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ボウズ

何事も、決めつけや勝手な思い込みは良くない。いや本当に。
かく言う私も、”釣り”に対して、待ってる間暇そうだの退屈そうだの、興味も知識もないが故にあまり良くない印象を持っていた。
そんな私の釣りに対する印象を変えたのは夫だ。

彼がまだ二十代の頃、仕事が終わり次第、車で片道1時間半以上かけて海を目指し、夜釣りをして朝方帰ってまた仕事に行くという生活をしていた時期があったらしい(大人になると、なんて言いたくないけど、彼も、一緒に行っていた仲間たちも、だんだん忙しくなって、なかなかそういう機会もなくなっていったみたいだけど。)。

それほどまでして行く釣りってどういう魅力があるんだろう?
楽しそうに話す彼から聞いているうちにだんだん興味が湧いてきた。何より、私は魚介類が好きだから彼(もしくは私)が釣ったものを食べてみたいのよ。

月日は流れ、今じゃ海と山が見える田舎暮らし。釣りについていってみた。まぁ、結果から言えばボウズ(釣果なしということらしい。カナでよいかは不明。)だったんだけど。今回大事なのは釣果じゃなくて、釣りは楽しいって気付けたこと。何より彼がイキイキしてるのが私も嬉しい。

夜釣りだったから、まるでご褒美かのように星が綺麗に見えて、光る浮きはまるで海の下まで伸びているようにキラキラしていて、波の音、波がテトラポットにぶつかる音、魚が跳ねる音、少し寒かったけど癒しそのものだった。

お魚釣れてないのにこんなに喜んで少し笑っちゃう。釣れたらどんなに嬉しいだろう。

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