高齢者の運転事故が目に付く。
2022年11月19日福島市で97歳の男性が運転する車は、歩行者が見えたので止まろうとしたが、ブレーキとアクセルを踏み間違えてしまい、約140メートル歩道を暴走し、4人に負傷を負わせ、42歳の女性を死亡させた痛ましい事故があった。
同月27日午前愛知県常滑市の店舗に、84歳の男性が運転する車が突っ込んだ。26日昼ごろ、神戸市のコンビニエンスストアに77歳の女性が運転する車が突っ込み、店内にいた客2人が怪我をした。運転の女性は事故の記憶がなく、気がついたら車が店に突っ込んでいたと供述した。16日午後、三重県松阪市の近鉄山田線の踏切で特急列車と軽乗用車が衝突する事故が発生し、運転していた高齢の男性が意識不明の重体に陥った。
高齢者は全体に反応が鈍く、認知機能も低下し、慌てると誤操作を起こし易い。この事実は加齢現象で何ともならないが、後期高齢者は75歳未満の約2.2倍事故が多く発生するのも頷ける。
一方で免許返納は進んでも、生活を送る上で運転せざるを得ない人も多く、自動車が日常生活の一つの手段となっている。わが国だけでなく、外国でも同じ状況だろう。米国で以前に何度も目にした光景だが、80、90の年代と思われるドライバーが古い型の大型乗用車のハンドルにしがみつくように、時おり道端に車が破棄された、半ば沙漠半ば草原の田舎の国道を運転していた。町やスーパーやガソリンスタンドまで20、30キロの距離があり、そこまでは何もない。わが国でも田舎で暮らす人は車の運転は必要不可欠である。
それでも75歳以上になると、免許を返納する割合が高くなるが、19年の後期高齢ドライバーによる交通事故は30459件で、原因としては1位操作不適で39%、2位安全不確認の20%、3位内在的前方不注意(漫然運転など)の16%、4位は外在的前方不注意(わき見など)の9%である。操作不適切はアクセルとブレーキの踏み間違いが最も多い。
それならアクセルとブレーキの位置を離し、ブレーキは足下でもアクセルはハンドルに装着するのも一法だろうと思ったことがあった。今は自動運転の技術も相当に進歩したので、前倒しで装備するのが良い。
わが国では安全運転サポート車があり、高齢運転者を含めたすべてのドライバーによる交通事故 の発生防止と被害軽減対策の一環として自動ブレーキなど複数の運転支援機能を備えている。
とくに誤操作による事故対策として、「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置」は、
自動車メーカまた部品用品メーカ等から種々の認定装置が発売されている。これらに最新の技術を加えた安全装備はかなり効果が期待できる。事故防止を本気で考えるなら、すぐさま標準で装備する。
いずれ自動運転の時代が到来する。