34年目を迎えた怪獣特撮フィギュアコレクターに起きた3つのインパクトとは? 後編
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以前、どこかのSNSで「オタクは14歳で出会ったものに一生支配される」という言葉を見ました。
14歳と聞いて私が真っ先に思い出すのは、夏休みの深夜にテレ東で4夜連続放送された「新世紀エヴァンゲリオン 夏休みスペシャルナイト」を夜な夜な暗い部屋で朝まで観た事。
毎日、昼過ぎに起きてくる息子を不審に思った母に
「夜中に何かしてるの?」と聞かれ、
「アニメ観てる」と答えた私に
「夜中にやってるという事はヤラシイの観てるんでしょ?」
と言われ、加持とミサトのせいで反論できず、でも隠そうとあからさまにムキになって否定したのは良い思い出です。
それと同時にこんな濃厚で訳のわからない、でもハマるストーリーやセリフを書ける庵野秀明って凄いな……そう感じた事も忘れません。
今思えばこれもまた「サードインパクト」の始まりだったのかもしれません。
時に西暦2015年、その庵野が「シン・ゴジラ」を制作するという事で私的にはこれ以上ない夢のコラボでした。
しかし当時は特撮氷河期の最中であり、2014年に公開されたハリウッド版「GODZILLA」も物足りなさを感じ、かつて熱狂したゴジラの平成VSシリーズや平成ガメラ3部作など、私が観たい怪獣映画は2度と作られないのではないか?という絶望に近い感情を抱いていた時期でした。
が、その思いは2016年7月29日、ゴジラ第2形態により蒲田の街と共に吹き飛ばされました。
以後の出来事は皆さんも知っての通り、歴代ゴジラ映画では最多となる興行収入82億円を叩き出す大ヒット。
一部マニア向けのコンテンツだった「怪獣」という存在を一般層に広める革命を起こしました。
ブームを先取りした形となった特撮マニアの私は、水を得た魚の如く知識をひけらかしたのは言うまでもありません。
その後も庵野は2022年「シン・ウルトラマン」、2023年には「シン・仮面ライダー」をヒットさせ、自身を育てた特撮への恩返しと同時に我々ファンを賛否両論の渦に巻き込み続ける事となります。
以上のことから謎のオシャレ路線を経て、堂々と「特撮オタク」と名乗れるようになったきっかけ、「シン・ゴジラ」こそが「サード・インパクト」と言って間違いないと思われます。
お陰様で今年40歳になろうという私は、土曜の朝にビックカメラのオープンに合わせて自転車を走らせ、新作ソフビを買うという何とも楽しい人生を送っています。
最近買ったのは「シン・仮面ライダー」に登場する仮面ライダー第1号と第2号のソフビ。
「シン・ウルトラマン」に登場したゴメス、ペギラ、パゴスのソフビ。
シン・ヱヴァとシン・ウルトラマンのブルーレイディスク。 シンシンシンシン言うとりますが、冒頭に書いた説は事実のようで、悠久の時を経て見事に時間と財布を庵野に支配され続けています。
さて、今後庵野はどのようにして我々を楽しませてくれるのか?
必ず起きるであろう「フォース・インパクト」とは?
もしくは「アディショナル・インパクト」に突入しているのか?
すでに我々は庵野の思い描いたゴルゴダ・オブジェクトに入り込んでいるのかもしれません。
何にせよ、庵野による特撮世界のネオンジェネシスは始まったばかりです。
そして私は心のなかで叫びます。
「さようなら すべての福沢ユキチ」