左々の女
それは遡ること6年前のことです
当時の自分は遠征するのが生き甲斐で推しがライブするならすっ飛んでいくようなフットワークの軽さで見に行ってた、あまりにもフットワークの軽さのせいで当時の自分を例えるとフッ軽番長とあだ名を友人からつけられるくらいあちこちに行ってた。
そんな自分の珍事件の話
福岡在住の自分は大阪で推しがライブをするという、しかも少し敷居の高いところで行われる。ビルボード大阪で行うということで行ったことのないオトナの空間で推しに会いに行く。
「これはもうめかしこんで行くしかない!敷居高めの大人っぽい空間で奏でる音楽を聴きながら飲めないお酒を飲んで楽しむ、、最高じゃん…」
そう思った当時22歳の自分はめかしこむためにメイクやらネイルやら色々こってもまだおぼこな考え方で限られた予算の中でめかしこむ準備に勤しんでた。
あと3日で遠征。時間がない。ワンピースとかあまり着たことないのに買った、ちょうどその下のセールのブーツも買った、いいかんじ。
遠征当日
午前中の仕事を済ませて新幹線に飛び乗りビルボード大阪へ。慣れないブーツで足が痛いけどワクワクした気持ちが勝って痛みもどうでもよかった。現地で友人と合流。友人と推しがよく来るカレー屋で遅めのランチを食べる。聖地に行けたことが嬉しかった。
その後会場へ。2回公演となっており自分は1回目の公演へ。初めてのビルボード、周りはお洒落な大人の方々ばかりで自分は緊張してすっかり小さくなってしまって、でも楽しみな気持ちももちろんどんどん大きくなっていました。
開演して、ワンドリンクはコラボドリンクを頼み飲みながらひとときを楽しんだ。推しは輝いてた、夜のデートかなと思うくらい胸がときめいた。
公演があっという間に終わりそこから夜行バスで福岡へとんぼ帰りへ。夢のひとときから一気にバスの席へ。お酒弱くて酔っ払いながら全力で走ったので足がパンパンで悲鳴を上げてる、でもいいんだ、推しに会えたから。すごい走った後で酔いが回ってクラクラしてるしはちゃめちゃ足が痛いけど推しと同じ空間を共有できたからオールオッケー、そう思いながらバスの中で眠りについた。
あのライブから1週間。
夢のひとときから1週間。
玄関にあの夢のひとときを一緒に駆けたブーツを揃えて置いてる、
けど何故か変。
ブーツがクロスしてるように見える。
靴を並び替える。
やっぱり変。
とりあえずブーツを履いて出かけた。
足が痛い。
なんで??1週間たっても足が痛い
疑問を抱えながら靴を持ち上げてみた
両足左やん…
あの時買ったブーツは両足左足だったのだ。
SALEでたくさん出されたブーツをよく確認しないまま履いて大阪へ行きその足で走って夜行バスに乗って福岡に戻ってきて1週間たった今気付いたのだ。
友人と家族に話したらしばらくは「左々(ひだりひだり)の女」としばらく現場でも呼ばれました。なんなん。
じゃ、右足はどこに行ったのでしょうかね…右々の女もこの世界のどこかにいるのでしょうか?
シンデレラも12時の鐘の音で魔法が消える前に帰る時は片足ガラスの靴を置いて帰ったけど、そもそも自分の場合にはどちらもおんなじ左足だから片足置いて帰るにも両足片足みたいなもんなのだから片足で福岡から大阪まで帰ったようなものなのか?ともあれ気付かない自分がアホすぎてこれは後世にネタにしていきたいと思いnoteにまとめました。
各めかしこむ予定のオタクの皆様、遠征前はちゃんと確認して準備しましょう。
私みたいに左々の女になりませんように。
そしてブーツが右々の方いたら教えてください
(多分いない)