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【書籍レビュー】#05 「『書けない』から始める小説の書き方」 入江 君人著


 もし、あなたが小説を書くのであれば、是非とも一度は手を取ってもらいたいと感じる一冊。

 ライトノベル作家である著者が小説に挑戦するすべての人の悩みに向き合い、これらに対してひとつひとつ丁寧に解説していく作品。
 これまでうやむやになっていた文章や小説を書く手が止まる、どうすれば読みやすくなるか、などへの対処法をきちんと言語化、体系化がなされている。しかも、例示がとても具体的でわかりやすい。

 こういったライティング指導作品は図や表が多用される傾向がある。なぜならば、視覚的に理解がしやすいからだ。しかし、本書、ほとんど図や表はない。それなのに文章の書き方が流れるように習得できる。

 こんな文章はわかりにくい。こういった書き方は伝わらない。この文章はなぜ、よくないのか。どうすればいい文章になるのか。それを徹底的に洗い出してくれているため、初心者には嬉しい小説の書き方教本となるだろう。

 書き方の基本だけと侮るなかれ。平易な表現を印象的な文章に変える書き方。伏線の張り方。物語が進んでいく順番の考え方など、中級者以上の人も学べて満足の一冊だ。
 私もこの本から得られた知識を用いて早速執筆を開始した。まだ不慣れなので、恐る恐るだ。しかし、うまく使いこなせるようになったら、いまより文章が輝くことを確信している。

 手元に置いて、何度でも読み返したくなる一冊。
 あなたも小説を書きはじめるのであれば、是非とも最初に読んでほしい。



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