大学の現状と将来について。
2024年9月13日、日本私立学校振興・共済事業団は、今春の大学入学者数が定員よりも少ない「定員割れ」の私立大学が過去最多の354校(前年度320校)に達し、全体の59.2%(前年度53.3%)に上ったと発表した。
この状況は18歳の人口の大幅な減少などが影響していると見られている。人口減少が進む中でこの状況は予想されていたものの、文部科学省は新設を認め続けてきた。大学経営もビジネスの一つとして考えると、こういったことも仕方がないかもしれない。
1990年頃から大学の新設ラッシュが始まり、入学定員数も大幅に増加した。大学数の推移を見ると、90年には507校、2000年には649校、10年には778校、20年には795校となった。
人口は減少しても、進学率は高くなっていたため、大きく定員割れをする大学は少なかった。しかし、新設大学の多くは学術水準が低く、地方の私立大学が多いため、学生の人気も低い。
同事業団によると、回答のあった598校の集計を分析すると、50万3874人の入学定員に対し、入学者数は49万4730人で、入学定員充足率は過去最低の98.2%だった。
100%未満を2年連続で示し、今後も少子化によって学生数の減少が続くことから、定員割れとなる大学が増えることが予想される。定員数より入学希望者数が少なくなってきたため、定員割れは当然の結果と言える。
旺文社教育情報センターによると、2024年度の日本の大学数は796校で、前年度から3校増加し、私立大学が74.4%を占める。新設された大学は北海道武蔵女子大学、仙台青葉学院大学、愛知医療学院大学、高知健康科学大学の私立4校と、東北農林専門職大学の公立1校の計5校である。一方で、募集停止となった大学は恵泉女学園大学と神戸海星女子学院大学の私立2校を数えた。
また大学統合の流れもあり、今年10月には東京医科歯科大学と東京工業大学、25年4月には桃山学院大学と桃山学院教育大学、26年4月には学習院大学と学習院女子大学の統合が予定されている。
さらに学力に関係なく外国人留学生を入学させている私立大学が多いと言われている。それでも定員割れが続くのは困った問題である。大学数を半分程度に減らすことも一考である。
現在の大学は学問よりも就職のためのものであり、低ランク大学での4年間は時間と金の無駄である。高校卒業後半分は働いて、半分は手に職を付ける仕事をしながら、2~3年で十分な給料を得る先端的な技術者、職人として活躍する方法も考慮すべきである。