国の税収が爆上げ中。
わが政府は国民全体からガッポリ取る消費税を導入してからずっと増やし続けてきた。その一方で、所得税や法人税は下げてきた。コロナ禍やウクライナ戦争の名目で、この1年ほど官製というか一斉に諸物価の高騰が続く。国民経済はひどく落ち込んで、国民は苦しんでいるというのに、税収が増加するなんて信じられない。
さらに消費税の引き上げや社会保障の削減など、財政再建の理由で、国民の生活を犠牲にしようとしている。それなのに歳入はどんどん増えていく一方で、その使途は不透明である。早急に物価や為替の安定化に努め、歳出の配分をもっと明らかにし、整理する必要がある。
2023年6月1日の財務省の発表によると、今年度(22年4月から23年3月まで)の税収は、すでに61兆5325億円に達した。このうち所得税は22兆4286億円、法人税は9兆7488億円、消費税は19兆2693億円だった。
まだ10%程度の未計算があり、今国会での解散・総選挙が近いと見られることから、何か思惑でもあるのかもしれない。最終的には6兆円~8兆円伸びる可能性があるが、不景気なら税収も減るはずなのに、昨年度よりも8.1%も増加し、過去最高の額になるというからびっくりする。
所得税、法人税、消費税のすべてが増加となった。22年度の所得税収は前年度より2兆1924億円(13.6%)も増えた。これは株式投資や不動産で利益を得た人が多く、高所得者への課税率が上がった点が要因である。
法人税は前年度より2兆4082億円(21.4%)も増えた。これには円安やエネルギー価格の上昇などによって輸出企業の業績が回復したことや、コロナ禍で落ち込んだ国内企業の利益が改善した点がある。
私たち全員が払う消費税は、前年度より9172億円(4.4%)増えたが、これは物価が高騰して消費税の支払いも増額したことで、国民は二重に負担することになった。10%の消費税は国民生活を圧迫し、所得が高い人ほど負担の割合が下がる逆進性がある。この逆進性は低所得者を苦しめ、食べることさえ困難な人々には過酷な課税で、不公平で不幸な税制だと言える。
22年度の税収は5月ぶんを加えて確定し、7月に発表する。財務省は68兆3590億円と、3年連続で過去最高を更新すると見込んでいるが、実際にはさらに上振れする可能性が高く、初の70兆円を超えるかもしれない。
こんなに増えるなら、すぐに国民に還元すべきだ。