春4 愛

愛という言葉は、いつ、どんな状況でつかうべき言葉なのか。愛してる、とは、一体何なのか。

私にとって愛とは。
例えば少しでも長く眠れてるといいなとか、暖かくしているといいなとか、美味しいものを食べてるといいなとか、そういう日常を、相手が隣にいない時も、相手本位に想えることだと思っている。あるいは、美しい景色をみたら即座にあの人にも見せたいと思うこととか、泣いていたら思わず抱きしめて甘やかしてしまうような、打算のない衝動だと思っている。

そして人はいつ、どうやって、愛を伝えるのか。どんなふうに、現実の世界に落とし込むのか。

これが愛だと形で示せれば簡単なのに。それができないから人は言葉を紡いで愛を重ねるんだろう。届けたい想いをどうにか伝えようと、形のない愛を言葉に宿すんだろう。想いを込めて。それぞれの愛を。きっとそうなんだろう。

私はまだその方法を見つけられずにいる。本当に心の底から想うことほど、言葉にするのが憚れる。私がどれだけ言葉を尽くしても、表現できないと思ってしまうから。どうしても、伝えたい気持ちは喉につまり、声にならない。できない。

照らし合わせたい気持ちは山ほどあるのに。

あなたにとって愛とは何ですか。
愛を伝える術を、あなたはご存知ですか。



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