ラーメン
故人消失、ありがとうございました。納得のいっていない結末だったかと思います。後日解説というかあとがきを出す予定なのでしばしお待ちください。
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人の期待は自分勝手だと思う。自分勝手だし、理不尽だとも思う。数年前にラーメン屋でバイトをしていたことがある、割と人気で、土日や年末年始などは死ぬほどの忙しさだった。オープニングスタッフだった、それで新人バイトを集めて研修が開かれた。企業理念やら、ハウスルールやら2時間みっちりの座学だった。その中でディスカッションをする時間があった。テーマがあって、それに対する意見やアイデアをみんなで出し合うというものだ。そこでのテーマは、「もう来たくないと思うラーメン屋とは?」だった。いろいろな意見が出た。清潔感がない。店員の接客態度が悪い。提供速度が遅い。美味しくなかった。などなど。でも、どう考えても自分は納得ができなかった、どれも一理はあるかもしれないが表面的なことでしかなくて、本質じゃない気がした。じゃあ本質は何か、期待を下回った時だ。だって、どれも基準が人によって変わってしまうからだ。同じラーメン屋に行ったとしよう、潔癖症の人が行くと、床に油があって少しぬめぬめして清潔じゃないと感じる、でもそれほど気にしない人は何も気づかずラーメンを食べる。ラーメン屋の店員は元気よく声を出しているべきだ、とかいうイメージに取りつかれた客が来て、普通の声で接客をしていると、接客態度が悪いと思うだろう。でもラーメンが食べれたらそれでいいと思っている客なら店員の接客態度なんてよっぽどのことがない限り気にしないだろう。速度にしても味にしてももう言うまでもない。人は口コミや、以前の自分の経験を当てにして物事の良しあしを判断する。これがすべてではないかもしれないが、判断基準の一つになるのは間違いないだろう。とりあえず食べれたらいいやと思って入ると意外とおいしくて、さらに日にちが経つと、この前食べたラーメン屋は美味かった!と経験が美化されていく。それであのうまいラーメンを!と思い、再びその店に行くと最初程の感動はなくて、なんだよそんなうまくないじゃないかとなる。ラーメンの味は変わっていないのに、だ。
人の期待はつくづく自分勝手だと思う。これが一軒の店や会社ならまだましかもしれない。いや、そこで働く人たちの売り上げ、もっと言うと生活にかかわるので小さな問題ではないのだが。でもこの勝手な期待が一個人に向けられるとそれは突然凶器に変わる。例えば、ある友達から今度遊ぼうよと誘われる、承諾すると、めっちゃイケメンな友達もつれていくから紹介する!と言われる。当日になって、楽しみに待ち合わせ場所に行くと、友達とそこそこの顔の人が待っていた。がっかりする。イケメンと紹介された人がかわいそうでならない。勝手にイケメンだと紹介され、勝手に期待され、勝手に落胆される。一緒に来た友達とも、遊んだ友達とも気まずくなってしまう。当の本人はただ一緒に遊びに来ただけなのに。心に傷がついても不思議ではない。
ここまではずっと期待のせいでがっかりする話をしてきた。それだけだと不平等なのでプラスな話もしておこう。つい先日、友達にプレゼントを渡す用事があり、その人の家に行った。プレゼントとは言ってもその人の好きそうなお酒とちょっとしたお菓子を入れただけで、プレゼントと言っていいかは謎だ。友達とは何度も会っているのでどんな顔か、どんな性格かもそれなりに知っている。ピンポンを押すと、はーいと言って出てきてくれた。マジで驚いた。いや見た目には出さないようにしていたが、もしかしたら出ていたかもしれない。マスクをしていたが、目元のビジュが爆発していた。可愛すぎる。仕事の合間に家に戻ってきていたらしいが、このビジュで仕事はもったいなすぎる。プライベートでこれだったら、間違いなくずっと見る。いや、さすがにキモイ。でもそれくらいにかわいかった。個人的な意見だが、前よりアイシャドウ?が少し明るくなったような気がする。アイラインも完璧といっていいんじゃないか?以前までの印象の数倍上を行っていて、その瞬間を見れたことに歓喜した。すぐ行かないといけない用事があったのであまり話せなかったが、できることならもっと話していたかった。そのレベルでやばかった。もともとない語彙力がマジで欠如した。加えて何がやばいかというと、性格がすばらしい。ビジュが加わったら敵なしじゃないか。
その友達とはマジでペースがあう、自己肯定感が低すぎることがあるが、尊大になったり、傲慢になったりすることがない。何か話すととにかくめちゃめちゃ褒めてくれる。面倒見がとにかくいい。自分の体調が悪くてもいつもこちらのことを気にかけてくれる。なんてすばらしい人なんだろう。自分がしんどいときも、話を聞いてくれて、一緒に解決策考えてくれたり、自分の意見だして良い結論だせるように助けてくれたり、夜遅くまで話してくれる。こんなやつに心配をしてくれる。一緒にご飯を食べに行ったときには疲れているだろうからと、栄養ドリンクとお菓子をくれた。差し入れなんて言っていたけど、これこそほんとの「プレゼント」だろう。ここに書いたところで本人には伝わらないだろうから、SNSか、会った時感謝を伝えよう。ありがとう。と。