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天竜浜名湖鉄道(小純マアメさんヘッドマーク)ですよ
11月24日に。
静岡西部のどこに行くでもなくただ天竜浜名湖鉄道(天浜線)です。マアメさん関連の記事が2連続に。千葉旅行はどうした。
天浜線ではオリジナルヘッドマーク制作&運行というのをやっています。
これを利用して、あるかたがマアメさんのヘッドマークを付けた車両を1ヶ月にわたって走らせてくださっていたんですね!すごい!!
とはいえ色々あって27日の会期(会期?)終了が迫ったタイミングでようやく乗ってくることができました。
普段部屋から配信で、またはもっぱら都内のライブで見ている推しの顔が遠くの駅で現れるのは不思議な体験でした。実物は告知や皆さんのレポで見るより綺麗に見えますしね。
で、この記事は「小純マアメさんヘッドマークの天竜浜名湖鉄道でした」ではなく「天竜浜名湖鉄道(小純マアメさんヘッドマーク)ですよ」なんですよ。些細な違いですが……。
天竜浜名湖鉄道という名前は「天竜川」「浜名湖」という2つの大きな陸水域の名前を連ねたものです。そして天浜線は観光鉄道として沿線の景色も宣伝しています。
つまり、天竜川や浜名湖が周囲の地形や環境に与えている影響を車窓から観察するという、地学や植物に関する楽しみかたができてしまうはずです。
これはこの記事のときに多摩モノレールでもやったというか、このときに多摩モノレールに乗ったことで電車の車窓にはそういう見方もあるということに気付いたんですよね。
せっかくどこに行くでもなくただ鉄道に乗りに行くならそういう楽しみかたをしたいと思ってある程度準備を行い、それはかなり成功でした。
天浜線の景色は2つの大きな水の働きで特徴付けられたダイナミックな景色の中を通り抜けていくもので、今の私には全てを読み込むには程遠いですが「読み応え」のあるものだったのです。
普通は途中下車で周りの観光名所を見て周るものだとは思うのですが、元々降りずに乗り続けるつもりでしたし、そんな感じで子供みたいに景色に夢中だったのでした。
さも見てすぐ地形の意味が分かったかのように書いているのですが、調べながら書いているので実際にはもうちょっと単純に楽しんでいました。
なんというか、勝手にどんどん歩いて行ってしまっていた小さい頃や自転車でやたら遠くまで行っていた中学生の頃とあんまり変わっていないなと自分でも気付きましたね。
マアメさん、ヘッドマークを企画してくれたIさん、天浜線に出会わせてくれてありがとうございます!それと天浜線の車窓から見られる地質について教えてくれたかたもありがとうございます!
そんなわけで今回は「始祖鳥堂書店(芸能の棚)」「ひとり遠足」両方の記事としてやっていきます。
新所原駅
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一旦東海道線で新所原駅までやってきました。東海道線は静岡県の海側を通り抜け、天浜線は浜名湖と天竜川の上流側を通り抜けるので、特に浜名湖に関してはかなり違った景色が見られるのですが、東海道線でもどうにかして写真を撮っておけばよかったですね。
浜名湖が海と繋がっている「今切口」は見ることができました。浜名湖が汽水湖になった過程を考えるには海側を見たほうがよさそうです。
ざっくり言うと海退・海進の過程で入り江の口に砂が溜まって海から切り離されて淡水の湖になっていたのが、1500年頃に津波で開通してしまったのが今切口なのだそうです。
……で、新所原駅の名物として推されている料理は左側に見えているとおりウナギなのですが、noteではあまり書いてこなかったものの私はウナギが食べられるわけではないんですよね。理由はまた書くこともあるでしょう。
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マアメさんヘッドマークの車両が来るまで1時間ちょいあるので、真っ平な道の北の先に山が見えるななどと思いながら歩いていますと、
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たい焼き屋さんが見えて、旅行先の町に馴染んだものが気になってしまうので餡クリームチーズを買ってみました。耳はパリパリで香ばしく、餡もチーズも上品な味でとてもおいしかったです。
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それだけだとお昼にならないのでイートインがあるパン屋さんでカレーパンと総菜パンをいただいたのですが、栗のシュークリームもサービスでいただいてしまいました。こちらもとてもおいしかったです。
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駅の横の花壇です。ツワブキって段々草花が寂しくなるタイミングで明るい色の花が咲くのでいいですよね。
マアメさんヘッドマーク登場
ぼちぼちホームに上がりまして、まだしばらくあるなと油断しておりましたところに、
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スッ……と現れました!マアメさんのヘッドマークを装着した1両編成・国鉄風塗装のディーゼル車です。
ディーゼルエンジンの音はするものの1両しかない分思ったより音が静かです。
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実物のヘッドマークの大きさで見るとイラストの細かい部分までよく見えてとても綺麗です。珍しく前歯が覗いているのも可愛い!マアメさんのお姿を作られたちゃんぬ先生の描きおろし!
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まだ20分近くあったのでしばらく車外で過ごしていました。
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……もうしばらくお付き合いください。
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発車 浜名湖西岸
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そろそろ乗車しましょう。社内には80周年を記念した天浜線の解説がたくさん掲示されています。
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発車します。すぐに両脇は緑に囲まれます。おや、常緑樹が多いですかね?
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浜名湖の西~北側は山に囲まれています。
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浜名湖が見えるところまで進みました!海と山の近さが日本の、特に本州の太平洋側だなという気がします。
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視界が開けてきました。この地域は……?
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三ケ日みかんに代表されるミカン畑です!ものが小さいので走る車内から撮るのは難しいのですが、真ん丸で鮮やかな色の実が日の光を受けて光って、まるでクリスマス飾りのようでした。ツリーに付ける丸いのって冬を乗り切るための果物の恵みを表しているのかもしれませんね。(一応検索してみたら「禁断の果実」になぞらえたリンゴを飾ったのが起源だとかで、当たらずとも遠からず……?)
