テンポ電源と面取り電源、それぞれの適性についての考察~私の8電源ミラーウォリアーズは何故弱いのか~
こんにちは。前回ミニーループについての記事を書いてから早いものでもう3ヶ月が経ちましたね。今回はこれまでの記事とは少し趣向を変えて、特定のデッキについての解説をするのではなく電源デッキという広いテーマから考察をしていきたいと思い、筆を執った次第です。というのも、先日“ミラー・ウォリアーズ”ジャック・スパロウに一目惚れして8電源ミラーウォリアーズを独自に構築してみたのですが、どうもこれまで使ってきた1000/1デッキとは勝手が違うと感じまして。これは電源というカードそのものの理解度を上げる必要があるのではないかと考え、これまで活躍していた8電源デッキは何故強かったのかを分析することでミラーウォリアーズに限らず普遍的に電源デッキの扱い方を改善できると思い至ったからです。私はこれまで1000/1デッキしか使ったことがなく、電源デッキに触れたのは今回が初めてですので、初学者なりの考察になるかと思います。これまで8電源を使ってきた先達である皆様におかれましては「こいつ今更浅い事を言いやがって」などと思われるかもしれませんが、どうか温かくスルーして頂ければ幸いです。
電源というクライマックスについてのお復習い
まずは初学者らしく、電源というクライマックスがどのような性質を持っているのかを確認していきます。これに関しては既に詳しく解説されている方がいらっしゃったので、引用する形式でまとめる事にします。
よく「電源は貼るより捲る方が強い」と言われますが、これは貼っても捲っても効果が同じなら捲った方が手札が減らないぶん優位であるという意味なんですね。
そして電源はアドトリガーですが、増えるのは手札ではなく盤面のキャラです。手札7枚の状態で扉や宝や門をトリガーしても手札上限超過で結局アドにならないように、盤面に既にキャラがいる枠に電源でキャラを出しても手札のアドにはならないんですね。電源がトリガーしそうな時は後列を空けてアタックした方が無駄になりにくいと覚えておきましょう。
電源デッキではレベル2でレベル3のキャラが出せるので、レベル2帯で長く留まるほどデッキのレベル3キャラで戦える期間が長くなります。盤面上のミスマッチを仕掛けることで相手に負担をかけられるのが電源の強みなので、一般的に先上がりすると有利だと言われます。
以上が電源についての簡単なまとめでした。
電源デッキでは手札が増えにくい?
さて、電源デッキを使う上で避けては通れない特有の悩みとして、手札の増えにくさがあります。このゲームではターンのはじめのクロック2ドローで2枚増え、3回アタックすると手札は3枚消費されるので仮に3面踏まれてしまうと毎ターン手札は1枚ずつ減っていきます。よって何かしらの方法でもう1枚手札を補充できなければいずれ手札が枯渇してしまうことになります。その方法とは例えば集中、オカケン、天城、共鳴3ルック、オンステシリカなどが挙げられます。最近は灯織というパワーカードも出ました。手札が増える0連動や1連動でも良いですね。後列の空き枠に電源でキャラを出すのもアリです。最悪3コストアンコールでも構いません。ですがここで大切なのは、何かアド稼ぎシステムカードが後列を埋めると電源でキャラを出す枠が1枠しか無くなるという事です。この状態で電源を手貼りしてしまうと、トリガーした電源がアドにならないというのは先述したとおりです。これが8電源と集中との相性が悪いと言われる所以ですね。集中が常駐する8電源デッキでは電源の手貼りはアド損になりやすい行為だと覚えておきましょう。しかし電源を手貼りしても手札を維持しやすい8電源も存在します。それらに共通するのが、後列が手札を増やす仕事をした後で何かしらの形で手札に返ってくるという点です。以下に幾つか例を出します。
これらを持っているタイトルは手貼り電源が許容されるという大きな強みがある訳ですね。
このツイートは8電源ミラーウォリアーズを使い始めてすぐの頃の私の嘆きなのですが、この時は手貼り電源がアド損になる可能性のある行為だと理解していなかったので手札が全然増えず、構築もプレイングも迷走していました。後列で手札を増やせないので、それ以外の手段で手札を増やすべきだと気づいたのはそれから少ししてからですね。以上から、選ばれし一部のタイトル以外では手貼り電源は手札損失とのトレードオフだと理解したプレイが求められると言えます。
テンポ電源、面取り電源とは
ここではテンポ電源、面取り電源という言葉の定義について認識を明確にしておきます。これらは8電源デッキのうちどのように電源を使う性質のデッキかを大きく2種類に分類した言葉です。テンポ電源と呼ばれるデッキは空いた後列に次のターンのアタッカーを出して前列のキャラをアンコールなどで維持し、毎ターン相手の盤面をきっちり3面処理し続けることで盤面形成の立ち上がりを妨害して相手に負荷をかけるデッキタイプです。五等分やシャニマスなどがこちらに該当しますね。一方で面取り電源と呼ばれるデッキは後列に応援などを出すことによって返しのパワーラインを高くし、前列のキャラが生き残りやすくすることで相手にパワーの高いキャラを要求して負荷をかけるデッキタイプです。テンポ電源では相手に踏まれる事をある程度許容する代わりに自ターンでは絶対に相手のキャラを踏むという気概を持った構築になっている印象が、面取り電源では相手に踏まれないことを前提として構築されていることが多い印象があります。これらを踏まえてそれぞれの適性について述べていきます。
