良い漫画は時をかける
縁あって!小学4年生の子に漫画を貸すことになった。実家のそばに住んでいる子で、たまに帰ると息子と遊んでくれるありがたい存在なのだ。
ひょんなことから漫画が好きだと知り、私の実家に置いてある秘蔵漫画コレクションの一部を公開することにしたのだ。実家にあるというだけあって、私が小中高で読んでいた漫画がメインで、もう20年前の漫画や、私が読んでいた当時ですら連載終了して数年経った漫画だ。それに至っては30年以上前のものもある。
そんな前の作品でも楽しんでもらえるのかは分からなかったけど、私が当時夢中になって、今でも大好きな作品たち。彼女を信じて貸してみることにした。
まずはママレードボーイ。
りぼんで連載されていて、私がりぼんを読んでいた頃にはもう終わっていた作品だ。私が読んでいたりぼんで別の連載をしていた吉住渉先生の話が好きだった私は遡って読んだらどハマりしたのだ。
親同士が交換結婚することで始まる、同居ラブストーリーだ。あんな設定を思いつく先生は天才だな。小学生だった私はドキドキハラハラしたものだった。
今の子に受け入れられるのか分からなかったけど、貸したところ次の日には面白かった!と目を輝かせてつづきを借りに来た彼女にホッとしたのと同時に、いいものはいつの時代でも普遍なのだと嬉しくなった。
次に貸したのが、姫ちゃんのリボン。これもリアルタイムで読んでいた話ではないのだけど、水沢めぐみ先生の描く漫画が大好きで、大人になってから買い揃えたシリーズだ。これもきちんと面白さが伝わったようだ。
そこからは新旧漫画談義で彼女と盛り上がってしまった。いつもは息子の遊び相手として、母親的な立場から接していたのに、この時ばかりは対等な友人同士のような時間だった。20数個離れていても、共通の話題があれば、友人になれる。そういうものなのかもしれない。
しかしそれでも母親的立場を全く捨て去ることもできないので、漫画を一度に大量に貸してしまうことに躊躇いもある。
それは漫画に時間を取られ、勉強がおろそかなならないか、それによって彼女が親に怒られはしないか。
自分でも難儀なもんだな、と思いつつ、次は何を貸そうかと思いを巡らせているのであった。
久しぶりに趣味の話ができて、楽しかったんだ。
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