浜名湖まで続く南向きの斜面では日光を遮るものがなく、静岡県自体の暖かさも手伝ってミカンの生育に適した気候になっているわけですね。
赤石山脈(南アルプス)の裾野の地質はむしろやせた土地をもたらしていて、ほかの作物よりミカンに適しているとのことです。ここから南アルプスまでずっとつながっているわけです。
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浜名湖のリゾートホテルらしき建物が見えます。ヤシが植わっていますね。ヤシは本来ここにないと思いますが、塩分にも強いならリゾートの演出という意味だけでなくても海辺には合ってるんですよね。
あっそうだ。東海道線で浜名湖の海側を渡ったときはマツが多かったんですが天浜線側ではマツはあまり見かけません。砂が溜まって遠州灘の影響も強い海側ほど海岸っぽい気候や土壌ではないみたいですね。
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浜名湖の岸辺を走っていても向こう側に山が見えます。海進と海退を繰り返してきた入り組んだ地形の中にできた湖であることが分かります。
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ここが浜名湖の北側中央の東都筑なんですが、この大きなミカンは今調べたらどうもトイレらしいです。ちょっと変わったモニュメントがこの他にも見えがちです。
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岸辺が見えるところに出ました。人為的に敷かれたのでなければ砂浜というには粗い砂利ですね。川の中流みたいです。
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漁業用の船でしょうか。今回あまりそういう姿を目にしていないものの、浜名湖は漁業も盛んです。かなり以前に浜名湖(弁天島)に来たときは漁業関係中心の水族館「ウォット」を見学し、浜名湖産のマアジのフライを食べたのでした。
しかし線路は浜名湖から離れ、次の流域に進みます。
三方原台地~天竜川
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今まではなかった広く平坦な農地が見えてきます。西気賀を過ぎて線路と浜名湖の間が開いたのです。
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井伊谷川と都田川の合流地点が見えます。
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この山からさらに向こうに行くと竜ヶ岩洞という洞窟があるそうです。秩父古生層という2億5千万年前の地層に含まれる石灰岩の中に形成された鍾乳洞です。浜名湖が今の汽水になったのが500年ほど前であることを考えると時間の幅がとても幅広いです。
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金指(かなさし)で上下線のすれ違いのためにしばらく停車したので一度降りて改めて。
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広く平らな農地が続きます。
ここに見えているのは天竜川の西に広がる台地、三方原台地の端を都田川が削った部分のようです。向こうの木々が濃い部分より向こうにさらにまた平らな地形が続きます。
三方原台地は天竜川が堆積させた扇状地が隆起して今度は天竜川に削られることになり、西側が削り残された部分です。一度作った地形を今度は削るなんて暴力的にすら感じられますね。名前どおりの巨大な竜のようです。
一見、何も遮るもののない水面である浜名湖は大きな地形に見えますが、三方原台地も負けるものではなく、天竜川が作った地形全体は浜名湖の何倍も大きいのです。
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台地の端の起伏を突っ切っていきます。
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都田川に白いサギが飛びます。
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宮口駅を過ぎて、いよいよ三方原台地の地平線が見えます。遠州灘まで抜けているのでもしかしたら水平線かも……。
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あれ?正面の山の上にここまでほとんどなかった紅葉が見えます。と思ったら明らかに何か和風で立派な建物が木々に埋まっていますね。お寺か神社に植えられたものでもなければ、このあたりでは落葉広葉樹は少数派のようです。
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あっ、大きな川を渡る立派な橋に差し掛かります!
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偉大な天竜川の姿です!
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今見えている水がこれから広い大地に流れていくのです。そしてよく見ると……、
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河原の石は灰色一色ではなく灰色の濃淡、白、色々なオレンジ、様々なものが入り混じっています。
天竜川に見られる石には上流の地質の多様性を反映してとても様々な種類が含まれるのだそうです。川の働きにより、見えている部分よりもっと広く色々な地質の産物に触れていることになります。
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竜の川よ、さようなら。
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天竜二俣駅でまた少しの間停車し、鉄道の情緒を感じるひとときを過ごします。
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さらに上野部、豊岡を過ぎると天竜川の流域からは離れて東へ進み、山の間を縫って掛川に向かいます。
大都市掛川へ
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セメント工場が見えました。先程竜ヶ岩洞の石灰岩について書きましたが、この辺りにも石灰岩が採れるところがあるようです。
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太田川です。
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さっきの天竜川と比べると石の色がシンプルですね。
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まだまだ緑豊かな中を進みますが……あれっ?
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紅葉している針葉樹です。メタセコイアでしょうか。
もちろん自生しているわけはないのですが、植木としても比較的新しい種類で、街中の木といっていいものです。都会に近付いてきた証拠かもしれませんね。
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ススキが輝いていたり、
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再びメタセコイアが現れたり。
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気が付けばあたりは工業地帯です。
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もはや鉄道沿線が一番緑が濃い町の中に辿り着き、
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終点・掛川です。
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降りてから改めてマアメさんヘッドマークを振り返ると、やっぱり不思議な感じがして面白くすらなってきます。
マアメさんの生み出すコンテンツとそこまで関係ない天浜線の車体にポンとヘッドマークが付いている光景もそうですし、こんな風景の連続にマアメさんがきっかけで出会うなんて思ってもみませんでしたからね。
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折り返して走り去っていきます。1ヶ月間私が出会えないままこの路線を走っていたことを思うとちょっと寂しくなってしまい、やはり予定を組んで乗りに来てよかったと思います。