覚えられることと覚えられないことがある
昔アルバイトをしていたところにラッパーの男の子がいた
彼とは同世代
体はがっちりとし顔は年齢より少し老けていて黙っているとちょっぴり怖い
しかし細やかな気遣いができ話してみるととても良いこだった
彼は異常に漢字に弱かった
「〇〇って漢字の部首は◯◯っすよね」
と確認してくる彼
「うん!そうだよ合ってるよ」
「・・・」
「どうしたの」
「ちょっとケータイで調べてきます・・・」
とはけて行った
なぜなのか
前半のやりとりはいったい・・・
そこまで出ているのに何故というようなことは何度もあった
ある日彼は「海」という漢字を間違えて書いていた
それがとても可笑しくて私はみんなと一緒に爆笑してしまった
それも私はゲラなので崩れ落ちながら泣いて笑った
しかしふと彼をみると
「自分バカなんで・・・」
と切ない表情をしていった
それがまた可笑しくて笑ってしまった
私は悪いやつだね
ごめんよ
でもそんな抜けているところも彼の魅力のひとつだった
キャラクター感がしっかりしていて好きだった
愛嬌がありとても可愛らしい人だったと思う
ある日昔のアニメについて話をしていた
「おジャ魔女どれみ」の話になった
「変身の呪文が面白い感じだったよね。ピーリカピピララ・・・なんちゃらってやつ」
と私が言うと彼は食い気味にこう言った
「ピーリカピリララ ポポリナペーペルトっす」
まさかの完璧な呪文である
私は彼から出る意外すぎるセリフに爆笑してしまった
「えっと・・・ピーリカピピララ・・・」
「ピーリカピリララ ポポリナペーペルトっす」
彼が言う変身の呪文が面白くて私は何回かおかわりをしてしまった
「俺おんぷちゃんが好きでした」
「紫の子だね」
「そうです!ちなみにおんぷちゃんはプルルンプルン ファミファミファーっすね」
漢字には弱いけど変身の呪文は完璧に記憶していた
キャラクター感の強い人との雑談って本当楽しい
元気かな
また面白い人と出会えたら嬉しいな