品場諸友

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最近の記事

【読書記録】2024年8月

 残暑の気だるさに身を任せていたところ、9月も半ばとなっていた。大反省。  さて、8月の読了冊数は33冊。お盆が1週間お休みだったこともあり、読書時間を多く確保することができた。それらの中から、特に気に入ったものを5冊紹介していこうと思う。 『表現を仕事にするということ』 小林賢太郎  劇作家であり演出家でもある小林賢太郎さんが、表現を仕事にする上で大切にしていることをまとめた本。鉛筆書きのレタリングのような表紙に目を奪われ、つい購入してしまったのだが、これがなかなか面白

    • 【読書記録】2024年7月

      暑い。とにかく暑い。 地球が全力で人類を殺しにかかってきている。 我々は絶滅期に入ったのかもしれない。 ……などという、悪態はここら辺にして、今月の読書記録に入ろう。 2024年7月は、17冊。 この17冊の中から、面白かった作品を3作ご紹介していく。 『全員がサラダバーに行っている時に全部のカバンを見てる役割』岡本雄矢 何かと不幸な芸人、岡本雄矢さんによる短歌&エッセイ集。物悲しいがどこかクスっとしてしまう日常のエッセイに、短歌が挟まれている構成なのだが、その短歌たちが

      • 新宿紀伊國屋 〜おばあとボクと、度々、ご本〜

        ばあちゃんとのデートは、だいたい新宿だった。 まず、ばあちゃんの買い物を済ませて、高野フルーツパーラーで休憩。幼い僕は、まだ資本主義の「し」の字も知らなくて、マスクメロンジュース(当時1000円)にフルーツサンド(こちらも当時1000円)を躊躇することなく注文し、瞬く間に平らげていた。中学校に入ったあたりから、「貨幣に価値があるらしい」ことに気がついて、どちらか一方にするようになったけれど。そんな僕を眺めるばあちゃんは、いつも小さなパフェを食べていた。 二人のデートを締めく

        • 【読書記録】2024年6月

          さて。6月分も毎度のように「今月は○○冊」と言いたいところなのだが、実は今月、読書メモを取るのを怠ってしまった。「おそらく15冊はいったと思うのだが……」レベルの体たらく。 なので今月は冊数は無し。「自らのポンコツ記憶」と「図書館の貸し出し記録」をもとに、6月分の読書記録を付けていこうと思う。 『キスに煙』 織守きょうや 男子フィギュアスケート界を舞台にしたBLミステリーロマンスである。良き友でありライバルでもあった塩澤と志藤の二人は、とあるフィギュアスケーターの死をきっ

          【読書記録】2024年5月

          一ヶ月が風のように過ぎた。 今月の読書記録は、22冊。 月末は失速してしまったが、GWのおかげで冊数は積めた。あんまり冊数は気にせず、ゆるりと読みたいんだが、何だかんだ気になってしまうのは、性格ゆえか。困ったもんである。 『あつかったらぬげばいい』 ヨシタケシンスケ 珍しく絵本である。母がヨシタケさんが好きらしく、実家に転がっていたものを勝手に読んだ。刺さった。 この絵本は、タイトルのとおり、「〜たら、…ばいい」の構文が見開きで展開されている。 ↑あたりが、僕のお気に入

          【読書記録】2024年5月

          【読書記録】2024年4月

          いつの間にか桜が散り、初夏の陽気を感じている。 気に入っている春物コートの出番は一瞬で終わってしまった。 そんな4月の読了冊数は18冊。 読み始めたものの、思っていた内容ではなく、途中で断念した本もあるため、20冊の大台には乗らなかった。 ……まあ、読んだ量より質を大事にしたいところなので、どうでもいい話ではあるのだが。 今月も、読んだ中から、面白かったものを何冊かピックアップしてご紹介しようと思う。 『JK、インドで常識ぶっ壊される』 熊谷はるか ご家族の仕事でインドに

