ム・ジュン

大学院生 心と言葉に関心があります

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寿司の死

  最後の1つが売れ残っていた鉄火巻をカゴにとったところで、俺の3m横にいるあの店員は今、半額シールを3割引シールの上に貼り重ねているようだと悟った。本来、周りの寿司と同様に半額シールを貼られるはずだったものの、今や俺のカゴの中にあり、3割引のままのこの寿司は、この瞬間、急速に魅力を失いつつあった。しかし今ならまだ、この寿司を陳列棚に戻して、新たに半額シールを貼られたそれを、全く新鮮な気持ちで、あのころの魅力そのままに、完璧に迎えることができる。今戻すべきかもう諦めるか。巻き

    • 優しくなるのに疲れるより、死んだ方がいいね

      • 今日は、サイードとバレンボイムの対談本を読んだ。英語だし1章が長いしで脳が砕け散った。昨日のことを日記に書くのは御法度だけど、昨日はピカソ展で脳を酷使していたため2連投になった。現代野球になぞらえると明日は休養日。

        • まあ落ち着けよ、宇宙のない頃に人もルールもないしさ

          髪の毛の一本だけが結ばれてて、指が引っかかった。俺は結んじゃいない。俺以外に結ぶ人もいない。何がって、髪の毛が自ずからそうなった。家庭科の授業であんなに四苦八苦してやった玉結びが、放っておいたらできたって。 学校のプールに部品を浮かべてたら、風が吹いたか自分でかき混ぜたかしていつしか時計が組み上がった…そのくらい、宇宙…地球だったかな…それか生命だったかもしれない…が生まれたのは奇跡的…文字通り天文学的なんだって聞いた。宇宙ができた確率なんて俺からしちゃ100パーセントもいい

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        • 優しくなるのに疲れるより、死んだ方がいいね

        • 今日は、サイードとバレンボイムの対談本を読んだ。英語だし1章が長いしで脳が砕け散った。昨日のことを日記に書くのは御法度だけど、昨日はピカソ展で脳を酷使していたため2連投になった。現代野球になぞらえると明日は休養日。

        • まあ落ち着けよ、宇宙のない頃に人もルールもないしさ

          野焼きの煙は許せないでも

          僕のとこは田舎だから、夕方など、時おり野焼きの煙が上がる。風が煙を拡散させて、町は見えない粒子に満たされる。粒子が元々何であったかは分からないけれど、何であっても煙は芳しいものではない。マスクをしていても鼻腔を突くし、正直言って、本当に嫌いだ。避けようがないし、大声で喚き散らしたとて誰かが助けてくれるわけでもない。だからって田舎のことが嫌いかって言うとそうではないし、野焼きをしている人を咎めたいって話でもない。 少し前のこと、小さな川に沿う土手の中ほどに、野焼きの煙の上がる

          野焼きの煙は許せないでも

          ちらし寿司を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人 これらが螺旋を成して終わりが無い 意味とは何か 使用価値か、美しさか、思いやりか、寿司そのものか

          ちらし寿司を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人 ちらし寿司を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人を扇ぐ人 これらが螺旋を成して終わりが無い 意味とは何か 使用価値か、美しさか、思いやりか、寿司そのものか

          父から楽観主義を、母から悲観主義を引き継いだ、自分の世界は地獄と天国の狭間でいつも揺らいでいる みんなもそうだよね、ちがう?

          父から楽観主義を、母から悲観主義を引き継いだ、自分の世界は地獄と天国の狭間でいつも揺らいでいる みんなもそうだよね、ちがう?

