生活意識について。
2024年1月17日、日本銀行が発表した23年12月の「生活意識に関するアンケート調査」の結果によると、ボーナスで一服できたせいか、暮らし向きが改善したという回答が増えた。しかし、この結果は必ずしも消費意欲の回復につながるものではない。
22年3月に始まった歴史的な物価高によって、消費者の心理的な不安や慎重さは依然として高い水準にある。また生活水準に対する満足度も低下し、消費者物価指数も前年同月比で0.5%上昇するにとどまり、デフレ圧力が続いている。
日本銀行の重要な役割は物価の安定を図ることで、わが国は長年にわたってデフレの傾向が続いてきたが、それなりに上手く経済を回してきた。デフレは物価が下がり続けて、経済活動が低迷するとされるが、やり方によっては安全運転と言える。
しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックやロシアのウクライナ侵攻などによる経済情勢の変化や流通の渋滞によって、物価が上がり、これがそのままインフレに移行した。
政府は賃金の引き上げを行わないで、生活が苦しい時期にインフレなど全く必要でもないのに、この機会を狙って、抜き打ちに物価を一斉に大幅に上げ、デフレ脱却の大合唱である。中身が伴わない数値の膨張は、国民に豊かさをもたらすものではなく、また幸せにするものでもない。
このような状況下で、100円ショップやディスカントストアなどの安価な商品を提供する店舗は、以前よりも多くの客で賑わうようになった。これらの店舗は国民の節約志向や消費行動の変化を反映している。
インフレは物価が上がり続け、お金の価値が下がり、生活費や借金の負担が増える。インフレはデフレよりも深刻な経済問題で、さらに消費が低下し、経済成長を阻害する可能性が高い。
政府はインフレを抑制するために、量的・質的金融緩和をやめて金利を引き上げる必要がある。これに加えて消費税を廃止するのが有効である。この究極な場に及んでも、政府は予算を無駄遣いしており、国民負担率48%に加えて、さらに国民から税金や負担金を搾取しようとしている。
最近、予算の無駄遣いが眼に余る。本来、財務省は国の予算と財政を管理する役割があるが、政財官一体となって、頻りに乱費していると思われて仕方がない。例えば、東京五輪や大阪万博、港湾や道路の公共事業、再開発事業、半導体産業の育成、原子力発電、公務員の給与や退職金の高額化、政治資金問題などがある。
何か大きな矛盾を痛感する今日この頃である。