新宿紀伊國屋 〜おばあとボクと、度々、ご本〜
ばあちゃんとのデートは、だいたい新宿だった。
まず、ばあちゃんの買い物を済ませて、高野フルーツパーラーで休憩。幼い僕は、まだ資本主義の「し」の字も知らなくて、マスクメロンジュース(当時1000円)にフルーツサンド(こちらも当時1000円)を躊躇することなく注文し、瞬く間に平らげていた。中学校に入ったあたりから、「貨幣に価値があるらしい」ことに気がついて、どちらか一方にするようになったけれど。そんな僕を眺めるばあちゃんは、いつも小さなパフェを食べていた。
二人のデートを締めく