【ネタバレ】ライフイズストレンジ2
ライフイズストレンジ2をクリアした。
前作は辛い結末だったもののどちらを選んでも納得感があったし、マックスの成長を感じながらプレイできたので楽しかった記憶しかない。
でも今作は終始悲しい出来事ばかりで最後まで辛い選択肢だった。最終的に自分の中でちゃんと納得した選択をしたつもりだし、いちばん自分の中でしっくりとくるエンディングに辿り着けたと思う。でもつらすぎる!周回プレイはとてもできない!
ダニエルのわがままにはかなりうんざりさせられた。何よりも、自分が9歳だった時の自分の振る舞いや、母親の振る舞いを思い出してはこんなにガキ扱いしてもらえなかったと哀しく感じることも多々あった。私は今後こうして、子供の頃の自分と当時の母親に呪われ続けるんだなとしみじみ考えさせられたりもした。
とはいえ、映画「カモンカモン」を観て感じたことでもあるのだが、子供を子供というカテゴリーのもとに扱うことは、相手を1人の人間として尊重していないことでもあると思う。ショーンは作中「兄貴だから」「弟だから」「まだガキだから」という主語で物事を語ることが多く、それは彼がまだ17歳だからということでもあるのだが、ショーンとダニエルという個人の解像度を下げたものの見方をしていると感じた。
今作で本当に悲しいことが多いのだが、特にショックだったのは、序盤でダニエルがショーンの振る舞いを見て、親切にしてくれたブロディの車からおもちゃを盗んでしまったことだった。しかもすごくちゃちなおもちゃ。盗んでどうしようと思ったんだ。自分としてはダニエルのためを思ってした行動が、ダニエルの認知をゆがませてしまうのだと察した。短期的な快楽のために自己都合な言い訳をつけて盗みをしてしまったけど、盗みは盗みなのだ。それ以降できる限り道徳的であろうと思った。そしてこれは今作の面白みでもあった。前作はマックス自身を操作して自分の未来を選び抜く物語だったけど、今作は自分の選択がショーンだけでなくダニエルの未来を決めていく。繰り返しになるが、今は良くてもその結果が後になってどんな結果を引き起こすかわからない。自分の行いが周りにも影響していくということが、より深く描かれている。ダニエルのことは直接操作できない、でも自分のおこないがダニエルの未来を決めていく。これがもしかしたら、私には子供がいないけど、子育てのおもしろいところかのかもしれないとも思った。
今は2025年で2期目のトランプ大統領の政治が始まっている。今作が発売された頃はトランプの第一期政権下で、主人公はメキシコ移民の2世で、そのせきで不遇な扱いを受けることが度々ある。父さんが死ぬのも明らかにそのせいだし、メキシコの国境の壁ができている演出には驚いた。白人男性に暴行された後に、星条旗を車内に飾ってる、ザ保守派の白人男性のトラックに乗った時はこのまま通報されるのではとヒヤヒヤした。(アントンはただのいい人だった)そういった世相の描き方が、いま日本人がプレイするには怖かったし、感動した。1も貧しく寂れた街が舞台だったから、そういった分断を描いていたのかもしれない。
長々と感想を書いてしまった。プレイしている最中は何度もやめたくなるくらい辛い気持ちになったし、ラストを迎えた直後は「なんてゲームだ!1の方が良かった!」とポロポロ泣いてしまったけど、振り返れば「自分の行いで周囲の人間の未来が変わる」という、より大きな物語を描き切っていて素晴らしい作品だと思う。ただ周回プレイはできないし、安易に人には勧められないかな…。