大学神学部に進んだ微笑のサッカー部員関川泰寛。なぜか原発ゼロと自然エネルギー、高齢者福祉に尽力する吉原毅。
校歌には「愛と誠」をもといとし、蓬にすさぶ人の心を矯めよとある。不正義を見ると、つい正論を言って損をするのが麻布生。世渡り上手だが、時として身についた教養と正義感が邪魔をする。そんな馬鹿な我々を創立者の江原先生がいつも暖かい笑顔で見て下さっている。(吉原)
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