          見えないダイヤの愛し方

          人の目と同じ目をしてないという自覚が強くある。目の形も大きさも違うけど、目の性能というか出来というか…も違う。視力も色の識別も。どこまでが目のはたらきによるものかよくわかってないけど、とにかく、違う身体をもつ以上、僕は親や弟とも違う世界の見方をする。だからもともと他人であるあなたがたとはてんで違うわけだ。 朧げな記憶だが、小学生のころ行ったスキーで、友人のステッキが意図しないまま動き、僕の目を突いた。黒目の部分は外れていて、失明を免れたのは不幸中の幸いだった。しかし、それく

          見えないダイヤの愛し方

          電気を消して窓を開けたらイヤホンの音楽がそこで終わって、虫の声が聴こえてきた。遅れて涼しい風がふんわり僕の鼻を撫でたから、リピートになった曲を止めてイヤホンを外した。 麦茶のポットを冷蔵庫から取り出して飲んだら喉がキュッとなる冷たさで、パタンと閉じたらまた暗い部屋に秋が来た

          電気を消して窓を開けたらイヤホンの音楽がそこで終わって、虫の声が聴こえてきた。遅れて涼しい風がふんわり僕の鼻を撫でたから、リピートになった曲を止めてイヤホンを外した。 麦茶のポットを冷蔵庫から取り出して飲んだら喉がキュッとなる冷たさで、パタンと閉じたらまた暗い部屋に秋が来た

          理不尽を受け入れろってお前が言うな、世の中は理不尽だってお前が言うな、お前が理不尽な世の中だと思うな、理不尽なのはお前だけ、世の中じゃない

          理不尽を受け入れろってお前が言うな、世の中は理不尽だってお前が言うな、お前が理不尽な世の中だと思うな、理不尽なのはお前だけ、世の中じゃない

          明日のことについて分かっていることは何も無いが、分かっていないことも無い。怖くないぞ

          明日のことについて分かっていることは何も無いが、分かっていないことも無い。怖くないぞ

          日記 公衆電話がない

          大学図書館でアルバイト勤務中、公衆電話を探している利用者に声をかけられた。分からないですね、と短く返すも、利用者はその場で足踏みし、少し左右に回り、しかしどこにも行かない。今朝ニュースになっていた携帯の通信障害で、大切な連絡をすっぽかしそうになっているのだと決めつけて、そうだとすれば手伝うべきだと思い直す。そうでなくても、親切心は失くさないでいよう。さっきはよく考えないで知らないと言ったが、どこかで見たような気もする。公衆電話のもつ霊的な雰囲気に化かされているのか、あるいはA

          日記 公衆電話がない

          再生

          バンビーナ ギターソロ

          弾いた 聴いてほしいけど、聴いて得することはない

          バンビーナ ギターソロ

          再生

          模様替えをしてしっくり来た、今までの部屋は間違いだった、過去の生活がすべて間違いだった。生き方を良くしていかなければならない。これは成長ではない、修正である。しかし未だに、1秒後すら明らかでないのが本当に恐ろしい

          模様替えをしてしっくり来た、今までの部屋は間違いだった、過去の生活がすべて間違いだった。生き方を良くしていかなければならない。これは成長ではない、修正である。しかし未だに、1秒後すら明らかでないのが本当に恐ろしい

          好きと嫌いの無い、モノクロの狭間で

          「人間の体をな、薄っぺらくして、脳天からまっすぐ谷折り線を入れれば、左右ぴったり折り重ねることができて何にでも便利なんだ。」  へえ~、すごいや。 「人間には左右に腕と、脚と、胸と、尻と、目と耳と鼻の孔があって、これが畳むのに便利なんだ。」  確かに、右にあるのはみんな左にもありますね。 「この左右に分かれるってのは、この世の理だと、俺は思うわけよ。」  理、この世の。そりゃすごい。 「他にもあるぜ。そこに生えてる花、一輪取ってみてくれるかい。」  いいんですか。 「いいんだ

          好きと嫌いの無い、モノクロの狭間で

          例えば1人カラオケは小宇宙かもしれない

          散歩してみようかと一日の最後に思い立って、4月の冷たい夜に進んで行った。ドアを半分開けて、明るい所から暗い空を見るのは、未だに、何だか少しだけ悪いことしているみたいな気分になる。僕はいつどこに行っても構わないのに。寝床を離れるのが夜だと、さも生活を手放しているようで、少し心許ないのだ。しかし、この部屋にいたところで完全な1人きりにはなれないのだという心持ちに至って、とうとういたたまれなくなった。今日は冷えているがその分空気が澄んでいて、盆地を蓋する雲もないため星がよく見える。

          例えば1人カラオケは小宇宙かもしれない