テンポ電源の適性とは
空いた後列にトリガーした電源でキャラを出すというのは強力なアクションですが、トリガーはあくまで運の要素が絡むので電源をトリガーする確率を高めることが求められます。よってアタック時2ルックやツインドライブを持ったアタッカーが複数いるとテンポ電源の適性が高いです。これらの効果はドラが乗りやすくなるという副次的な効果もあるので、面取り電源よりダイレクト面を得にくいテンポ電源では重要度が高いです。トリガーした電源で空き枠にキャラを出すと言う行為そのものがアドの行為なので、上で述べたような手札に戻るアド源は無くても手札が持つ事が多いです。後列を空けていると後列からのサポートが得られないので、自ターン中に単体でのパワーが大きく、また踏まれてもアンコールなどで維持できる必要があります。2/2二乃や2/2愛依などが代表的ですね。手札アンコールで残すという動きの性質上、返しのパワーより行きのパワーの方が重視される傾向があり、テンポ電源では手札の数よりむしろ場持ちの良さが求められているように感じます。そしてもう一つの重要な要素として、面取り電源と違い盤面を取ることが勝ちに直結しにくいため強力なフィニッシャーか強力な防御札が無ければゲームを勝利まで持っていくのは難しいということを覚えておきましょう。
以上をまとめると、
メインアタッカーがアタック時2ルックやツインドライブなどを内蔵していること、または手札に戻るアド源が存在すること
メインアタッカーをアンコールなどで維持しやすいこと
自ターン中の単体でのパワーが高いこと
強力なフィニッシャー、または強力な防御札があること
この4つがテンポ電源の適性だと言えます。
面取り電源の適性とは
これとは対照的に面取り電源では一度盤面を処理されてしまうと後列の応援では面を取り返せないため、踏まれる事を許容できません。よってその環境そのレベル帯で最高のパワーラインである必要があります。例えばチェンソーマンの岸辺が多い環境ではホロライブの1/1/9000ポルカや1/1/8500エリスは不利だと言えば分かりやすいでしょうか。
但し、ただのデカいバニラが盤面に居座ってもそこまで強くなく、ただ面を取れさえすれば良いという訳でもないのが難しいところです。従ってアリスギアの夜露やホロライブのルーナなどの盤面に居座り続けることで更に仕事をするキャラが採用される事が多いです。無職転生のパウロもこれにあたりますね。最近はホロライブのねねなどの楓ルックがトレンドのようです。更に言えば盤面を維持し続けることさえ出来れば防御札が無くても良いケースが見られます。防御札がないアリスギアやはあちゃまビームを没収されたホロライブが平気で戦えていたのが良い例ですね。
テンポ電源と違って電源のトリガー有無は左右できない事が多いので、手札に戻るアド源はほぼ必須と考えた方が良いでしょう。もしくは上位後列が集中などを内蔵していると手札が枯渇しにくいですね。トリガーした電源は棚ぼたでしかないので、応援吊り上げや前列貼り替えなど盤面の強化に使われる事が多いです。盤面の維持をできるか否かが勝敗に直結しやすいので、プレイヤーには助太刀などを積極的に拾うプレイングが求められます。
ソウルを伸ばす手段が相手からダイレクト面を貰う事くらいのため、そういった意味でも面取りに全力を傾ける必要があります。
以上をまとめると、
その環境でのそのレベル帯で最高のパワーラインであること、要は環境を定義するパワーラインであること
面を取ったキャラが盤面に居座り続けることで更に仕事をすること
手札に戻るアド源が存在すること
助太刀などを拾いやすいこと
この4つが面取り電源の適性だと言えます。
8電源ミラーウォリアーズ調整記
ここからは私が調整してきた8電源ミラーウォリアーズの構築の変遷を紹介し、これまで述べてきた内容を踏まえて、何故私が使う8電源ミラーウォリアーズは弱いのかを分析します。
まずこのデッキを構築するにあたって主軸に据えたいと考えたのは2連動ジャック、3連動メリダ、そしてジャック・スケリントンの3種類です。8電源デッキにおいてツインドライブが強いという認識は最初から持っており、しかもそれが高レベルアタッカーであるという点からテンポ電源として高い適性を持っているのではないかと考え着手しました。8電源では弱いキャラから順にアタックするという定石と、ツインドライブは2パン目以降の方が強いという特性が噛み合っていると考えたわけです。しかも全体アンタッチャブルのジャック・スケリントンを電源で早出しできるため早出しメタやバウンス、ハイライトなどが効かないという点は他のタイトルにない強みだと考え、まず次のような叩き台が出来上がりました。
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