考える力
考えること、そのものが、嫌いじゃない。むしろ好きな方だと思う。
それはたぶん、中学生の時に通ってた塾の数学の授業の影響だと思う。進学塾だったので、解く問題は基本的にラサールや灘なんかの、名門と言われる高校の受験問題。これが、驚くほどわからなくて。何もできない。何から手をつけていいかわからない。
とりあえず、手を動かして、わかってることを書き出して見るところから始めてみたら?と言われて、言われるがまま始めてみたけど。全く何もわからない、って思ってた問題が、あ、ここ、こうしたら?って思いついて、それをヒントに考えて、違って、また振り出しに戻って。そんな方法なので1問解くのに軽く数時間。。
当時の生活は、土日が塾だったので、月曜から金曜は、学校から帰ってきて、ご飯食べてお風呂入って8時くらいに就寝。2時、3時くらいに起きて6時まで勉強。ご飯食べて学校(部活してて朝練あった)。なので、1日1問解けるかどうか、みたいなものすごく効率の悪いやり方。
ただ、それを半年くらい続けてると、不思議と問題を読んでわかってることを書き出してると閃く時間が短くなっていって、だんだんスピーディーに問題が解けるようになってきて。受験前には、ほとんどすべての数学の問題が解けるようになった。
たぶん、あたしにとってこれが成功体験で、考えることが好きになったような気がする。もともとそんなに嫌いじゃなかったからできたのかもしれないけど。
このおかげで、地道な努力もあんまり苦にならない。いつか絶対正解が見つかる、間違えてたら戻ればいい、ってことを数学に教えてもらったから。
答えを教えてもらって、答えから考える、っていう方法ももちろん有効だし、とくに初めのころはものすごく効果があると思うんだけど、自力で考え抜く、っていうのも同じくらい大切だなと。
この頃、本当にものすごく考えたおかげで、高校2年生から3年生の夏にかけてほぼ学校行かず、卒業も危うかったところから、大学受験することができた。
よし、大学いこう。って思ったのが高3の夏で、その時受けた模試の偏差値、たぶん40ないくらい。とりあえず数学やろう。って決めて、1週間に1冊くらい問題集解いて、わかんないところを教えてもらって理解したら、同じ問題集もう1回解いて。全問正解したら別の問題集解いて。
数学の先生にものすごくセンスいいね。って褒めてもらったけど、中学の時に数学でひたすら考えた財産だと思う。まぁ、英語は壊滅的で、中学2年生レベルって言われてたけど。。
大学受験は運も味方してくれて、関西大学に受かったけど、ホントにこれは運と、支えてくれた友達や学校や予備校の先生方のおかげ。高校は受験するって決めてから、好きなように勉強させてくれた。ほぼ授業なかったのもあるけど、別の科目の時に問題集解いてても放っておいてくれた。友達もイジメみたいなことせず好きにさせてくれた。予備校は勉強する場所を提供してくれて、質問に行けば、理解できる方法で教えてくれた。本当に恵まれた環境だった。
たぶん誰でも本気になったら、ある程度のことはできるだろうけど、短期間で結果出せたのは、環境に恵まれたのに加えて、考える力を養ってくれた中学時代だなぁって思う。問題解き終わるまで帰れなくて、中学生が2時とかまで勉強してた。しんどかったけど、付き合ってくださってた先生や、待っててくれた父親に感謝しかない。
大人になった今なら、尚更思う。たかが仕事で、あんなにも付き合ってくださってた先生、翌朝お仕事あるのに、何時に終わるかわからないのに待っててくれた父親。しかも塾から家まで車で1時間。あたし爆睡。本当に感謝しかない。頭上がらない。
受験が良い悪い、はよくわからないけど、考える訓練はその後の人生で絶対に役に立つ。仕事するうえでも、人間関係でも。どんなに相談しても、結局は自分で考えて答えだして、また戻って、の繰り返しだから。
数学は成功体験を与えてくれるので、もし、あたしに子供がいたら、とりあえず数学やりなさいって言うと思う。ひたすら考え抜くことを、その先にある楽しさを知ってほしい。勉強のいいところは、間違えても戻れるところ、だよね。正解するまで何回間違えてもいい。しかも正解がある。
まぁ、今はもうきっと、なんも解けないと思うけど。人って忘れていく生き物だから。。
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