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ジャスティン・ビーバーLonelyから学ぶ、パーソナルな歌詞の強さ

 まだ2回くらい流して聞いただけなのですが、ジャスティン・ビーバーのアルバム「Justice」いいですね。彼が十代で大流行りしていたころを知らず(マジで)、アルバムPurpuseくらいからわりと好きになりました。曲を知らなくても、ジャスティンの声ってすぐわかるんですよね。ラジオで聞いていても「これ、ジャスティンだ!」って毎回気付く。こんなにすぐ耳が反応してしまうってことは、恐らく彼の声が好きなんだと思います。アルバム曲を一番最初に通しで聞いた時に、「Anyone」が王道で一番好きかなとは思ったのですが、やっぱり「Lonely」の異質さが気になりました。そんなに好きな曲ではないのですが、聞いていて胸がざわざわする。この曲がどんなことを歌っているか、ご存知ですか?



Lonely (By Justine Bieber) 和訳

今は誰もが僕の名前を知っている
でもそれに関してまだ不思議な感じがする
自分を落ち着かせ別人を見るように
鏡をのぞいてるみたいだ
今はすべてが違うんだ
人生が変わってしまったみたいだ
たぶん年を取ったら、落ち着いているだろう
でも今は耐えられない

もしあなたがすべてを手に入れたとして
でも誰も電話をくれないとしたら?
たぶんその時に僕のことがわかるよ
だって僕はすべて持っているけど
誰も話を聞いてくれないから
それはとてつもなく孤独だ

僕はとても孤独だ、寂しい

今はみんなが僕の過去を知っている
まるで僕の家はガラス張りだったのかってくらい
多分それは代償だ
若くして手に入れた金と名声の
みんなが僕を病んでいると思ってる
でもだれも僕を心配なんかしない
僕がやったことを批判するだけ、バカなガキだって

もしあなたがすべてを手に入れたとして
でも誰も電話をくれないとしたら?
たぶんその時に僕のことがわかるよ
だって僕はすべて持っているけど
誰も話を聞いてくれないから
それはとてつもなく孤独だ

僕はとても孤独だ、寂しい
僕はとても孤独だ、寂しい

パーソナルな歌詞に需要はあるのか

 テンポがゆっくりなので、最初に聞いた時に歌詞のほとんどを理解できました。そして「そのまんま、ジャスティンの人生じゃないか」と思いました。そして♪Lonelyと歌うことろ、つまりLo-o-o-o-o-onlyって歌っているところが、ほんとうに物悲しくて、寂しいんです。

 私は職業作詞家なので、こんなにパーソナルなことを歌詞に落とし込むことは決してありません。90年代くらいなら、それこそミスチルとか、パーソナルな歌詞もあったと思います。今は、あくまでリスナーの共感を求める傾向にあるので、こんなパーソナルな歌詞はほとんどないと思います。それは歌詞が嘘やありきたりなことしか言っていないというわけではなく、より多くの人にわかってもらえるような内容にしてあるということです。だってこの歌、ジャスティン以外の誰が歌えるんでしょう。そのまま、ジャスティンのことなので、聞いていても「私もこの気持ちわかる!」とは…ならないですよね。

 職業作詞家から見れば、これぞ”アーティスト”だなと思います。自作自演でパフォーマンスするからこそ、成り立つものだなと。この歌詞世界の主人公の気持ちを、リスナーの誰も理解できないけれど、この歌詞を歌うジャスティンはだれよりも気持ちを理解して、その思いを歌声で伝える。ジャスティンの歌声があってこそ、リスナーに伝わる『想い』です。リスナーはただ悲しくなったり、感動したり、しんみりとしてしまったり。歌詞に共感するのではなく、その歌声に心が共鳴するのでしょうね。素晴らしいパフォーマンスだと思いました。このようにパーソナルな歌詞は、そうそう需要があるものではないと思いますし、作詞家は参考にできないでしょう。でも、歌詞も含め、この歌の強さを感じました!

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