【エッセイ】いつも荷物が多い私は
私のかばんは、いつも重い。
仕事の日でも、遊ぶ日でも。
かばんの中身をしっかりと見てみた。
スマホ、鍵、財布、ポーチ、傘、充電類、、
うーん、全部必要。
もしかしたらいるかも…
と思うとなんでもかんでも持っていきたくなってしまう私の性分が中身をどんどん重くさせる。
時間が経てば経つほど、なぜか
あれもこれも…と荷物が増えていくのが厄介だ。
それなのに、1番必要な持ち物を忘れる日だってあるのだからとんだ笑い話である。
世の中には2種類の人間がいると思っている。
準備を入念にするタイプのガチガチタイプか、
柔軟に対応できる臨機応変タイプか。
旅行に例えれば分かりやすいだろうか。
例えば2泊3日適度のプチ旅行に行く、となった時に果たしてどんな用意をするだろう。
最低でも2日分、多めに見込んで3,4日分の服や旅先で必要になりそうな「もしも」グッズ達を「もしかしたら」お土産を詰めるかもしれないと大きなスーツケースにどんどん詰めていくタイプ。
最低限必要なものだけ持って、なんかあったら買えばいい!と行き当たりばったりで出掛けるタイプ。
私は断然、「もしも」で溢れるガチガチタイプだ。
その場になくて困るよりは…と思うとついつい増えてしまう。
そして、その大半のものは使わなかったり。
だから、ふらっとタイプがものすごーく羨ましくて、憧れていて、嫉妬してしまう。
これが仕事にも影響しているのが厄介な話だ。
どこかへ電話する必要があるとき、私はガチガチにカンペを作る。
これがないと、心配で一言も話せなくなるだろう。
横の先輩をチラッとみてみた。
仕事が超できるハイスペック先輩は
メモ書きができそうな真っ白の紙と、
パソコン上に必要なものだけを表示させて
左手に受話器を持っていた。
自分をみる。
カンペで真っ黒の紙と、
よく分からない積み重なる書類たち。
整理しきれていないパソコン上のフォルダたち。
スマートだ。
まるでスマートを具現化した姿を表しているかのようだ。
なるほど、これが仕事が出来る人との差…
なんだか悲しくなった。
いつか私もカンペを見ずに話せる日がくるんだろうか。
怖くて仕方がない。
そんな私だが、たまーに荷物の多さに救われることもある。
今日、突然の雨が降った。
当然、傘を持っている私はなんの問題もない。
だが前を歩く青年はかばんで苦し紛れに頭だけ雨宿りをしながら小走りで屋根を探している。
突然の雨なんて、なかなか予測できないものだ。
よっぽどの凄腕気象予報士ではないかぎり。
天気予報をみていなくても私は常に傘を持ち歩く。
これが、、まあそこそこに重たいのだが。
でも、今日はこの傘に助けられて雨に濡れることなく帰ることができた。
良いこともたまにはあるものだ。
荷物が多いわたし。
それなのに、持ち物が抜けることだってある。
そんな自分を受け入れながら、明日の荷物を私は考えるのだ。
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