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お月さま

花鳥風月の順に良さを知ると、人は死ぬという。

本日、2024年10月17日は、365日の中で最大の満月を見ることができるはずなのだが、あいにくの空模様で月は曇に覆われている。素晴らしい日常写真を収めるべく愛用しているiPhone15 Proも、今回は活躍の場を失ってしまった。非常に残念だ。

冒頭に記載した言葉は、少し前にSNSで流れてきたものだ。目にした時は、「なんてロマンチックなのだろう!」と胸をときめかせたが、詳細を調べてみたところ、「年を重ねる毎に良さがわかる対象の順」であり、そこまで詩的なニュアンスは含まれていないようだ。

幼い頃から、月が好きだった。闇夜に煌々とした月が浮かんでいると、「こんなにも静まり返った空間に、特別な光が差し込んでいる」とワクワクしたものだ。それは、お化け屋敷やお泊り会で味わう高揚感に近いかもしれない。

漫画『笑う吸血鬼』に、以下のような台詞がある。

「子供の頃から不思議に思っていた事がある」
「月は本当に衛生だろうか!?」
「月は衛星ではない」
「あれは空にあいた穴だ」
「向こうの世界の光が穴からもれているから光って見えるのだ」

丸尾末広『笑う吸血鬼』

ずっと、世界に窮屈さを感じていたが、月は外界に繋がる通り穴なのだと思うと、腑に落ちた。

月明かりは、希望の輝きなのだ。

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