芸術家肌と芸術家の違いは?芸術家と予備軍たち
私は歳の割にはシワが少ないと、褒められることがある。
手も、赤ちゃんみたいにポチャッとしているので、若く見えるらしい。
種明かしをすれば、太っているので皮膚がピーンと張っているだけです。
いえ、一年に一度あるか無いかの褒め言葉ですが。
この歳になると、何であれ、容姿を褒められることなんて無いからね。
滅多に無い褒め言葉だからこそ、心の日記に記して、一生の思い出にするのだ。
芸術家肌はニキビが出やすい
知人の息子が、思春期で荒れているらしい。
中学三年生の中二病(変な日本語だ)の息子は、将来はミュージシャンになりたいそうだ。
何でも、付き合っている彼女が、好きなアーティストに夢中なので、自分もやってみたくなったらしい。
知人は、とても子供に寄り添う人で、全力で夢を応援するタイプ。
息子の小学生時代の夢、サッカー選手の時は、本人の希望のままに、名門サッカークラブに入会させた。
今までも、あれこれとやりたがったものは、全て叶えてきたそうだ。
あまりにも環境が良すぎたせいか、友人達に「お前は恵まれ過ぎているから、成功しないぞ」と、令和の時代に、昭和っぽい事を言われてへこんでいる。
彼は習い事をしばらく続けて、伸び悩んでくると、辞める。
辞める前は、慰留する親や先生がしつこくするから、やる気がなくなったと言い。
その後、続けていた仲間達が全国大会に出場した事を聞いて、殴ってでも辞めるのを、止めて欲しかったと怒鳴る。
知人は「ウチの子は芸術家肌だから、感情の起伏が激しいの」「センスがあるから、環境に合わせられない」と言って、親のせいで才能が伸びないと荒れる馬鹿息子を、より一層可愛がっているのだが…。
芸術家という種族
芸術家と芸術家肌の違いは何だろう。
私の個人的な意見だが、芸術家は有形無形に関わらず、「作品」を作れる人だと思う。
特に、どんなに茨の道でも、それしかできない人というか、全てを捨てて画家になる人とか、個人的にはワクワクしちゃう。
これはもう、芸術家という種族ではないか!?
大抵、性格破綻者だったり、妻子を泣かせたりしているんだろうか(イメージです)
身内は絶大な苦労をさせられて、家庭崩壊したあげく、本人も不摂生が祟って早死にしたりして(イメージです)
もしくは、作品を作り出すことだけに集中して、他の存在とコミュニケーションを取れずに、生活能力も無いかもしれない(イメージです)
それでもすべて、作品さえ素晴らしければ、許されてしまうところがある。
これは保護区を作って、保護しないと絶滅してしまう種族では⁉
芸術家種族との共存
芸術家の業を描いた、芥川龍之介の「地獄変」は極端だが、地獄絵図が描けないから、娘を焼き殺してまでモデルにする…のような発想は、創作に苦しむ芸術家なら、一度位妄想したことがあるかもしれない。
フィクションはともかく、リアルで犯罪はダメだけど、芸術家は多少なら性格が悪くても、かえって「らしい」と言われることもある。
むしろ芸術家の伝記を読むと、人生の波瀾万丈こそが、最も優れた作品だったりするほどだ。
人の身には過ぎるほどの、創造のエネルギーが渦巻いて、本人も周りも苦しめるのかもしれない。
1人の偉大な芸術家を育てるのに、周囲から栄養を吸い上げているのではないだろうか?
まるで、収穫するまでに6年近くかかり、しかも収穫後の畑の栄養が根こそぎ奪われているという、高麗人参のようだと思う。
高麗人参は、高価で珍重されるところが、益々似ている…。
やはり一般人と共存共栄するためには、棲み分けも必要かと思うことがある。
昔のように特権階級がパトロンとなって、素晴らしい環境の元に保護するのが良いのかもしれない。
さしずめ、現代の特権階級はお金持ちか、推しに熱狂するフォロワーか。
ただし、性格の悪さを凌駕する程の、作品が素晴らしければ、だ。
そして当然の線引きとして、犯罪はダメだ。
映画監督のセ○ハラ問題とか、薬物や飲酒運転などは、枚挙に暇がないのが悲しい。
違う価値観で生きている人が多いので、それも含めて周囲が気をつけてあげることで、結局その人の芸術を守ることになる。
芸術家肌はカブレやすい
芸術家肌とは、性格とか感性や生きる姿勢などの、作品を作り出せそうな素養のところではないか、と思う。
ようは、作品を作り出せそう、な雰囲気がポイントで、その後作品になるかどうかは、人それぞれだ。
今までこの才能はすごい!と思っても、続ける才能が無くて、大成しなかった人を多く見た。
今芸術家やクリエーターとして活躍している人より、スタート地点ではもっと才能があった人がいたはずなのに。
特に兄弟間で、もっとも才能があるように見えた子供が伸びずに、二番手が大成するのもありがちである。
続かなかった子供は、ある意味才能がありすぎたのかもしれない。
集中継続には体力を使うし、環境が許すかどうかもある。
過敏な芸術家肌の人は、普通?の生活ではストレスが多すぎて、能力を発揮する前に潰れてしまうのかも。
芸術家肌の人は、生活が安定しないだけで、持ちこたえられない事が多い気がする。
きっと常識のある、良い人達なのだと思う。
他のことのできないタイプの「芸術家」なら、周りに何を言われても、それしかできないだろうから。
芸術家肌はカミソリ負けする
知人に、ドイツの某音楽コンクールで優勝したのに、才能の限界を感じて辞めてしまった人がいる。
素晴らしい芸術家だと思うのに、親の結婚しろのプレッシャーや、ヨーロッパで音楽家で生きていく不安が高じて、帰国した。
今は生活のために、大学で派遣の事務員をしているらしいが、今まで掛けたお金や時間の勿体なさに、涙が出るよ。
私の身内にも、音楽をやりたくて入った芸大を卒業して、なぜか女優の卵になった子がいる。
芸大に入って「本物」見て、自分の才能の無さに打ちのめされたらしい。
ここで引いてしまったのが、芸術家肌なのかな。
身内としては、自分を見極められるのは助かるけれど。女優が向いているかどうかは、これからだね。売れていないし…。
やはり、芸術家肌の人も保護すれば、世の中にもっと素晴らしい芸術作品が溢れるのではないだろうか。
ジャンルを変えても、創作し続けるということが、芸術家肌から芸術家への道だろうから。
そんな保護動物を応援するサポーターや推し活は、立派なメセナだと思うので、もっと広げるべきだろう。
芸術家肌の保湿
職業的な芸術家は、作品で収入を得られる人、になると思うが、例え趣味だとしても、作品を作り続ける人は、芸術家を名乗っても良いのではないだろうか。
芸術家って、自称が多い世界だし、言った者勝ちというか。
「職人」でも「クリエーター」でも良いけれども、まず自分で自分の才能を信じてあげることから、全ては始まると思うから。
私は、何かを作り出す人を、とても尊敬している。
そんな全ての芸術家とクリエーターを敬愛する、殊勝な心がけの私を褒めてくれた人がいた。
「字羅史さんって、芸術家肌よね」
ウギャ~~!?
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