追いかけていたものは、夢ではなく幻!?圧倒的「キラキラ」に目が眩み夢を諦めた話
SNS上で他の人の「キラキラ」した投稿を見て落ち込み、自己肯定感の下がった気持ちになってしまう。そんな内容の投稿をTwitterで目にすることがあり、思い出した過去の出来事があります。
その始まりは5年近く前のこと。フードコーディネーターというものを目指して勉強し、資格を取ったものの、夢叶わず挫折したというものです。
この記事は、そんな過去の経験を成仏させるつもりでつらつらと書いています。
ちょっとダークサイドな話です。ヘッダーの写真のようなバーで強いお酒を交わしながら、語っちゃうような話です。
落ち込んでいる方は閲覧注意!
もっと楽しい記事読んだ方がいいですよ笑
フードコーディネーターとは?
そもそも前述した「フードコーディネーター」とは?
私が資格を取得した協会での定義は以下の通りです。
つまり、食の業界において新しいことを考え、作り、繋げて行くお仕事です。
主にこのフードコーディネーター協会の資格を持ち、活動している方々が「フードコーディネーター」と名乗っていることが多い様です。
その幅は広く、大手の食品メーカーでの商品開発から小さな畑の野菜を広めるためのレシピ作りまで手がけている方もいらっしゃいます。
「夢」との出会い
私が最初にこの職業を知ったのは、著名でレシピ本を何冊も出しているフードコーディネーターさんのブログでした。素敵な料理写真と共に、その方が過去に通われたフードコーディネータースクールの生徒募集についての情報が書いてありました。
当時私は都内の食品会社の事務として働くOL。
元々細かいことが苦手で、仕事では失敗ばかり。正直全く仕事にやりがいも感じずモヤモヤしていました。
そこで出会った同じ業界のクリエイティブな職種。ピンと来て、すぐにネットで詳しい仕事内容について調べました。
素敵なテーブルコーディネートや料理の写真、みんなに愛されるレシピ作り、そして目新しい商品企画。
元々企画提案的なことに興味を持っていた当時の私。やってみたいことが詰まったこの職業は、非常に魅力的に映りました。
「フードコーディネーターになりたい!!ゆくゆくはフリーで活躍したい!」
そう強く思ったものの、すぐにアクションに移すことができず、悶々と情報収集をした後、思い切って都内の前述したスクールとは別のスクールに入学したのでした。
夢に向かってスキルアップ
スクールに通っている日々はワクワクの連続でした。週5日フルタイム+残業多めの勤務後の土曜日朝からの授業も苦ではありません。
食材に関する基礎知識、レシピ作り、テーブルコーディネート、食品を魅力的に撮影する小技、マーケティング、飲食店の経営の基礎知識。どれも目新しく楽しいことばかり。知識をモリモリと学んで行きました。
スクールの先生に料理の腕がいまいちと言われたことをきっかけに、別で平日の夜に料理教室にも通いました。
そして、半年間の受講や勉強の末、フードコーディネーター3級の試験にも合格。
合格がわかった時は道が開けた気がしていました。
新たな道を歩み出す…はずだった
しかし、問題はその後です。
スクールをを卒業し、試験も合格。しかし、全くその先の次が見えなかったのです。
とりあえず、インスタグラムに料理写真をアップしたり、某レシピ投稿サイトにレシピをあげてみたりコツコツをアウトプットを続けてみました。ほとんど「いいね」もつきません。
会社で自分が事務として担当している商品について、初心者なりにマーケティング的に分析し、休日返上で次の展開について考え、プレゼンテーションもしました。何が悪かったのか、担当の方からは何のリアクションもありませんでした。
所属したいたスクールで単発のお仕事に紹介もありましたが、会社が副業禁止だったので、そちらは全て見送りました。
活躍しているフードコーディネーターさんの弟子になるという手もあるという情報を得ましたが、安定した職を手放してそこに飛びこむ勇気もありません。
どうにもこうにも次の一歩に踏み出せず、歯痒い気持ちと自己嫌悪だけが積もっていったのです。
圧倒的キラキラに目が眩み
そんな折に、冒頭のフードコーディネーターさんのトークショーの情報を得ました。何かヒントが得られるかもしれないと思い、即申し込みをしました。
そして、トークショー当日。平日夜の開催だったので、そそくさと仕事を切り上げ、急いで会場に向かいます。表参道の会場は私の勤務地からはアクセスが悪く、小走りで会場にギリギリに到着。
素敵に飾られた会場の、低めのステージに上がってきた憧れのフードコーディネーターさん。インターネット上の写真で見ていた通り、美人で笑顔の輝く方でした。
と、最前列にいた私と同じ年代の女子たちがキャッキャと親しげにフードコーディネーターさんへ手を振り、彼女もステージの上から女子達に少し照れたように手を振り返しました。
彼女達はそのフードコーディネーターさんの主催する料理教室の生徒さん達。ふわっと巻いた髪。ラメっぽいけど上品なお化粧が目を惹きました。
一方私は、日々鬼のようにかかってくる電話をしながらのパソコン作業に集中できるようにしっかりめのポニーテール。走ってきたので化粧は汗でどーろどろ。
