見切りか?

 朝日新聞社は12、13の両日、全国世論調査を実施した。2022年11月14日岸田内閣の支持率は37%(前回10月調査は40%)で、昨年10月の内閣発足以降最低となり、初めて4割を切り、不支持率は51%(同50%)で、不支持率が支持率を上回るのは、3か月連続となった。
 他のメディアの世論調査の結果も同様の傾向で、NHKの世論調査も「支持しない」は46%、「支持する」は33%で、不支持率が多数を占め、内閣の支持率は低迷している。岸田首相も頭の痛いところだろうが、それに比べると与党の支持率は37.1(+0.2)と僅かに上昇しており、救いとなっている。
 しかし、見方によっては内閣支持率と与党支持率は同等と言える。今後も内閣支持率の低迷が続くと、与党の支持率も低下し、地方選挙や来年5月の統一地方選挙に影響を与えることになる。
 そうなると、岸田下ろしの動きが急速に高まる。党内の立場は不安定となり、退任に追い込まれ、次期総裁が取り沙汰され、与党内での内輪揉めが浮上する。今は次の首相の問題は表面化していないが、自由民主党はすでに岸田氏を見限っていると言われ、幹事長の茂木氏や政務調査会長の萩生田氏やデジタル大臣の河野氏の名が囁かれている。
 支持率は7月から低下した。これには物価高とコロナ禍が根底にあるにしても、直接的な原因は山上事件によって明らかになった国の根幹を揺さぶる旧統一教会問題である。これら一連の問題について決断ができないことに対し、総理のリーダーとしての危機管理能力が問われている。
 そこへ岸田氏は国民が強く反対し、旧統一教会と最も関係が深かった元安部首相の国葬を強行し、間違った判断をする人物とみなされ、わが国にとっては危険な人物としての烙印を押された。野党からも決断と実行と言うが、決断しない、説明しない、実行しない、もはや首相としての問題で、資質がないと批判を浴びている。
岸田氏の「ウィズコロナ」の方針は明確だが、医療を逼迫させない体制づくりが急務であるにもかかわらず、何の手も打とうとはしない。なんとなくマスクを外すとか、なんとなく都道府県任せで、そのくせ「go to」政策には熱心で、無責任の誹りは免れない。
 物価高についても、今年2月にロシアのウクライナ侵攻で小麦など原材料が値上がりすると、ガソリン補助金や小麦価格抑制に動いた。一方、今春から食料品の値上げラッシュが続き、年内2万品目の値上げが報じられても、消費者向けの経済対策は後回しである。国民の多くは国内生産製品を含めての一斉値上げは、国家ぐるみの物価高ではないだろうかと疑っているようだ。

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