道路工事の謎。

 現代社会においても解決されない問題の一つである。公共事業、とりわけ道路工事に対する批判は根強く、その必要性や効果について多くの議論を呼んでいる。現代ではインフラが整備され、人口減少が急速に進む中で、道路の建設や整備が地域経済にとって無駄であると考える人が多い。
 地方都市では同じ場所での繰り返しの補修工事や道路拡張、実際には使用されていない歩道や橋の建設が行われている。これらの工事は税金の浪費として見なされることが多く、愛知県瀬戸市や秋田県能代市、島根県太田市など全国のあちこちでこういった話が聞かれる。
 一方、地方都市では若い世代の流出が著しく、人口の過疎化が進んでいる。公共事業に多額な予算を投じるくらいなら、市民の生活を支援し、子育てや地方創生の予算を増額する方が遙かに有益だという意見が圧倒的に多い。
 しかし、自治体は街中の道路の整備工事や改良工事が人と自動車の安全な通行には必要だと主張するが、実際には無駄な工事も多い。間欠的でも、工事が20年も30年も継続するというのは、道路工事愛好家でもいるのだろうか、その道路や歩道が本当に必要かという批判の的となる。
 これには上は国会議員や下は町内会の会長、有力者などが絡んで、利権が動いている節がある。そのために狭い町内では賛成派と反対派が対立し、役人、会長や有力者の恣意が優先し、しかも、地元の信用金庫や銀行などが絡んだり、訴訟となる場合もある。
 やはり、公共事業の統計によると、無駄使いの中で男女共に圧倒的に1位となったのは道路工事である。個別意見によると、毎年同じ所を整備している、片側は川で道路の両側に歩道を作る必要もないのに建設している、立派な橋や歩道を作っても頻繁に人が歩いているのを見たことがないという意見がある。極めつけは予算消化のために余計な工事や年度末・年末の工事で、不信感を増幅させる。
 デフレ脱却による物価が異常に高騰する中、これに加えて自由民主党の国会議員の裏金による政治とカネの問題を巡る衆院議員選挙の最中、こんな話を聞くと、激しい怒りが込み上げてくる。
 全国に怨嗟の声が満ち満ちている。

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