          【読書記録】2024年4月

          【読書記録】2024年3月

          新年度がぬるっと始まった。 外では桜が咲いている。 ここ数年、さまざまな事情でゆっくり季節を味わう余裕がなかったのだが、今年はようやく穏やかな心持ちで桜餅(道明寺)を食べることができた。 さて、そんな3月の読書記録は 計30冊。 量は読んだが、身についているかが微妙。 4月は少しペースを落とそうと思っている。 『走る道化 浮かぶ日常』 九月 こちらは京大卒のお笑い芸人、九月さんによるエッセイ集だ。 ツイッター(現X)のリポストから、存在を知った。 この一文の通り、九月さ

          【読書記録】2024年3月

          【読書記録】2024年2月

          気づいたら、3月半ば。 2月分の読書記録を出すにしては、大遅刻である。 正直に告白すると、すでに忙しい時期は越えている。 なので、現在、心に余裕はあるのだが、アウトプットよりインプット欲の方が強くて、読む方ばかりにかまけて、書くことを先延ばしているうちに、こんな時期になってしまっていた。 さて、2月の読書結果は……計24冊。 忙しかった割に、まずまずである。 いつもの通り、その中から、面白かったものをご紹介していこうと思う。 『結晶質』 安田茜 帯に書かれたこの短歌が、

          【読書記録】2024年2月

          【読書記録】2024年1月

          新年早々、色んなことが忙しかった。 ……割には、結構冊数を積み上げていてビックリである。 1月の結果、計27冊。 そこから、6冊、良かったものを紹介したい。 『君は君の人生の主役になれ』 鳥羽和久 「愛」「勇気」「仲間」「冒険」みたいなものに対して、僕は斜に構えた目線を投げがちだ。へそ曲がりで天邪鬼。そんな普段の僕なら、絶対に手を出さないタイトルの本。何故この本に手を出したのか。それは、選書において信頼を置いている、独立系書店の店主さんがおすすめしていたからだ。(注:一度

          【読書記録】2024年1月

          【読書記録】2023年12月

          本来であれば、12月中に書きたかったのですが、休みに入った瞬間、2日ほど寝込みました。 慣れない環境が祟ったな……。 今は元気にお正月休みを謳歌しています。 さて、2023年12月の読書記録です。 フルタイムで働きながらだったので、前月より大幅減の 計23冊 その中から3冊、良かったものをご紹介いたします。 『桃を煮る人』 くどうれいん 12月の頭にハマり、大晦日の読み納めまで、どっぷりくどうれいんさんの世界に身を浸していました。 一番最初に読んだのが、こちらの『桃を煮

          【読書記録】2023年12月

          【読書記録】2023年11月

          何歳になったって、新しい環境は怖い。 いや、学生だったころはまだマシだったかもしれない。 なぜなら、みんなが「よーい、どんっ!」で新生活をスタートさせるからだ。 だが、社会人になると勝手が違う。 転職ともなれば、たった一人で新しい環境に挑むことになる。 僕は現在、新しい職場で、誰がどんな人か見極めるのに四苦八苦している。 そんな11月の読書記録は計34冊。 12月からはフルタイムで労働をするので、冊数は減る予定。 さらば、愛しの読書時間。 『エクソフォニー』 多和田葉子

          【読書記録】2023年11月

          【読書記録】2023年10月

          夏に崩した体調が、ようやく回復した。 それを待っていたかのように、次の就職先が決まり、ここ最近は心穏やかに過ごせている。 そんな10月の読書記録は、 計29冊 という結果に落ち着いた。 特に月の前半はあまり馬力が上がらず、(途中で休憩がしやすいという理由で)短歌集が多い。 でも、冊数を積み上げることができたのは嬉しい限りだ。 そんな29冊の中から、今月のベスト5をまとめてみた。 『koro』 榊原紘 9月末に第一歌集『悪友』を読んで好きになり、その足で第二歌集『koro』

          【読書記録】2023年10月