そのキラふわ女子達との差に開始1分でジェラシーとコンプレックス沼に入った私ですが、トークショーが始まると気を取り直し、必死で耳を傾け、配られた資料にメモを走らせました。
トークショー終了後には、フードコーディネーターさんに握手をしてもらいました。キラキラ生徒さんやスタッフさん達に囲まれた彼女の最上級のキラキラのスマイル。目の前にいたのに、ステージにいた時よりも彼女が遠く感じました。
多くのお店の明かりで照らされる表参道の帰り道。心には一抹の違和感が残っていました。
夢が幻だったと気づく
家に帰ってからもメモしきれなかった言葉を忘れないように同じ資料の上に落として行くことに。
が、その過程で違和感の正体に気づきます。
きっかけはトークショーで出てきたフードコーディネーターさんのこのような言葉。
「私は、確信の持てない道には進まないようにしています。最初にヒットしたレシピ本も、周りから何と言われようとも、必ずこれを必要とする人がいると確信していたから最後まで諦めませんでした。」
一体私は、「フードコーディネーター」になって何がしたかったのか。レシピ作りや料理写真など学んできたけれど、一体それらスキルを使って何を世に出したかったのか。その具体的な、それこそ確信を持てるような中身が全く無かったのです。
心の中にハッキリとあった学ぶ理由。クリエイティブな職につきたい、いつかはフリーになりたい。というくらいでした。
正直、ずっと薄々勘づいていたことではありました。きちんと正面から向き合ったことで、ずっと夢だと思って追いかけてきたものは実体の無い幻だったと気づいたのです。
絶望というものをはっきりと感じたのでした。
その後と今
その当時既に結婚していた私。30歳を目前に目指すものがなくなった焦りから、今度は転職活動を始めます。が、それも1ヶ月程度で挫折。直後に第一子の妊娠が分かり、それまで続けていた料理写真も何もかも辞めてしまいました。
それから約3年後。
今度は、SHElikesというオンラインのキャリアスクールでライティングやデザインの勉強を始め、現在も続けています。
始めた時、ずっとフードコーディネーターを目指していた私(実は第一子出産後半年程、別の資格取得のために勉強していたが、これも挫折していた私)をみていた夫は少し呆れた顔で「今度は中途半端にならない様にね」と言いました。
気づいた自分の本当の「軸」
あの頃、フードコーディネーターになって世に伝えたい中身がないと夢を諦めたわけですが、決して今もライターやデザイナーになって「絶対にこんなことを伝えたい!」という確固たる中身があるわけではありません。
あるのは「自分のペースを大切にしながら、旅などの好きなことでお金を稼ぎたい」という思いだけ。
そう、「いつかはフリーで」というあの頃の未来図と手段は異なれど軸はほとんど変わりません。
中身がないと思っていたのは少し間違いだったかもしれないと今では思っています。
憧れのフードコーディネーターさんのような対外的で素敵で強固なビジョンでは無かっただけ。
ついでにいうなら、あの最前列の生徒さん達の様に彼女の教室に入ってキラキラになりたいとも思えませんでした。それもまた私の目指すものと違ったのでしょう。
苦手な事務作業中心の働き方から少しでも自分が好きと思えるクリエイティブな働き方に移行したい。もう少し自分のペースで働きたい。それも立派な自分の軸だったのかもしれないと今になって思います。
ただ、あのトークショーをきっかけにフードコーディネーターとして働きたいという思いが簡単にあの時断ち切れてしまったのも事実。また目指したいとは思っていません。
ただあの時に学んだことは必ずどこかで活きてくるだろうなという予感はしています。
眩しいと感じるのは光の方を向いているから
SHElikesはオンライン中心のスクールですが、受講生同士の交流が盛んです。
周りを見渡せば、すぐに沢山の「キラキラ」な女性達が目に入ります。
私よりずっと年下だけど、頑張ってどんどんとビジネスを広げていっている方。うちの子達と同じくらいの子供達をかかえて、フリーランスとして活躍している方。
時々また目が眩みそうになるけれど、そういう時は一度立ち止まる。
SNS中心の交流なので、SNSから離れる。好きなことをする。自分の軸を思い出すために、日記やnoteでアウトプットをする。筋トレやウォーキングをして身体を動かす。
自分だけの軸や、時にはその時の好奇心を元にまた次の一歩を踏み出したくなったら取り組みます。
そうすることで、誰かの実績の表面上からとってつけたものではなく、自分だけの道を歩むことができると思っています。
自分の道を歩き始めていると、その「キラキラ」は自分が目指していることや憧れがあるからこそ感じる光だと気づくのです。
例えば、「あ、私この人みたいにもっと仕事したいんだなー」と。そうしたら仕事をするにはどうしたらいいか、具体的な行動を考えできるところから実行します。
夢は破れど人生は続く。最悪またこの夢も破れたって死にはしないさ。でも、腐らず楽しく生きてくために少しでも心惹かれる方向へ目指して、これからも歩き続けたいと思っています。
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