自我の芽生え
生まれてこの方何かしらの「オタク」だった。
中学生は「銀魂」の土方さんに夢中になり、初めて自分の意志でマンガを買い集めていた。アニメイトに通うようになったのもこの頃。
高校生は念願の軽音楽部に入部し、いろんなバンドを聞き漁った。先輩がコピーしていた「9mmParabellumBullet」というやたらと名前の長いバンドが気になって、また世界が広がった。
専門学校はその広がった世界を潜っていくような日々を送った。ライブもたくさん見て、どんどん好きなものが増えていったし、自分がどんなものに惹かれるかなんとなく分かるようになった。
と、思い込んでいた。就職して(厳密には違うけどこの話はまた長くなるので端折る)慣れない業務に疲れ切った初夏、それまでの価値観ではありえなかったものにはまった。
それが「関ジャニ∞」だった。この話を学生時代の友人にするととても驚かれる。それもそのはず、今までの私はアイドルに興味がなかった。むしろ嫌悪さえしていた。全てのアイドルにごめんなさい。
あの頃は、とにかく「笑い」に飢えていた。とにかく大きい声で笑いたかった。そんな時Twitterに流れてきた「イケメンカメラ目線スポーツ」。短いし、一回見てみるか…とあまり期待はしていなかったような気がする。
そもそも関西出身関西在住の身からすれば、いろんなコンテンツで関西が使われる時誇張されるのが嫌いで、「大阪」の文字を見るだけですぐに目をそらしていた。そんなこてこての関西弁なんか使うかあほ。というひねくれた気持ちを持つ関西人はおるおるだと思う。
結果としてめちゃくちゃ笑った。涙が止まらないほど笑った。その日からその動画を見ることが習慣になった。さらにそこから「この人たちはどんなライブをするんだろう?」と気になり、自ら動画を調べた。
え、めちゃくちゃ本気やん。かっこいいやん。唯一知っている「ズッコケ男道」を演奏していたのが余計に衝撃だった。私の中のアイドルはキラキラしていて、笑顔を絶やさない優男なイメージだった。画面の中の彼らは汗まみれで、男臭くて、でもめちゃくちゃ楽しそうに演奏していた。いやブルースハープはせこいわ。
10分足らずの動画で、二十数年積み上げてきた価値観がものすごい勢いでアップデートされたような、とにかく素晴らしい衝撃だった。
この時はまだ、7人全員の名前は分かっていなかった。なのに名前すら知らなかった彼にはまるなんて、人生は面白すぎる。
もっとオタクとは!みたいな記事を書きたかったのに、自我の芽生えについて延々書いてしまった…
また懲りずに書き散らします。
作業用BGM:関ジャニ∞「ズッコケ男道」「勝手に仕上がれ」
岡村靖幸「愛はおしゃれじゃない」
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